咲-Saki- もし咲が家族麻雀で覚醒してたら   作:サイレン

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 独自解釈&独自設定が満載です。
 あと、久々にオマケがあります。







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 日本には数多くの神話や伝承が残っているが、その中でも北海道の人々に伝わってきたものとしてアイヌ神話が存在する。

 アイヌの文化や宗教観はかなり独特で広大な大地や自然を舞台にした設定・物語が多く、遡れば世界創生の話もあってとても奥深いものだ。

 

 大抵このような伝承では神様が付き物だが、アイヌ神話ではそれらの存在をカムイと言う。

 アイヌの世界観ではカムイは動植物や自然現象、或いは人工物にも宿っていると考えられており、日本の八百万の神に通じるものがあるだろう。

 

 一般的にカムイと呼ばれる条件としては『ある固有の能力を有しているもの』とされており、特に人間には到底できないことを行い、様々な恩恵や災厄を齎すものである事が挙げられる。

 

 そういった能力を持つものや与えるものに内在する霊的知性体をカムイと言うのだ。

 

 アイヌ神話が他の神話と大きく異なるのは、カムイは決して人間の上位に存在するものではなく、人間と対等に並び立つ存在とされていることだろう。

 要するに、世界は人間とカムイがお互いを支え合うことで成り立っていると考えられているのだ。

 

 そして、獅子原爽はその概念を現代に体現している数少ない存在であった。

 

 

 

 

****

 

 

 

 

 〜東一局・二本場〜

 東 清澄  124,400 親

 南 有珠山 50,900

 西 宮守  75,600

 北 臨海  149,100

 

 ──ホヤウ……‼︎

 

 ばさりと広がる黒翼。

 静謐な対局室の中に、爽以外の目には見えない超常的な存在がそこに現れた。

 

 ──ホヤウカムイ。

 アイヌに伝わる蛇神のことを指し、その姿は翼を持った大蛇だと云われている。

 日高地方の西部の湖沼に棲んでいるとされ、日高の川筋のどこかには必ずいたそうだ。一例を挙げると洞爺湖に棲んでいたらしい。

 

 ホヤウカムイは酷い悪臭を放っており、その臭いに触れただけで草木は枯れ、人間は体毛が抜け落ち皮膚が腫れ上がり、場合によっては全身が焼け爛れて死ぬことすらあったそうだ。

 そのためアイヌの人々は湖沼の付近を進む時は必ず丘の上に登って、安全を確認してから通ったという。

 

 これだけ聴くと悪神や疫病神の印象しか受けないが、洞爺湖の近くの人々からは魔神の性質を持つカムイとして恐れられていた反面、時には守り神として祈られていた存在だった。

 

 ある時、現在の洞爺湖町である虻田(あぶた)で疱瘡が流行した。

 

 その当時──北海道に疱瘡が広がったのは江戸時代、本州から渡来した船乗りや商人たちによって伝播した──アイヌの人々は疱瘡は疱瘡神によってばら撒かれる災厄だと考えており、人の身で如何にかできる類いのものではなかった。

 実際に疱瘡は北海道で爆発的に感染して、アイヌ人口の減少の一因になったとされている。

 

 洞爺湖付近の人々にも同様に疱瘡は流行したのだが、彼らはこの疫病を恐れ、ホヤウカムイがいる危険も顧みずに洞爺湖畔へと逃げたのだ。

 

 その時にホヤウカムイが何を思ったのかは分からないが、蛇神はその強烈な悪臭をもって疱瘡神を追い払ったのである。

 

 以降疫病が流行した時には、人々は有珠山の山霊とホヤウカムイに供物を捧げ、病気平癒を祈ったという。

 

 そんな伝承を持つホヤウカムイを麻雀で召喚すると、これまた不可思議な現象が起こるらしい。

 

(……うーん、これはこっちの干渉が完全に閉ざされるのかな?)

 

 咲は冷静に場を見回し、普段以上に感覚を研ぎ澄ましてそう結論付けた。

 神様的な何かがいるのはなんとなく分かっているが、流石の咲でも全容が掴めなければ対策のしようがない。

 

 ここまで自分の力を封じられるのは愉快ではないが、幸い面白くはあった。

 

(さぁ、有珠山! 今度は何を見せてくれるのかな?)

 

 キラキラとした狩人の眼で咲は爽を見る。

 爽は全力で咲と視線を合わせないようにしていた。

 

(ぎゃあ〜、宮永さんがこっち見てる〜……)

 

 緊張とか恐怖とか色々な感情が煮込まれまくってもはやドッキドキである。

 

 もう卓しか見えない、否見たくない。

 

(いかんいかん、冷静にならないと)

 

 怯えてばかりではいられない。

 ホヤウという護りの切り札を使った以上、この攻め時を逃しては爽に勝機はないのだ。

 

(謂わば今は普通の麻雀。ぶっちゃけ運次第で誰でも和了れちゃうんだよねー)

 

 もしもこの場に和がいれば、何の影響も受けずに淡々と麻雀を出来るだろう。

 デジタル相手にホヤウは殆ど役に立たないのだが、今回は花マルをあげたいほどの大活躍である。

 本来の力を発揮できない状態の三人がどれほどなのかを把握しているわけではないが、確実に弱くなってるのは明らか。

 点数を稼ぐのなら今を置いて他にない。

 

(本当は全部親番まで取っておきたかったけど、これで万が一宮永さんに和了られたら目も当てられないからね)

 

 ならもう、選択は決まっている。

 

(やるしかないか!)

 

 爽の周りにカムイとは異なる何かが浮かび現れる。

 綿菓子のようにふわふわとしたそれらは、不自然なほどに色鮮やかな三つの雲だった。

 

(赤、白、青……やっぱり二回戦で使った黒と黄色が戻ってないな……)

 

 ──五色の雲。

 アイヌ神話における世界創生の物語──天地開闢では、五色の雲が登場する。

 

 大まかな概要はこうだ。

 遠い昔、この世に国も土地も無かった頃。青海原の中の浮き油のようなものができて、これがまるで炎が燃えるように立ち昇って空となり、残った濁ったものが固まって島(現在の北海道)となった。

 その内モヤモヤとした氣が集まって一柱の(カムイ)が生まれ、清く明るい空の氣からも一柱の(カムイ)が生まれた。

 そしてこの空の氣から生まれた(カムイ)が、五色の雲に乗って地上に降りてきたのだ。

 

 合流した二柱の(カムイ)はこの後、五色の雲による世界の構築を始める。

 

 青い雲を投げ入れて言いました──水になれ。

 黄色い雲を放って言いました──地上の島を土で覆い尽くせ。

 赤い雲を蒔いて言いました──金銀珠玉の宝物になれ。

 白い雲をばら撒いて言いました──草木、鳥、獣、魚、虫になれ。

 

 雲は言われた姿に形を変え、それぞれのモノが出来上がったのである。

 

 唯一出ていない黒い雲については、この後日神と月神と共に活躍するのだが今は置いておく。

 

(それじゃあ……)

 

 爽の手元にあるの雲は赤と白と青。

 必要なのは誰よりも早く、かつ高得点で和了ること。

 ならば選ぶのは攻撃型だ。

 

(白いの!)

 

 呼び寄せた白い雲を手に持ち、爽は卓へと吸収させる。

 その不自然な動作で他の三人は爽が何かしたのだろうと察することは出来たが、普段のように脅威として感じ取れない事実に内心での驚きは隠せない。

 

 今この場は完全に爽の独壇場だった。

 

(うん、いい感じに竹生えてる)

 

 手牌が索子に染まっていく様子に笑みが浮かぶ。

 

 白い雲は伝承では「草木、鳥、獣、魚、虫」になっている。

 この伝承を元にしたのだろう。白い雲を使うと草木()と鳥が描かれた牌──つまりは索子が爽の手牌へと集束するのだ。

 

「リーチ!」

 

 捨て牌を横向きに滑らせ、爽は躊躇無くリー棒を場に捧げる。

 準々決勝の対局を、姉帯豊音の闘牌を見ていたら絶対にしないだろう判断に、一番驚いていたのは当の豊音だった。

 

(うえー、先負ができないよー。他のもさっきから全然使えないし、どうしよー……)

 

 普段ならこの場面で追い掛けリーチが可能なのに、今は全く出来る気がしない。

 体験したことのない現象に豊音は涙目になりそうになる。

 このままでは有珠山にも突き放される、そう直感で理解していたからだ。

 

 爽はツモ牌を卓へと叩き付けた。

 

「ツモ! 4200、8200!」

 

 日本中でどよめきが疾る。

 

 いとも容易く咲の連荘を止め、しかも倍満を和了るという並とは隔絶された所業。

 淡や衣といった《牌に愛された子》であっても、咲相手に倍満を和了るなど簡単には成し遂げられないだろう。

 

 多くの者が息を飲み、驚愕と共に知った。

 

 これが有珠山の大将にして絶対的なエース──獅子原爽だと。

 

(なるほどね……)

 

 爽の闘牌を見終えた咲は、改めて自身の調子を確認した上で結論を出す。

 

 ()()()()の自分では、神様とやらは倒せない。

 

 正直見縊っていた。

 大体神様ってなんだよというツッコミは永水と対局していた時も何度となく思っていたが、こうも理不尽な現象をノータイムで実現されたのは咲をして想定外だった。

 

 問題なのはこの状態がいつまで続くのかが判らないことだ。

 前半戦の間ずっと継続するのなら反則レベルだろう。もしそうなら、爽の手札次第ではどこかが飛ばされて終わる可能性だってある。

 

(……おや、これは思ってた以上にまずい事態なのでは?)

 

 最もあり得て最悪なケースは、宮守が飛ばされて有珠山に二位抜けされることだ。

 この局で爽が行使可能な神様的な何かは複数いて、加えて同時併用が出来るということが判っている。

 

 まだ前半戦の東一局が終わったばかり。

 奥の手や切り札を残していても何ら不思議はない。

 

 早急な対応が必要だと考えを改め、咲は決勝まで解放しないと決めていた方針を覆すことにした。

 

「失礼します」

 

 

 

 〜東二局〜

 東 有珠山 67,500 親

 南 宮守  71,400

 西 臨海  144,900

 北 清澄  116,200

 

 少しだけ取り戻した点数とそれでも離れ過ぎてる点差に爽は嘆息しそうになるが、大将を任された自分が弱気でどうすると気合いを入れ直す。

 

 むしろ大将戦開始時よりは随分マシになったと思った方が気分も良い。

 十三万点あったトップとの差が、たった三局で八万まで落ちたのだから。

 

(さぁてと、親番だ)

 

 ここは悩みどころである。

 ホヤウが護ってくれているしばらくの間に、どれだけの点数を稼げるかが勝敗の分かれ目だろう。理想は勝ち逃げなので、攻めないという選択肢は絶無。

 並より強い程度の相手ならそれで逃げ切れただろうが、この場にいるのはエース級二人に化け物が一人。

 思い描いた勝利図が万事上手く進むことなど無いに等しい。

 

 ここでもう一枚の切り札を出すか。

 それとも温存するのか。

 

 前後半であることも考慮し、配牌を見た上で爽は決断する。

 

(赤いの!)

 

 呼び出したのは残り二つのうちの赤い雲。

 もくもくと蠢くそれを爽は卓へと押し込み、効果を自分ではなく三人へと仕掛けた。

 

 赤い雲は伝承で「金銀珠玉の宝物」となったものだ。

 麻雀においてお金を表すものは萬子、筒子、索子の三種類である。

 

 麻雀は中国を起源とするテーブルゲームであり、これら数牌の語源はそこからきている。

 

 萬はお金の単位を表したもの。

 筒はお金の形状を象ったもの。

 索は貨幣を纏めるために穴に通す縄や竹を表しているのだ。

 

 そして、赤い雲が齎す現象は意図的なツモ牌の乱れ。

 仕掛けられた者には数牌が集まりやすくなり。

 その逆、仕掛けられなかった者には数牌が集まりにくくなる。

 

 つまり、爽の手牌には字牌が集まるようになるのだ。

 

(今日は運が良いのかな?)

 

 各方角が揃う光景に自然と爽の口角が吊り上がる。

 赤い雲を使用した時の成功率は決して高くない。バラバラに字牌が集まることなど頻繁にあるし、他家から字牌が出ないのだから鳴けないという縛りもある。

 こうも上手くいったのはきっと、日頃の行いが良かったからなのだろう。

 

 それか上家に座る化け物と対局するという極大の不運を、これで帳消しにしてやろうというカムイの粋な計らいなのかもしれない。

 

「ツモ」

 

 和了り牌を掴んだ爽は宣言とともに手牌を倒す。

 そこに完成された役の名前を理解して、豊音とネリーは揃って瞠目した。

 

「小四喜、16000オール!」

 

 親の役満が炸裂。

 たったの一局で状況がまたしてもひっくり返った。

 

 有珠山が二位に躍り出たのだ。

 

(よし! この親番で決める!)

 

 ここで二連続の大物手を仕上げられれば準決勝突破も現実味を帯びてくる。

 温存はやっぱりやめだ。

 残り三回ある咲の親番を流す為の奥の手と考えていたが、確実に稼げる時に使う方が有意義であると爽は判断した。

 

 爽は両手を胸の前で交差し、新たなカムイを呼び出す──

 

(アッコ──)

 

 

 

 

 

 ──バチリ!

 

 

 

 

 

 ……その考えは、突如背筋に走った絶望的なまでの悪寒と共に棄却された。

 

「……………………………え?」

 

 聴いた者ですら不安を煽られるような素っ頓狂な声が、対局室にいやに大きく響き渡った。

 

 その意味を豊音とネリーも即座に察する。

 

(こ、これって⁉︎)

(宮永!)

 

 光の加減で目元が影になっている咲の瞳から、青白い放電が漏れ出ている。

 先程までは異能の気配すら感じなかったのに、今は空間が歪むほどの何かが鬩ぎ合っているのが三人には判った。

 

 その事実に驚愕を隠せないのは爽だ。

 

(うっそでしょ⁉︎ ホヤウがまだいるんだよ⁉︎)

 

 あり得てはならない現実に爽の思考が停止する。

 

 そう思えば、と思い出す。

 東二局が始まる前に、咲は妙な行動に出ていた。

 何の意図があるのかは知らないが、おもむろに靴と靴下を脱ぎ出したのだ。

 

 その意味を知るのは清澄と白糸台の選手のみ。

 和たち清澄の面々と白糸台の菫含めた三人は唾を飲み込み、実姉である照は視線を鋭くして、淡だけが興奮で笑っていた。

 

「……み〜つけたっ」

 

 姿形までは捉えられないが、己の領域を侵食する異形の存在を咲はその眼で見据える。

 自分を二局分も手間取らせたことに咲は心の中で賞賛を送り、それでも刃向かった報いは受けてもらうと別れの挨拶を告げた。

 

 ──じゃあね。

 

 咲の視線から紫電が迸る。

 

『────────────ッッッ‼︎⁉︎』

 

 音にならない絶叫が物理的に会場全体を震わし、次の瞬間には何かが消え去った。

 

 ふっ、と感覚が戻ったのは豊音とネリーだ。

 

(なっ、なに⁉︎ 何が起きたのー?)

 

 慌てた行動をつい表に出してしまう豊音とは対極に、ネリーは咲を両眼を見開いて見てしまっていた。

 

(コイツ……化け物か……)

 

 自然とそう思っていた。何をしたかも完璧には理解できていないのに、ネリーはそう思ってしまった。

 その事実に気付いたネリーは愕然とし、歯を食いしばって形相を歪ませる。

 

(潰す、コイツは絶対に私が潰すッ‼︎)

 

 対して、爽の動揺は尋常ではなかった。

 

(あり得ないあり得ないあり得ない‼︎ こんな、……マジかこの人⁉︎)

 

 もはや人間に向ける眼ではない表情で、爽はそこにいる化け物を呆然と見詰める。

 

 カムイが人間の意志に弾かれたというのか。

 アイヌにおける神様が。

 たかが人間の分際に。

 ははは……とから笑いが溢れ、諦めの境地に達しそうになった爽は一際大きく息を吐き出した。

 

(これが宮永咲か……私も自分が結構特別な人間かと思ったことあるけど、この娘には劣るかな)

 

 切り替え、さてどうしようかと爽が沈思する中。

 

 地味に焦っていたのは咲であった。

 

(あれっ⁉︎ 神様倒した筈なのに力戻んないんだけど⁉︎)

 

 手応えはあった。少なくともこの場から叩き出したのは確実だ。

 予想外だったのは、その神様とやらが咲に与えた置き土産だった。

 

(これもしかして私だけ効果継続? やられた〜、これは予想外……)

 

 流石は超常的な存在、ただでは退場してくれないらしい。神に刃向かった代償とか、一種の呪いみたいなものだろうと結論付け咲は仕方ないと受け入れる。

 

 目標は達成したし、もう満足した。

 

 今度お姉ちゃんと衣ちゃんに自慢してやろうと会話がおかしくなりそうな未来図を描いて、咲は未だ見ぬ神様を期待しながらこの後の方針を決定する。

 

 ──私が本当に宮永照の妹だと世間に知ってもらおうかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 










 結論

 ──真の英雄は眼で殺す












 以下、本編の内容を吹き飛ばすであろう流行に乗っただけのオマケ







 ☆ちゃん
「祝! 遂に『咲-saki- もし咲が家族麻雀で覚醒してたら』の総合評価が10,000ptを突破したよ‼︎
 これもみんなのお陰だね、本当にありがとー!

 いや〜、ここまでスゴく長かった気がするよ。もう全国の準決勝だもんね。
 今私もテレビで観てるけど……なんかサキ色々とヤバくない? 初めて会った頃も相当だったけど、性格の悪さに磨きがかかってない?

 ……え? 私とサキの出会いはどうだったのかって?
 ……うん。まぁ端的に言って最悪だったよね、主に私の気分が。
 サキは性根から心根まで終わってたし、ホントテルの妹とは到底思えなかったよ。まぁ私が悪い部分もあったんだけどさぁ……。

 その後はなんだかんだで丸く収まって今は仲良く……できてるのかはわかんないけど、互いにライバルとして意識するようにはなったんじゃないかな? ……サキから見た私がどう映ってるのかは超疑問ではあるけどね。

 ……サキはね、やっぱりテルと似てるんだよ。
 どこかもの淋しげというか、孤高な存在って感じ。テルはサキと再会してからは大分マシになった気がするけど、サキはある意味テル以上にそこら辺がわかりにくいからね。
 ……えっ、心配してるのかって? そんなわけないじゃん! 誰があんな奴!
 ただ、私と対局するときにやる気が無かったらムカつくだけだもん! 絶対私がサキをギャフンと言わせてやるんだから!

 ……なにその顔? スゴくムカつくんだけど?

 ……あぁぁもうヤメヤメ!
 今日はお祝いなんだから、もっと楽しい話をしないとね!

 ふふん、実は私はこんな噂を聞いちゃったんだ。

 主人公は私なんじゃないかって!

 まぁね、当然だよね! あんな悪役しか似合わないサキなんかより、反省して強くなってそれでも魔王に立ち向かうために健気に頑張るウルトラスーパーノヴァな☆ちゃんの方がよっぽど良いもんね!
 みんなよくわかってるじゃん! みんなありがとー!

 よーし!
 お祝いだし、ここは主人公の☆ちゃんがなんでもお願いを聞いてあげるよ!



 ………………………………。



 ……ん? ごめん、なんかよく聞き取れなかったみたい。
 もう一回言ってくれないかな?






 …………………。







 …………スカートめくってパンツ見せて欲しい? 本当に履いてないのか気になる?









 …………………………………はぁ。






 ナニ言ってんのかマジ意味わかんない。








 ………………………わかった。



 なんでもお願い聞いてあげるって言ったのは私だもんね。



 ………………………………はぁ。



 ……………。






 …………チッ…………」








【挿絵表示】








「……………なにニヤニヤしてんの?



 …………本当に、気持ち悪い」




























 なお、

 ──咲世界におパンツなんて存在しないから‼︎

 という神の如きご指摘に反論する術はありませんが、残念ながら絵は変わらないのであしからず……。

 みなさん、本当に読んで頂きありがとうございます!

 感想待ってます!
 本編の感想もお願いします!
 ☆ちゃん、ありがとうございます‼︎


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