フェミニン国家召喚   作:神谷萌

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準備運動、第二! 【注意・やや過激な性的表現あり】

「はぐっ!」

 

 壁も床もコンクリート打ちっぱなしの、無機質で殺風景な部屋。

 コンバットブーツとグローブを除いて裸にされ、両手を縛られた女性が3人ほど、その縛られている手首で天井から吊り下げられている。脚を開いた状態で左右の足首を棒に縛られて股を閉じることができないようにされ、吊り下げる高さは各々の女性が爪先を突けられるかどうかという高さに調整されている。

 そして、軍服を着崩した男達が、かわるがわる、その女達の背後から尻や腰を掴み、自身の棒を女の鞘に押し込んでいた。

「こ、この……」

「ぐ、ぁ、うう……」

 女達は、屈辱に表情を歪め、目からは涙を流している。ただ、弱々しくすすり泣くような女は皆無だった。

「くくく……」

 この室内には不釣り合いに豪奢な椅子に腰掛けた、ガオグゲルが、捕らえた敵軍の女性兵を自軍の男性兵士が犯している様子を、満足そうに見ながら、下卑た笑いを漏らしている。

 そのガオグゲル自身も、下半身は裸だった。

「あ、あぐっ!?」

 女の1人の中で、男が発射した。された女の顔が憎悪混じりに更に歪む。

「この野郎、このままで済むと思うなよ……」

 その女は、背後にいた男を睨もうと、身体を捻ろうとしたが、既に離れた男に変わって、別の男が、その女を押さえつけにかかる。

「ピーピーうるせぇよ、黙ってヤられとけ、そらっ」

「うっ、うぐっ」

 押さえ込んだ男が、そのまま女の中に押し入った。

「なぜそんな顔をするのか? 性交は自由、そのような国是と聞いていたが?」

 皮肉るように、ガオグゲルが言う。彼の片手も、見た目に華奢な敵軍の女の頭を鷲掴みにし、横側から自身の膝の上に押さえつけていた。

「なにが……エクスプレッセスティのフリーセックス社会は全員の快楽を追求するもので、こんな合意に基づかないやり方はその対極 ────…………」

「あー、小賢しい。わざわざ答えなど期待しとらんわ」

 ガオグゲルが押さえつけていた女が、憤怒と憎悪の表情で言うものの、ガオグゲルはそう言うと、女の頭を圧迫して、その口に自身の棒を押し付け、

「つまらんことを言っている口があったら、咥えていろ」

 そう言って、さらに女の頭を圧し、女がそれを咥えざるを得ないようにした。女は不本意にもそれを口腔内に含みながらも、憎悪に満ちた表情をしている。

 ────…………その、一方で。

「あら、辿々しい。初めてなのかしら?」

「え、あ、その……」

 他の3人と同じように、並べて天井からつられていた、小柄でやや肉付きのいい女性が、力加減をうまくできていない若い男性兵士に対し、訊ねるように言う。

 若い男は、言葉を詰まらせてしまっていた。

「そう言うことなら、いい機会だから経験しときなさい。私は娑婆でそう言う仕事していたから、慣れているし。おばちゃんだしねぇ」

「え、おばちゃんって……」

「おばちゃんよぉ、もう40越えてるもの」

「ええっ、本当ですか!? み、見えない……」

 よくよく観察すれば身体の弛みや顔の加齢は見て取れるのだが、初対面の相手になら10代にすら見える相手に、若い男は、お互いの立場を忘れて声を出してしまう。

「私の歳はいいじゃない。時間もないみたいだし、ささ……」

 縛られた、少女に見える女性に誘われて、若い男はゴクリと喉を鳴らした。

 

 ──── また、これとは別に、部屋の片隅では……

「ふふっ、面白い身体ねぇ……」

「ふぐっ、あっ、ぁぁぁぁっ!!」

 生物学的に“()”である敵の(シーメール)兵士が、やや堀が深く切れ長の目の、長身の女性士官に(なぶ)られていた。

 全裸にされたシーメールは、女達と同じように吊るされ、自身にとっては敵である女性士官の、あくまで軍人にしては、という範疇のやたらきれいな手で、棒や胸の膨らみを擦られ、抵抗する事もできずに発射してしまう。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

「ふふふ……どうしたらこんな身体になれるのかしらねぇ……興味あるわ……」

 そう言いながら、ぐったりしているシーメールを、女性士官は手でその身体のあちこちをまさぐる。

 ただ、その女性士官は、この場にあって、軍服をやたらしっかりと着込んでいた。

 ── この人…………?

 

 

 ヒノマワリ王国・レイフォル国境線。

 ヒノマワリ王国側、エクスプレッセスティ軍集結地点。

「適当に引いてきたけど、ドリアか」

 戦闘(レー)携行(ショ)()の、 “主食” の箱を開けながら、アストリッドは声に出して呟いた。

 包装には飾り気がなく、単色印刷で「クリームチーズとミートソースのドリア」と、同じ仕様の市販用保存食と同じ名称が書かれている。

 箱中からは、ずっしりと重みのある、皿のように平たい缶詰が出てきた。

「よっと」

 一旦タブを起こして密閉を解いてから、固形燃料用の折りたたみポケットストーブに載せる。再充填式のガスマッチを取り出して、固形燃料に点火する。

「いいんでしょうか……自分達ももらってしまって……」

 同じ様に、「デミグラスソースハンバーグのランチトレー」と書かれたパッケージを、副菜の缶詰と共に手に持ちながら、ムー陸軍の砲兵隊員であるアーツが、どこか気まずい様子でそう言った。

「ああ、うん。ムー軍の隊員に配る分は計算に入ってるから、大丈夫」

 アストリッドはそう答える。

 それを聞きつつ、アーツは、アストリッドの向かいに腰をおろしつつ、借りたポケットストーブを展開して、見様見真似でアストリッドと同じようにした。

 2人が座り込んでいるのは、9T016装甲弾薬運搬車の、その装甲された荷台の上だ。

 9T016は、2S016自走砲に随伴する車両 ──── と、いう名目で調達された。66発の155mm砲弾を積載し、作業用小型クレーンを備える車両である。

 名目で、というのは、実際には、自身で武装をもたない車両として、日本からの調達実績確保の為に制式化された背景があるのである。構造上は陸上自衛隊96式装輪装甲車とファミリになる。

 本来、エクスプレッセスティの8×8装輪装甲車はBTR-60からBTR-4ファミリに至る、東側型の技術系統なので、そこに日本型が混じると、本来は運用・整備に不利が生じる。そこを敢えて度外視して、というわけだ。

 なので、本来の仕様では装甲されてはいるが武装はない。マウントすらない。が、()()()()フレームの出っ張っている部分に、後からドリルで穴を開けて、KT-243 6.2mm機銃、また車体によってはRK-3対戦車ミサイル発射器を()()()している。

 旅団付で配置されている第101ロケット砲小隊の他に、もちろんアストリッドら砲兵連隊の自走砲やロケット砲の小隊も、既に次の作戦の為に場所を変えている。2S016やThunderbolt-2000の弾倉には砲弾が装填され、この9T016も66発を飲み込んでいる。

 ピッ

「うし」

 アストリッドは、腕に嵌めていた、Baby-Gで、規定の加熱時間を経過した事を確認すると、制服の一部であるグローブを嵌めたままの手で、ドリアの缶トレーをストーブからおろした。タブの部分をつまんで、その大部分を剥がして開く。

 芳醇なミートソースの香りが漂う。アストリッドはそれを鼻で吸い込み、堪能するようにして、

「んんー、嗅ぎ馴れたいい匂い」

 そう言いながら、一度、胡座をかいた状態で手を合わせる姿勢になる。

「いただきます、と」

 アストリッドは、そう声に出してから、スプーンをドリアに差し込もうとする。

 射撃即応体制で、そこかしこで隊員が食事をとっている。自車の制御盤の脇にどっかり腰を下ろしている者も多い。

「…………皆さん、結構……その、豪胆と言うか……」

 アーツも、自身のトレイを、砲兵用のグローブを鍋つかみ代わりにして火から下ろしながら、周囲を見渡すようにして、言う。

「何が言いたいの?」

 特に他意もなく、アストリッドが、キョトンとした様子で聞き返す。

「グラ・バルカスの軍隊に、捕虜と言うか、味方が捕まっているんですよ? 心配とか、不安とか、そう言うのないんですか?」

「ああ……」

 真剣な表情のアーツの問いかけに、アストリッドが、そんな事、という感じで言う。

「だから、助ける方がしっかりしとかなきゃならないんでしょうが」

 そう言いながら、アストリッドは食事を摂る手を再開する。

「それは、そうかも知れませんが……」

「それに」

 まだ、どこか引っかかった様子のアーツに対し、アストリッドは一度口の中のものを嚥下した後、スプーンを立てて、言う。

「どれほど、いえ、こう心理的に圧迫がかかってる時程、きっちりカロリー採れる身体とメンタル保ててないと、軍人はやってられないわよ。出世したいんなら尚更ね」

 そう言いながら、レーションとともに配給された、450mlスクリューキャップ缶のアクエリアスを煽る。

「ぷはーっ、…………この事そのものは、ムーの軍隊でも教わると思うけど」

「…………それは……」

 アストリッドに言われて、アーツは、最初戸惑ったように反応してから、小さなため息を()いて、口元で苦笑する。

「どうしても、まだ、見た目で偏見があるんでしょうね。見目麗しい女性ばかりなので……」

「そこも正直に、『童顔のガキが多い』って言っちゃっていいわよ」

「いや、別にそこまでは……悪く見ていませんよ」

 アストリッドの言葉に、アーツは、苦笑したまま、自身の食事にスプーンを差し込んだ。ハンバーグを少し欠けさせ、それをデミグラスソースの染み込んだ白飯とともに少し掬って、口に運ぶ。

 咀嚼して、嚥下する。

「旨い!」

 アーツは、目を見開くようにしながらそう言った。

「これが戦闘糧食なんですか……携行用の」

「食はあらゆる活動の活力だからね。兵隊が(すき)(ばら)抱えてる軍隊が勝てるなんて思わないよーに」

 アストリッドはそう言うものの、やはり国柄というのもある。

 特に陸軍は、ウクライナの影響がかなり大きいはずだが、隊内の文化は完全に日本のため、食へのこだわりは並々ならぬ物がある。

 しかもレーションの開発・製造依頼先が、ニッポンハムとサントリーなのだから、勢いレトルトグルメに力が入る。

 とは言え、そこは流石に、開発目的は押さえられている。

「腹持ちもいいわよ。普段身体動かさない人が食べ続けると太るくらいにね」

 アストリッドは、口元で笑ってそう言った。

 エクスプレッセスティ国防軍のレーションは、3食で2,700~2,900kcalになるように()()されている。

 これは諸外国のそれに比べて、10%ほど低い。

 理由は当然、構成員の大半が女性であるためだ。…………が、それでも一般的な男性の摂取量の上限に近いので、高カロリー食である事に違いはない。

「ようし食ったぞ」

 アストリッドは、車体の上に広げていた自身の食事を平らげると、そう言ってからアクエリアスの残りを一気に煽る。

「それじゃ戦争しますかね」

 ゴミをざっと分別しながら、そう言った。

 

 

 国境西側、旧レイフォル領内。

 グラ・バルカス帝国軍・バルクルス基地、司令部本棟、地下室。

「あ、あ、あ、あいつらぁ……無茶しやがって……」

 ほとんど牢獄と言っていい、調度品もほとんどない室内に、10人のエクスプレッセスティ兵が、ブーツとグローブだけの裸体で監禁されていた。

 最初に5人、その後3人ずつぐらい、尋問室なる部屋に連れて行かれて、実にガオグゲルらしいやり方で彼女らを犯した。…………まぁ全員が凌辱になっていたのかは別として。

「どうしてくれようか……」

 軍人という立場からか、それともそもそもの国柄か、弱々しくすすり泣くような人間はおらず、恨みのこもった表情と口調で毒を吐いている。

 中には、

「弾薬庫か燃料タンクの位置でもわかればなぁ……」

 と、物騒な発言をしている者もいる。

 すると、コンコン、と、のぞき窓のある扉がノックされた。

 グラ・バルカスの軍人であれば、別にその必要はないだろう。

 室内にいた人間の複数が、扉に視線を向ける。

「主人公機と言えば?」

 そう、扉越しに問う声が聞こえてきた。

「98式AV?」

「GX-9900とか?」

「そんなマニアックな……せめてZGMF-X56Sにしとかない?」

「『イングラム』に『ガンダムX』に『インパルス』。これでRX-78が出てこないって……あんたら、結構余裕あるわね……」

 室内の人間が口々に言っていると、扉を開けて、1人の女性が入ってきた。

 その格好こそ、グラ・バルカス軍の制服に身を包んでいるが……

「このあたりが解るってことは、味方?」

 室内にいた女性達は、構えるようにして、入ってきた女性を睨みつつ、問いかけるように言う。

「総統府情報総局付、シーマ・ルガッハよ。階級はとりあえず、大尉ってことで」

「シーマねぇ……」

 グラ・バルカス軍装姿の女の発言に、女性の1人がそう言って、ジトーっとした視線をシーマ……──── ウィラ・マロンウォズ少佐に向けた。

「ここではそう言うことにしといて。で、全員いる?」

 どっと疲れたような表情になりつつ、ウィラが問いかける。

 すると、女性達が困惑気に顔を見合わせあってから、

「…………それが、今……1人、ここから離れてて……」

 と、1人がそう答えた。

「まずいわね……そんなに時間がないのに……」

「!」

 ウィラが、少し苛立ったような表情で呟くように言うと、何人かの女性が、ハッとした顔になった。

「ひょっとしたら、その事予見して……」

「え?」

 女性達の呟く声に、今度はウィラが問い返す。

「ナタリー……ナタリー・ブロム曹長補なんですけど、濡れ仕事は経験あるから、しばらくガオグゲルが動けないようにしてくるって……」

「それは……まずいな、現時点で生きてる人間から死者出すなって言われてるのに……」

 ウィラはそう言って、頭を抱えかけた。

「もしかして、“蒼穹の(もー)(むす)”、ですか?」

 1人が、某爆撃パラノイアの、渾名のひとつを持ち出して、ウィラに問いかけてくる。

「違う。っていうか、アレ(イリーナ)じゃないから問題なのよ。アレは絶対誤爆しないから」

「ああ、なるほど……」

 頭を抱えかけた姿勢のままの、ウィラのその言葉に、何人かの女性が乾いた笑顔になって、1人がそう言った。

 ──── その時。

「動かないでくれるかしら?」

 と、ウィラの背後に、別の、長身のグラ・バルカス女性兵が立ち、銃口らしい尖ったものをウィラの背中に突きつけてきた。

「っ! ま、待って、待って下さい!」

 ウィラが反射的に裏拳をかまそうとした時、1人の女性 ──── 否、裸体の股間に平常状態の棒をぶら下げた、シーメールのエクスプレッセスティ兵が、慌てた声を出した。

「…………」

 ウィラの寸止め裏拳に視界を支配されたその女性兵は、顔面を蒼白にしていたが、

「と、…………と言うことは、やはり密偵ね、あなた」

 徐々に血色を取り戻しながら、背中越しにウィラに、問いただすような言葉を投げかける。だが、その口調は、どこか緊張感を欠いた様子だった。

「そのままスパイで処分……という様子ではないようね?」

 ウィラが問いかけると、その女性兵士は、拳銃をウィラの背中から離し、(ハン)(マー)を戻す。

「ええ、目的は似たようなものでしょうから」

「似たようなもの?」

「その…………」

 ウィラが振り返り、妙に楽しそうな表情をしている女に向かって問いかけると、シーメールの兵が、妙に緊張感のない苦笑をしながら言う。

「その人、私と同じみたいでして……」

「え?」

 ウィラと、それに数人の女性も、軽く驚いたような、間の抜けたような声を出してしまった。

「そーいうこと。それにその()、可愛いし、あーんな品性下劣な無能の下に私を配置するような軍に見切りをつけて、駆け落ちでもしようとしたってわけ。ついでに他の捕虜が逃げても、知ったことじゃないしねぇ」

 オートマチックの拳銃を片手でカチャカチャとゆすりながら、その女性……──── グラ・バルカスのシーメール兵は、ケラケラと笑いながらそう言った。

「ま、まぁ、そう言うことなら……」

 ウィラは、苦い顔をしながら、濁すような言葉を発した。

「それより大尉、時間がどうとか言ってませんでした?」

「そうだ、そろそろ予定時間に……」

 エクスプレッセスティのシーメール兵の言葉で、ウィラが、腕時計で時間を確認しようとした、まさにその瞬間 ────

 ドッグワッ! ドゴォオォォォン!!

 大音響とともに、衝撃でこの地下室までビリビリと振動する。

「何、何がおきたの?」

「何をやったんですか?」

 グラ・バルカスのシーメール士官が少し狼狽えた様子で、先程からウィラと主体的に話していた女性兵がウィラに問いただすように、それぞれほぼ同時に言う。

「9K79-1、トーチカU~」

「えーっ!」

 気まずそうな苦笑で言うウィラに、問い詰めた女性兵士が声を上げる。

「それって、何!?」

「戦術弾道弾です、大型地対地ロケット弾、と言って、レオナさんに言って解るかどうか!?」

「大型超長射程の砲だと思って?」

 レオナ、と呼ばれた、グラ・バルカスのシーメール士官が、先程までと一転、険しい表情で、問い返す。

「構わないと思います!」

 エクスプレッセスティのシーメール兵が、そう答えた。

「さっき、()()()()タンクに電波標識置いといたから、多分大火災」

「それを先に言っといて下さい、大尉!」

 ウィラとノーマル女性兵との間で、掛け合いになりかけたが、

「待って、ガソリンタンクって、滑走路の方にある大きいやつでいいのよね?」

「ええ!」

 レオナに、ウィラが答える。

「なら、注意はそちらに向かっているでしょうけど、火の手がここまで来るには暫く掛かるわね! ドサクサ紛れに脱出したいところだけど……」

「ううん、ただ、1人ガオグゲルのところにいて……」

「チッ」

 ウィラではない、女性兵士の答えに、レオナは両手で拳銃を握りつつ、舌打ちをした。

「お前ら、何やって……」

 そこへ、もう1人、別の若いグラ・バルカス兵が、怒声を上げながらやってくる。ウィラは、反射的にS(Smith)&(and)W(Wesson) M66『コンバットマグナム』4インチモデルを抜き、表情を険しくしながら構える。レオナもオートマチック拳銃を両手で構えかけたが……

()()()准尉、あなたが何を…………」

「あっ、もしかして、この子!」

 レオナを見てそう言いかけた若い男性兵に、更にその彼を見たエクスプレッセスティの女性兵が、声を出す。

「ナタリー曹長補にチェリーキリングされてた!?」

 そう言われて、若い男性兵は顔を真っ赤にしてしまう。

「なーるほど、お仲間ってことかしら?」

 レオナは、そう言いながらにやーっと笑った。

「ただ、そのナタリー曹長補が、今、ガオグゲルのところにいるんです!」

 エクスプレッセスティのシーメール兵が、そう言った。

「なんですって!?」

 

 

 第1装甲連隊。

 その2号車の車長席に、クロエ自身が収まっていた。

 口元で、震えるのを押さえ、笑みを浮かべる。

「戦車、前進!」

 






具体的な感想をいただけると、続きを描くことが捗ります。
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