解放戦線重要拠点『壁』近辺
「逃げるなアドバイザー!!!」
「こっち来んな脳筋クソアセン女!」
やぁ皆、俺だAC技師でアセンアドバイザーのナインだ。
今すっげぇヤバい状況に陥ってるんだけどことの経緯を説明したい。
ことの発端は、解放戦線所属のAC乗り兼参謀の『ミドル・フラットウェル』の機体『ツバサ』の点検と調整を行っていた時に遡る。
「おーい、調整終わったぞフラットウェル」
「いつもすまないな
こいつはフラットウェル、解放戦線の実質的トップで色んな所に協力者がいる超有能な参謀だ。
俺の名前を知ってる数少ない1人でもある。
「別に構わねぇよ、それよりメンバーにしばらく汚染市街に近づかないように言っときな、密航した独立傭兵が大型ヘリを撃墜して以降、封鎖機構の連中が常に網を張ってるから下手に近づくと死ぬからな」
「おぉ、そういう情報はありがたい...早速同士たちに共有しておこう」
「そうしときな(まぁ、どうせまた情報統制して部下死なせまくるだろうけどな)取り敢えずお前さんのACの調整は終わったから俺は帰るぜ、最近届いた新しいパーツを早くいじってみたくてな」
「すまない、その前にもう一機ACを見てくれないか?」
「...ACの名前は?」
「AC『ユエユー』パイロットは我らの同士が1人『リトル・ツィイー』だ」
「帰らせてもらう」
「待て、せめて見るだけでも」
「やだね、あれはAC以前に乗ってる本人の性格直してからじゃないと意味がない」
「ぐっ、それは...」
「前線に出したくないのはわかるし、下手に情報多く与えると意味不明な行動して戦況を搔き乱すから
そう、先日多重ダムで621に撃破された解放戦線幹部『インデックス・ダナム』は俺の顧客の1人だった。
「ドルマヤンのじいさんをリスペクトして機体組みたいってのはわかるが全身フル芭蕉で近接戦闘用の武装無しは流石にいかんだろ。
あのじいさんはその辺理解してアセン組んでるからバカみてぇに強いんであって、強みを一切活かせないアセンを組めばそりゃ成り立ての独立傭兵にもやられるだろうよ(まぁ、嬢ちゃんのアセン組んだ俺も悪いけどな)」
ダナムがやられた時の戦闘ログを見る限り、俺が嬢ちゃんに教えた戦法そのまんまで追い詰められて最後にパルスブレードで一刀両断されたみたいだからな。
「とにかく、ツィイーの機体に関してはあの直情的で周りを疑うことを一切知らない温室育ちみてぇな性格が直るまで見ねぇからな」
「そうか、残念だな...そういうことだそうだツィイー」
「えっ?(震)」
俺がビビりながら振り向くとそこには...。
「誰が温室育ちの直情バカだって?(怒)」
「やっべ、フラットウェル...こいついつからいたんだ?」
「お前が帥父ドルマヤンの話を始めたあたりからだな」
「なぁ、もしかしてお前面白そうだから気づいてて黙ってたな?」
「あぁ、勿論だとも」
「ふざけんなくそったれぇー!!!」
「さーてアドバイザー?、私の機体を見てもらおうか?」
「あっ、そんじゃさいなら(コロンッ♪)」
「ん?、うわっ眩し!」
俺はあらかじめ用意しておいたメリニット印のスタングレネード*1からピンを抜き、ツィイーの足元に転がしてやった。
「じゃあなフラットウェル!、次はその脳筋クソアセン女がいない時に呼んでくれ」
「あー!、待てアドバイザー!!!」
んで今に至るわけ。
「しっつこ!、スタングレネード目の前で炸裂させたのになんでもう目が見えるんだよ」
「私の機体を見てくれるまでは絶対に逃がさん!」
「あっ、あっちにアーシル*2が」
「えっ!?、どこどこ?」
「今だぁ!!!」
ツィイーが余所見をした瞬間を見計らい、俺は停めてあった自分のACに乗り込みシステムを起動した。
『メインシステム...戦闘モード起動』
「よしっ!、AB出力最大...かっ飛べぇ!!!」
ABはACが持つ長距離移動手段の1つで、ACが単体で長距離を飛行する際に使用される。
なお、OSを強化することで飛行中に蹴りを繰り出すことができるようになるのだが、これがかなり役に立つ。
この蹴りはACの重量で威力が決まるのだが、なんとある程度速度を確保した中量型でもMTくらいなら一撃で粉砕できる威力を誇る。
なので、OS強化では『アサルトアーマー』『ウェポンハンガー*3』の2つと同じく最優先で取った方が良いぞ。
「ふぅ~...ようやく一息つけるぜ、あいつAC乗りとしては最低クラスの実力しかねぇのにフィジカルは化け物だよなぁ、普通スタングレネード食らったらしばらく動けねぇだろ」
解放戦線の拠点に行く度に追いかけ回されているが、正直いい加減にして欲しいものである。
何を言われても嫌なものは嫌なんだよ。
「せめてあのめちゃくちゃ古いFCSに拘るのやめてくれたら少しはアセン見てやっても良いんだけどな」
俺がリトル・ツィイーの機体を見ない理由の1つがそれだ。
ダナムもそうだったが、絶対に外したくないパーツに限ってクソみたいな性能のやつなんだよ。
ツィイーの場合は皆から貰ったからという理由で型落ちのボロいFCSを使い続けてるし、この前くたばったダナムに関しては俺の忠告を無視してBAWSの産廃ジェネレーターを使い続けた結果、肝心な時に攻撃を避けるためのエネルギーが残ってなくて機体ごと真っ二つだ。
後、2人ともせっかくKIKAKU*4とフル芭蕉一式*5使ってるのになんでブレードの1つも積んでないんだよ。
「このまま先延ばしにするのも駄目だよなぁ、仕方ねぇからあいつの端末にアセンブルデータ送っとくか」
それを見てアセン変えるも変えないもあいつの自由だからな、これで全く変わらないようならちょいと痛い目を見てもらうか。
「確かあいつの端末の番号は~と、おっこれだな?...いや、本人に送っても多分見ないよな、あいつメールとか全然見ないタイプだしなぁ、しゃあないからアーシルに送っておくか」
俺がツィイーと死んじまったダナム用に組んでおいたアセンプランは主に2つ。
1つ目:芭蕉の適正を活かした近接特化タイプ
2つ目:二人の戦闘スタイルを元にした後方支援特化型アセン
前者なら芭蕉のイカれた近接適正を活かし、ベイラムの近接特化FCSを積むことでKIKAKUとの噛み合いを重視したパルスブレード特化構成。
後者ならFCSをファーロンのミサイル特化型に換装し、武器もそれに合わせたものに変える構成だ。
「まぁ、ツィイーのやつだと後方支援型にしたところで一緒に肩並べて戦うやついないから意味ないけどな」
俺は送ったアセンデータを見ながら自嘲的に笑う。
「さて、そろそろお前も点検してやらねぇとな相棒」
俺の機体は色んな伝手を利用して集めたパーツを混ぜて組んだ万能型ACだ。
突出した性能はないかわりにあらゆる状況に対応できるようにしてある。
「さぁ、調整が終わるまでゆっくりお休み...
【今回の武器紹介】
『IRIDIUM』
今回登場したリトル・ツィイーの乗るACユエユーに装備されている小型グレネード、軽いので軽量機にも普通に積める良い武器なのだが総弾数が少ないことだけは要注意である。
【ナインからのコメント】
お前(ツィイー)は頼むからそれ二丁持ちするのやめろ、シールドと全然噛み合ってねぇから!、後この際なんでも良いから近接武器積め。