ありふれた異世界剣豪は世界最強   作:NOUMINのライバルTUBAME

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アンケート結果を見て、とりあえず短めで投稿してみます


第十二話

 

 

 ◇

 

 

「すぐに立て!!あの階段の方へ退避だ!!」という一心の声を聞いた生徒たちはついさっき起きた異常な現象により混乱していたが、訓練のおかげか立ち直るのは早かった。各々が武器を持ち、言われた通りにしようと動き始めた途端、列の先頭、その直前で魔法陣が浮かび上がり骸骨のモンスター──トラウムソルジャーが現れた。

 トラウムソルジャー達はあっという間に増え、そう広くない石橋をあっという間に埋め尽くす勢いであった。亡者ようで、陰気な雰囲気を纏ったトラウムソルジャー達は、個で未だ固まったままの生徒たちに対して飛びかかった。

 

 そうなってからは総崩れとなってしまった。

 理由を考えれば仕方の無いことかもしれない。油断した先での転移トラップに、足場の不安定な場所。急いで離れようと思えば前方に大量のモンスターに、後方にはさらに強力なベヒモスという怪物が三匹。

 何年も訓練を受けたのならば話は変わっただろうが……それはたらればの話であり、状況は悪化の一途を辿っていた。

 メルド団長の指示を受け、アランはトラウムソルジャーから生徒たちを守るように立ち、落ち着くように言い聞かせるが効果はあまり無い。ただ、我先にと階段の方へと走っていた。

 

 その内の一人、女子生徒が転んでしまい呻き声をあげながら立ちあがると、眼前で一体のトラウムソルジャーが剣を頭目掛けて振り下ろそうとしていた。

 

「あ」

 

 死ぬ──と漠然とそのイメージが頭を過ぎった瞬間、突然目の前のトラウムソルジャーの足元が揺れると振るおうとした剣が女生徒の足元に突き刺さる、今度はその頭──雫が切り落とした──が落ちてきた。

 

「南雲君!ナイスアシスト!──さ、こっちに」

 

 即席の共闘ではあったが、上手く息があったようで雫はハジメを褒めつつ、女生徒に駆け寄り立ち上がらせると「早く前へ行くように」と伝え、急がせた。

 

「(状況が良くない……一心はあのベヒモスと言うやつを抑えていてメルドさん達も同じようにしてる……光輝達は……駄目ね状況に酔っていて的確な判断が出来ていない……)」

 

「雫さん」

「……っ何かしら南雲君?あなたも避難するなら──」

「……いや、僕は退避しないよ。友達が、まだ戦っているから」

 

 覚悟を決めた表情で、一心の方を見るハジメ。二人は自他ともに認める親友同士であると知っている雫は眩しそうに目を細めるとすぐに顔を真面目なものに戻し「秘策ありって顔してるわね」と問いかける。

 

「……うん。この状況に必要不可欠なのは圧倒的な火力と道を切り開く人が必要だ」

「最初は佐々木君にその役目をしてもらいたかったけど……あの怪物を三体もメルドさん達に対処させるのは厳しいでしょ?それに……」

 

「強さは保証されてるって訳ね?」

 

「察しが良くて助かるよ。……だから次点で天之河君に頼みたいんだ。……現時点で、悔しいけどアレに対抗できるのは佐々木君だけで、邪魔になる僕達はなるべく撤退するのが良いから……」

「分かったわ。──なら私もあそこまで援護する」

「……うん、ありがとう。じゃあ急ぐよ!時間がない!」

「えぇ!」

 

 ハジメの作戦を聞き、それが最善であると感じた雫は共にベヒモスと戦う一心達の元へと走った──。

 

 

 ◇

 

 

『グウォォォォォォォ……!!!』

 

 二体のベヒモスの咆哮は空間を割らんばかりに揺らした。

 しかし、其れを断ち切るかのように一心は太刀──物干し竿を抜きはなつ。

 ベヒモスは彼にとっては対したことの無い魔物。一刀のうちに切り捨てることが出来るが──

 

「一心!僕も戦うぞ!」

「俺もだ!」

「龍太郎!光輝!前に出るな!奴は生半可な覚悟じゃ──」

「それでも!仲間が戦ってるのに一人でおめおめと逃げる訳には行きません!」

 

 間を挟むように立った、光輝と龍太郎が邪魔で思うように実力が出せなかった。

 

 最初の一体目のベヒモスは難なく倒した。正に最強の一太刀であり斬られたことすら知覚出来ないまま倒れ込み、追撃しようとしていた他の二体は野生の勘とも言うべき危機管理能力で一度後ろへと下がり束の間の均衡状態が出来上がった。

 

 しかし、問題はここからだった。

 一心があっという間に倒してしまったせいか、自分たちでも倒せると勘違いした光輝と龍太郎がメルド団長の説得虚しく前に出てきたのだ。

 ──あくまで、ベヒモスは()()()()()()()雑魚だったに過ぎず、未だ未熟な二人では勝てない強敵である。

 

「──邪魔になる。とっとと後ろへ」援護などいらない、と心の底から思いながら下がるように言う一心。

 

 だが、その思いは二人には通じなかったようで。

 

「へっ、水臭いこと言うなよ。手柄を独り占めするつもりか?」

「俺たち……いや俺ならやれるんだ!」

 

 変な勘違いをしている龍太郎と、どこか焦っているような光輝が瞳に意思を滾らせる。

 

「だから!そういうんじゃ……ああもう勝手に突っ込むな!」

 

 勢いそのままに突っ込んだ二人はあろうことか、ベヒモス一体につき一人で倒そうとした。

 天を仰ぎかけた一心だったが、ここで二人が落ちると士気がさらに下がると思い地面を踏み抜き、駆け出していた二人よりも前に飛び出た。

 応戦しようとしたベヒモスの前足を切りつけ、機動力と攻撃力を削ぎ落とすとくるりと振り返り、二人の首根っこを掴み、そのままメルド団長の元へと戻り、乱暴に投げ飛ばす。

 

「何をするんだ!」

「こっちの台詞だ馬鹿野郎!!!実力差を考えろ!!」

「だが一心はあいつに勝てたじゃねえか!なら俺たちだって……」

「俺とお前らを一緒にするな!ここは俺たちに任せてお前は──」

「断る!!」

「はァ!!?」

「俺は──勇者なんだぞ!!」

「この後に及んでお前らは……!!」

 

『ガアアアアアア!!!!』

 

 さらに言おうとしたところでベヒモスが先程よりも大きく、憤怒の咆哮が空間を揺らす。その影響か、後方の生徒たちはさらにパニックへと陥り、一心の顔にも焦りが浮かぶ。

 

 迫り来る爪。

 前に出ようと気色ばむ光輝と龍太郎。

 こうなれば、多少の怪我は覚悟して前に出るしか無いと考えた一心は刀をさらに強く握りしめ、飛び出した。

 

 二匹のベヒモスは学習している。佐々木一心という人間がどれだけ危険かを。それは最初に飛びかかったベヒモスを一瞬のうちに斬った瞬間の時点で悟っていた。故に、正面戦闘は避け──その後ろ、光輝と龍太郎を狙う。

 弱肉強食の迷宮において、いつも狩られるのは弱者の方であり、それが強者の弱点となるのであれば積極的に狙うのもまた定石──。

 ベヒモスとて、伊達に迷宮最強と呼ばれて居ない。

 狡猾であり、獰猛。まさに"らしい"モンスターだ。

 

「(──こいつら……!頭が回る!俺を狙ってるように見えて()()()()()()!前に出たがろうとしてる二人をキチンと認識してやがる!クソっ!俺が集中出来ないのをいい事に好き勝手して……!!)」

 

 当然と言うべきか、一心もまたベヒモスの思惑に気が付いていた。二匹の攻撃は確かに鋭いものであったが、どうにも本気で狙おうとする意思が無い事を読み取り、そこから察することができた。

 踏み込もうとすれば、ベヒモスはその隙を付いて死に物狂いで後ろを狙う。二匹同時に殺ることは難しい話では無いが、間合いには光輝達が居て、思うように刀を振るうことが出来ない。

 かと言って、このまま膠着状態を維持すれば後ろのクラスメイト達がさらに苦しくなる。

 メルド団長も、そのことを理解してるのか、必死に光輝達の説得を試みるが──的外れな理由で、未だに残り続けてる。

 

 そんな時だった。

 

「──早く撤退を!皆のところに!君がいないと!早く!」

 

 ハジメが、必死の形相で飛び込んできたのであった。

 

 

 




中途半端ですまない……

一心君は強すぎるのでデバフ(勇者(笑))を盛り、ベヒモスを少しだけ(知能面を)強化しました。

※投稿期間について。

  • 5000文字くらいだ更新が遅い
  • 2000〜3000文字程度だが更新が早い
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