青春をツマミに酒を飲む   作:黒色エンピツ

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一話:ここどこぉ?

 

 

 

 

「……あっづぁ!?」

 

気温の暑さと背中の熱さに目が覚めて飛び起きると、砂漠が広がっていた。

 

「えぇ……」

 

俺さっきまでロドスで寝てたんだけど……なんでこんなとこいんの?

 

「サヤ、起きろ」

 

『……起動しました。ネットワークに……おや、圏外です。座標も不明ですね。ここはどこでしょう?』

 

「俺が聞きたいっての。とにかく探索だ。サヤは電波を探してくれ」

 

『了解しました』

 

ゴーグルを着け、タイマーをセットし、輪と羽を展開してアーツで周辺気温を下げて周辺に風を広げる。

 

「随分広いな……ん、建物見っけ。遠いなぁ」

 

ふわりと浮き上がり、探知した方向に全力で飛んだ。

色々と落ち着いて、鉱石病の特効薬もついに完成して俺自身もアーツを取り戻したが現在の使用限界は五分であり、ゴーグルの左上に表示された残り時間は残り四分。

急がねぇとな。

 

 

 

 

「……銃声?」

 

『ネットワークを構築………………適応

ラック様、監視カメラをハッキングした結果アビドス高等学校という施設で銃撃戦が行われています』

 

ゴーグルに映し出されたのは四人の少女達がヘルメットを被った少女達に応戦している姿だった。

 

「……輪っか?サンクタか?」

 

それにしても形状が変わっているな。

まあいい、とりあえず学校を背にしている子達がその学校の生徒なんだろう。

 

「行くぞ。戦闘中のアシストはいらねぇから情報収集に集中してろ」

 

『畏まりました』

 

速度を更に上げて開いている窓から侵入する。

 

「今度は一体何!?」

 

「やーやー、金無し宿無し身分無しのお兄さんだよ。良かったら手伝おうか?」

 

「離れて」

 

一番近くにいたツインテの子に話しかけていると、後ろからピンク髪の子に銃を突き付けられる。

 

「待った待った。俺は単純に手を貸そうかって言ってんだって」

 

「そっちにメリットがない」

 

「あるある大有だって。だからトリガーから指を抜けよ」

 

「信じられるか」

 

「分かったよ、メリットな。交渉しようぜ?あの子らをぶっ飛ばす代わりに一泊。これでどうだ?」

 

「……本当に出来るの?」

 

「任せとけって」

 

「わかった」

 

『ホシノ先輩!?』

 

「ちょっと、いいの!?」

 

「こっちも物資が無いからねぇ〜。やってくれるのならやってもらおうよ」

 

その精神は嫌いじゃねぇ。

アーツで声をヘルメット集団に聞こえるように広げる。

 

「アーアー、諸君に警告する。これ以上攻撃をするなら吹き飛ばすぞ」

 

……止まらないな。

アーツを展開してヘルメット軍団を纏めて浮かべて勢いよく反対方向に射出した。

 

「終わったぞー」

 

輪と羽を消してタイマーを確認する。残り一分ちょいか。

惚けた顔の二人に向き直る。

 

「つーわけで、お世話になります。」

 

宿、ゲットだぜ。

 

 

 

 

「わかったろ?俺はこことは別の世界から来たんだって」

 

アビドス所属の全員が揃ってから互いの情報を話したが、やはりどうにも受け入れられ難いようだった。ただ、サヤのデータを見せて少なくとも別の場所から来たということだけは伝わった。

にしても借金の額を聞いた時は耳を疑ったな……。

 

「う〜ん、おじさんとしては未だに信じられないかな〜」

 

「ん、でも私たちの見た事ないものばかりだった」

 

「サヤちゃん、他にはどんなものがあったんですか?」

 

「その、技術なんかも見てみたいです」

 

『少々お待ちください』

 

「……ねぇ、ちょっといい?」

 

「ん?いいぞ」

 

「その、聞きたくもない情報なんかも聞かされたんだけど、あれって今の話に関係あったの?」

 

聞きたくもない……?

 

「ああ、肉体関係か」

 

「ぼかしたんだから直球に直さないでよ!」

 

「お子様にはまだ早かったか」

 

ふっ、と鼻で笑うが多少なりとも混じってしまうのはしょうがないだろう。

 

「そろそろ満足したか?そろそろ寝たいんだが」

 

「ご飯も食べてないし、寝る場所は?」

 

「んなもんテキトーでいい。一応保存食はあるし、廊下だろうが空き教室だろうが雨風防げれば良い」

 

「折角ですからみんなで食べませんか〜?」

 

「そっちだって苦しいんだ。無駄にリソースを割くもんじゃねぇよ

また明日出ていく時に声掛けるわ」

 

廊下に出て少し歩いて誰もいない事を確認する。

 

「サヤ、何か変わった情報はあったか?」

 

『キヴォトス全体を管理する連邦生徒という組織の会長が何やら動いているようです。詳しく調べますか?』

 

「いや、やめとけ。こっちの事情に不用意に踏み込み過ぎるんじゃねぇ」

 

『畏まりました。それではアビドス高等学校の借金については如何しましょう?』

 

「放置だ。借りてる相手はきな臭いけど、今じゃない。

明日はちょっと移動してみるか」

 

ここら辺は閑散としてるし。確かゲヘナ学園だとかいうでっけぇ学校があるらしい。教会があるというトリニティと迷ったがそっちはその後に行ってみよう。

 

「いつ帰れるかわかんねぇし、観光してくかぁ」

 

『その前に資金を集めましょう』

 

「あ〜……銀行強盗とか?」

 

『シロコ様の言葉を真に受けてはいけませんよ』

 

「わかってるって。んじゃあ……何でも屋、万事屋?そんな感じのやってみっか。配送とかに困って無さそうだからトランスポーターは無理そうだし」

 

屋上に着くと荷物を広げる。持ってこれた物は着ていた軍用コートにポケットの中の暗器。スナイパーライフルにハンドガン、サヤと刀と大剣、それと諸々の物資の入ったバックパックか。

 

「まあ、数日は持つか。そんで、なんの用だ?」

 

振り返るとホシノが背中越しに装備を眺めていた。

 

「うへ、歩く武器庫だ。これは?」

 

「口の中に仕込んでる煙玉だな。他の子らは?」

 

「先に帰ってもらったよ〜。どのくらい広がるの?」

 

「どのくらい……結構?」

 

「え〜、わからないの?」

 

「使えてんだから良いんだよ。ほら、一個やるよ」

 

「え、いや、あっちから持ってこれた数少ない物なんでしょ?」

 

「消耗品なんだから使うに決まってんだろ。どうせ作れるし、使い方教えてやるから隣来い」

 

「強引だねぇ……」

 

隣に座ったホシノに暗器の使い方を一つ一つ教えていき、教え終わった所でホシノが疲れたように息を吐いた。

 

「おじさんこんなに使いこなせないよ〜」

 

「お前がおじさんなら俺は爺さんじゃねぇか。自分の可愛さ自覚しろ」

 

「おお〜、これで沢山の女の子を落としたんだねぇ」

 

「人聞きが悪ぃな」

 

荷物を一纏めにして酒を手に取る。

 

「あれ〜?寝るんじゃなかったの?」

 

「折角異世界に来たんだ。こういう景色を肴に酒を飲むのが大人の楽しみ方ってやつよ」

 

「ふ〜ん、そういうものかなぁ?」

 

「そういうもんだよ。んで、お前からして俺はどうだったよ?」

 

「……気付いてたんだ」

 

「気付いてねぇ訳ねぇだろ。どうせ大人が嫌いなんだろ?あんな借金吹っ掛けられてんだし。実際どうかなんて知らねぇけど」

 

「気になったりしないの?」

 

「別に。ただ、そうだなぁ……誰でも良いから、一人くらいは信じられる大人を探してみろよ。まずは俺とか。結構優良物件だぜ?」

 

「ふへ、自分で言うんだね」

 

聞きたい事が終わり、ホシノが立ち上がる。

 

「じゃ、そろそろおじさんも帰るよ」

 

「おう。夜更かししてお嬢さんの肌が荒れたら怒られちまう。おやすみ」

 

「……おやすみ〜」

 

ホシノが出ていって、一人になる。

 

「サヤ、この景色を映像に残しとけ。帰った時あいつらに見せるぞ」

 

『はい』

 

どんな顔をすっかな。エクシアは狡いって怒りそうだし、モスティマは連れて行ってって言いそうだ。テキサスも興味ありそうだな。ラップランドはあんまり興味ないかもな。

なんて、ロドスにいるみんなの事を考えているといつの間にか眠ってしまっていた。

 

 

 

 

「難しい……」

 

朝早く学校に来たシロコが刀が気になると言ってきたからサヤにゲスト登録をして素振りさせていた。

 

「まあ、刀だし。最初は振り回されるだろうよ。でもまあ?使いこなせばこんな事も出来る」

 

シロコから刀を受け取ってサヤに納め、軽く構えて振ると真空刃が飛び地面に傷を付ける。

 

「すごい……」

 

「だろ?俺のヘイローが無くなってた時期は刀とハンドガンを使ってたからな。まあ今でも時間制限があるから使ってるけど」

 

刀とサヤを渡すと見様見真似でやってみようとした。

 

「こうやって……ん!……出来ない」

 

「そう簡単に出来てたまるかっての。そうだなぁ、コツとしては空気の層を読むんだ」

 

「空気の層?」

 

「説明が難しいな。俺はアーツで空気を読むのに慣れてるから出来るんだが。こればっかりは感覚だ。空気の流れを感じろ」

 

「空気の流れ……ん!」

 

「お、今のは悪くねぇ。あ、良い方法思いついた」

 

ヘイローを出して意図的に空気の層を作り上げる。

 

「そのままさっきと同じやり方で振ってみな」

 

「わかった。……ん!」

 

「お」

 

ピシッ、とほんの少しだけ傷が付いて砂煙を上げた。

 

「やるじゃねぇか」

 

ヘイローを消してシロコを見ると、さっきの感覚を忘れたくないからか反復練習をしていた。

 

「ふぁあぁぁ……何してるの〜?」

 

「シロコが刀に興味持ってな」

 

「そっか〜」

 

「ホシノ先輩、今日は早い」

 

「うっ、おじさんだって早起きくらいするよぉ」

 

「珍しい」

 

「え〜っと、あ、そうだ。ラックさんって銃の腕はどうなの?」

 

「ん、私も気になる」

 

話を逸らしたな。

 

「そりゃもう天下一品ってもんだぜ。見てな」

 

校舎の窓を少しだけ開けて離れてゴム弾を装填して構えた。

 

「あの窓の隙間に全弾通してやる」

 

二人が真剣な眼差しを向けてくる。普段の調子で照準を合わせ、発射。間を置かずにトリガーを引き撃ち尽くすと三人で窓の方へ向かう。

 

「……うへ」

 

「ゴム弾なのにすごい、私にも教えて欲しい」

 

「これも風を読んでんだよ。意識すりゃ出来るようになるかもな?」

 

実弾のが簡単だが、弾薬費が無いから……にしても上手くいって良かった

 

「実弾ならピンホールショットだって出来るぜ」

 

さてと、ホシノが来たし良いか。

 

「そろそろ俺は行くわ」

 

「もう行くの?」

 

「他のみんなに挨拶していきなよ〜」

 

「どうせまた会うだろ。ホシノ、これ渡しとく」

 

一枚の紙をホシノに渡す。

 

「ん〜、何これ?」

 

「仮だが俺の連絡先。部長のホシノに渡した方が良いと思ってな。」

 

『早めに端末を手に入れないといけませんね』

 

いや、マジでな。サヤを介しているとはいえこの連絡方法じゃ不安定だ。

 

「そんじゃ」

 

ヘイローを出して全速力で飛ぶ。かなり広いらしいし、どの辺まで行けっかな。

 

 

 

 






以前に後書きで書いていたやつです。
短めに端折ったりしたりしつつメインやらなんやらごちゃ混ぜで書いていきます。
いつも通り時系列もごちゃごちゃで、読みにくければメインストーリーと日常編を分けたりします。
また、アークナイツの方と同じく絡んで欲しいキャラの募集なんかも活動報告に置いとくので良ければ書いてみてください。


女性先生に決まりましたがどんな人?

  • スーツでキメたポニテ先生。凛々しい
  • ゆるっと女子大生みたいな先生。ポワポワ
  • その他。後で活動報告で枠作るのでそこに
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