ダイパ世界でチート異能   作:FIIFII

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1話 ヒトカゲ

 

 

 

『私は創造神です。アナタは世界の守護者に選ばれました。異能の力を付与します』

 

 そう天から聞こえたのは、博士の研究所でポケモンを決める時だった。

 横から声をかけられる。

 

「おや、どうしたのかな?」

 

 ナナカマド博士が心配そうにこちらを見ていた。

 なんでもないと言って、三つのボールと向き合う。

 最初に手に入れるポケモンは、親からもらったりタマゴから孵すものが普通だ。

 そうでないトレーナーには、研究機関もしくはそれらを管理する人間が渡すことになっている。

 

 目の前にはヒトカゲ、ミズゴロウ、チコリータのボールがある。

 さっきまでは何の変哲もないボールだったのに、今はなんとなくそれぞれのポケモンの強さ? がわかる。

 これは各地方に数人しかいない、ジャッジと呼ばれる人が持つ特殊能力だろう。

 

 このヒトカゲは全体的に高水準な能力をしている。

 このミズゴロウは平均的な能力をしている。

 このチコリータはまずまずの能力をしている。

 もちろん選んだのはヒトカゲだ。

 能力うんぬんを抜きにしても、最初から選ぶつもりだったが。

 リザードン、かっこいいし。

 

「おめでとう、君も今日からポケモントレーナーだ。旅をするなら苦難もあるが、ポケモンと一緒に力を合わせて乗り越えられるだろう。君の目標はチャンピオンだったな、普通の人より厳しい旅になるだろう……おっと、忘れんうちにこれを渡しておこう」

 

 感謝の言葉を述べると、ポケモン図鑑の簡易化したものを貰った。

 

「正式な図鑑は、なかなか量産できんのでな。色々なポケモンを捕獲して図鑑を完成させてほしいと思っておる。成果が良ければ正式版にアップデートしよう。ジム戦の傍らで頑張ってほしい」

 

 とのこと。

 お礼もそこそこにして、研究所を出る。

 早速、ヒトカゲをボールから出して、次の街へ歩き始めた。

 

 

 

「トレーナーは目と目が合ったら勝負だ!」

 

 短パン小僧(俺も小僧だけど)が勝負を仕掛けてきた。

 出てきたのは、ビッパ。

 こちらはヒトカゲを前に出す。

 ジャッジを使う……あのビッパは、まずまずの能力のようだ。

 これが初戦闘のヒトカゲに声をかけて、鼓舞する。

 

「さぁ、いくぞ」

「ビッパ、たいあたりだ!」

 

 声をかけることで心で繋がった感覚がある。

 発声による技の指示は不要。

 これが異能の力か? 

 なんにせよ、初めての戦いでも寸分違わぬ連携が出来ると確信した。

 

 おにびでビッパを確定でやけど状態にして、繰り出されるたいあたりを避ける。

 ヒトカゲのレベルは5、対してビッパは7。

 やや不利に思われるが、ポケモンだけでなくトレーナーとしての実力が発揮されるとレベル差はひっくり返る。

 ヒトカゲのレベルを強引に底上げし、+10レベルの強化をする。

 

 そのままノーダメージで勝利した。

 お小遣いを賞金としていただく。

 

「お前、そんなに強かったのだ?」

 

 よく見ると、たまにトレーナーズスクールで見かけた顔だった。

 出会った時に、こちらがキャップを深く被っていたので気付いていなかったようだ。

 まあ、さっき目覚めたチート能力で勝てたとは言えないので、適当に誤魔化してその場をあとにした。

 

 

 

 

 コトブキシティには一時間ほど道なりに歩いていたら着いた。

 道中はビッパやムックルがいたが、モンスターボールを買い忘れていたので捕まえられなかった。

 少しでも図鑑を埋めたかったが仕方ない。

 自転車が欲しい距離だったな。

 

「ねー、そこの未来ある若者よ! ポケッチ持ってないの? いいよ、あげちゃう!」

 

 スーツのおっさんが押しつけて、足早に去っていった。 

 なんだったんだろう。

 確認すると、機能が色々とついているようだ。

 腕にとりあえず付けておく。

 

 最初のジムはクロガネシティがいいと聞いたが、ヒトカゲではタイプ相性が悪い。

 能力補正をかけたとしても、おそらくレベル10くらいにしておかないと勝てないだろう。

 ひとまずヒトカゲに休憩させるため、ポケモンセンターに向かう。

 

 

 

 ポケモンセンターに入る。

 そこには、テレビで見た。現シンオウチャンピオンのコウキがいた。

 目と目が合う。

 

「おや、君も持っているね」

 

 身体から放たれている目に見えない力が、只者でないとわからされる。

 人間なのに、能力値が測れそうなくらい力が溢れている。

 相当鍛えているな。

 

 背後にいる色違いゴウカザルがこちらを睨んでいる。

 レベルは当然のように100。

 素となる能力値は最高(個体値)。そして凄まじい努力の結晶(努力値)が、その攻撃力と素早さを限界まで鍛え上げている。

 正に最高の状態、越えるべき頂きが見えた。

 間違いなく今のままでは、絶対に勝てない。

 

「今シーズン、君みたいなのがいるならチャンピオン防衛は難しいかもね。楽しみだよ」

 

 そう言ってポケモンセンターを出て行った。

 張り詰めていた空気が弛緩し、力が抜ける。

 

「ポケモンの回復ですか?」

「ラッキー」

 

 ぼーっとしていた。ふと我にかえる。

 ヒトカゲの入ったボールを回復してもらい、自販機でジュースを買ってベンチに腰掛ける。

 

 さて、どうやったら勝てるかな?

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