ルビコンでアセンアドバイザーやってます   作:森の翁

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前回からかなり期間が開いちまって悪いな皆、ちょっと色々準備してて休業してたのさ。

さて、今回の依頼はどうやら嬢ちゃんの雇い主からだな。

また面倒なことになりそうだ。


依頼その5『ハンドラー・ウォルターの場合』

「さてさて、今日はどんな依頼が入ってるかねぇ?」

 

【汚染市街外苑、AC調整&アセンブルプラン提案専門店『アドバイザーハウス』】

 

「おっ?、嬢ちゃんの雇い主からメールが届いてるな」

 

『アドバイザーナイン、先日の任務での621に対する救援を感謝する、礼がしたいので我々のガレージに来て貰いたい』

 

「...なんか嫌な予感すんなぁ、面倒なことを押しつけられそうな気配がしやがる」

 

 この前のは救援じゃなく乱入だし、もし救援だったとしてもあの程度じゃなぁ?、十中八九別の目的があると見て良いだろう。

 

「だけどまぁ、そろそろ嬢ちゃんのACを点検しなけりゃいけないころだったな?、面倒はごめんなんだが上客を逃すのは痛い、丁度良いから道具一式持って出向きますかねぇ~」

 

 そう言いながらナインは道具を纏める。

 

「さて、ウォルターのおっさんはどんな用事があるのかねぇ?、少し楽しみになってきた」

 

 俺はいつだって自分の好奇心に身を任せる、それが正解への道筋だってわかってるからな。

 

 そうじゃなきゃ、こんな星にわざわざ()()()こないだろう?。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良くきてくれたな、アドバイザー・ナイン」

 

「その呼び方よしてくれねぇ?、嬢ちゃんか解放戦線の連中から聞いたのかもしれねぇけどさ、こそばゆくて仕方ねぇんだわ」

 

「この前の戦闘ログ回収の際、621が解放戦線の幹部『リトル・ツィイー』V.Ⅷ『ペイター』との交戦中にACが1機乱入している...あれはお前だな?」

 

「あぁそうだよ、あれは俺だな」

 

「何故あの場にいた?」

 

「嬢ちゃんから聞いただろう?、ツィイーのバカを回収するためさ」

 

「それだけではないだろう?」

 

「ん?」

 

「映像を確認させて貰ったが、乱入した際お前は真っ先にV.Ⅷへ攻撃を行った。

 一番手近にいたのが621にも関わらずだ。

 

 その際V.Ⅷを背後から撃ったと嘘までついてな。

 

 もしリトル・ツィイーの回収だけを優先するなら近くにいた621を攻撃して遠ざければ良い、後はV.Ⅷと621が交戦している間に自分たちだけ撤退すれば済む話だ。

 

 だが、お前はV.Ⅷを攻撃した...何故だ?」

 

「おいおい、映像見ただけでそこまで情報読み取るか普通?。

 まぁ、話してやっても良いんだが、今日は嬢ちゃんのACを点検しに来ただけだからな、詳しいことはまた今度話してやるよ」

 

「今回だけだ...もし621を害することがあれば許さん」

 

「おぉ怖い怖い、まぁ気持ちはわかるぜ、嬢ちゃんはなんかほっとけないんだよなぁ、俺普段こんなに世話焼かないんだぜ?」

 

『わたしをよんだ?』

 

「おぉ嬢ちゃん、今お前さんの雇い主と嬢ちゃんは良い傭兵だって話をしてたのさ」

 

『ほんとう?うれしい!』

 

「さて、嬢ちゃんも来たことだし仕事の話をしようか」

 

 

 

 

「で?、今回は何処を攻める予定よ?、わざわざ俺を呼んだってことは嬢ちゃんのアセン知識じゃ無理なレベルの依頼が企業から来たとかそんな感じかい?」

 

「企業の依頼ではない、これは俺たちの個人的な用事だ」

 

「うっわ胡散臭っ!、その手の話でろくなもん知らねぇぞ?、まさかとは思うが封鎖機構の陣取ってる施設とかじゃないよな?」

 

「...依頼を受けるのか受けないのかどっちだ?」

 

「あんた今日めちゃくちゃ口悪いな、何か嫌なことでもあったか?」

 

「今回の依頼はその性質上万全の体制で臨む必要がある...そのための準備としてルビコンで最も有名なアーキテクトである『アドバイザー・ナイン』お前に手を借りたい」

 

「あっ、元に戻った...まぁ構わないが、ストライダーを単騎で破壊し壁越えを果たした嬢ちゃんでも手こずる可能性のある場所となると、か~な~り候補が絞られてくるなぁ、まさか...ウォッチポイントを襲撃するつもりじゃねえだろうなぁ?」

 

「!.....」

 

「図星か、はぁ...結局あんたも企業と同じ口か」

 

「違う...俺は...!」

 

「まぁ依頼は受けるけどよ、1つ忠告しといてやる」

 

「...なんだ」

 

「自分の『目的』か『今ある大切なもの』最終的にはどちらかしか選べない2つの可能性、いずれ選択の時が来た時、今のあんたのままじゃどちらも選べずに破綻するだろうよ、その時が来る前に...ちゃんと自分の中で『答え』を出しておいたほうが良い、最後の瞬間に後悔しないためにもな」

 

「それは...一体どういう意味だ?」

 

「そいつは自分で考えな、俺は嬢ちゃんの機体構成を想定の部分から考え直さないといけねぇ、ウォッチポイントなんてやべぇ場所を襲撃するなら、それなりの火力と機動力が必要だが、現段階で嬢ちゃんに売ってやれる兵器はまだまだ少ない、限られたパーツの中から最適解を探す必要がある」

 

『ナイン』

 

「おっ?、どうした嬢ちゃん」

 

『ウォルターを...苛めないであげて』

 

「あぁ、誤解しないで欲しいんだが、俺は嬢ちゃんの雇い主を苛めるつもりはないんだよ。

 ただな嬢ちゃん、今のルビコンでは常に選択を迫られる状況...その瞬間になってから後悔しても遅いんだよ。

 だから、迷いがある状態でその瞬間(とき)が来てしまったら嬢ちゃんの雇い主はきっと酷い絶望を味わうことになっちまう、そうならないためにも今のうちにちゃんと答えを出しとけって発破をかけたつもりだったんだが、ちょいとやり過ぎちまったかもしれねぇなぁ」

 

『ナイン、あなたはどうしてこんなに私たちのことを心配してくれるの?』

 

「ん?、俺そんなに心配してるように見える?」

 

『うん、見えるよ』

 

「そっか~、俺って『心配する』なんて感情まだ()()()たんだな...おっと、仕事に取りかからないとな、まずは考えられる敵の攻撃属性とそれに対抗するためのフレームから選定しないとな」

 

『ナイン、今度はなんだか楽しそう』

 

「まぁな、ACのアセンブルを考えてる間だけは嫌なこと全部忘れられるからそのおかげかもしれねぇ」

 

「アセンプランは纏まりそうか?」

 

「慌てなさんなって、どうせウォッチポイントなんざ襲撃しようと考えるのはあんたくらいのもんだからな、企業の連中なんてコーラルの情報は欲しいけど配備されてる新型C兵器がヤバすぎたからびびってあの場所に手を出さなくなったからな」

 

「新型のC兵器だと!?」

 

「あぁ、これあんま知ってるやついないんだったな、惑星封鎖機構の連中が最近技研の技術の解析をほぼ完了したらしくてな、その技術を応用して自分たちで新しいC兵器を作りやがったのさ、おかげで企業の連中も下手に封鎖機構とやりあったらえらい目に合うってんでほぼ隠密作戦に徹してるらしいぜ?、まぁ今回はそのオリジナルC兵器が守ってる所に真正面から突っ込むってんだから本当にあんたイカれてるよ」

 

「そのオリジナルC兵器というのはどういうものだ?」

 

「まぁ簡単に説明するなら連中が元々使ってた執行用の特務機体全般をC兵器化したって感じだな、特に凶悪化なのが『Cバルテウス』と『Cカタフラクト』の2機で、それぞれ元になった機体の弱点を完全に潰してる最強最悪の兵器さ」

 

『ナイン、ウォッチポイントにもその危険なのがいるの?』

 

「あくまで風の噂程度の情報にはなるが、ウォッチポイント上空で『Cバルテウス』らしき機影を見たってのは聞いたな、もし本当ならウォッチポイントの攻略はほぼ絶望的と言って良いだろう」

 

「それは何故だ?」

 

「やつの装備は通常のバルテウスに比べて火力が段違いなのさ、何せ元々のバルテウスが通常のミサイルを大量に飛ばしてまるで閃光花火みてぇだったのに対しCバルテウスときたらミサイルが全部コーラルミサイルになってやがるんだよ、しかも纏ってるパルスアーマーも全部コーラルアーマーに変化して、おまけにバズーカは圧縮コーラル弾頭ブレードはコーラルブレードとありとあらゆる武装がコーラルまみれになってやがる」

 

「それは...かなりまずいな」

 

「あぁ、めっちゃヤバい...これはあくまで提案なんだが」

 

「何だ?」

 

「今回の依頼、俺も後方支援役として参加させてくれねぇか?」

 

「どういうことだ」

 

「多分今の嬢ちゃんの機体じゃあCバルテウスのコーラルアーマーをぶち抜くのは無理だ...そこで俺が持ってる新兵器の出番ってわけだ」

 

 ナインはカバンから端末を取り出しウォルターに見せた。

 

「この兵器なら間違いなくCバルテウスのアーマーを一発で剥がせるだろう、だがこの武器を使う場合俺は接近戦が一切できなくなっちまう、だが後方支援役としては最高クラスの働きができると約束するぜ?」

 

 ナインはいつも通り飄々とした掴み所のない喋り方でウォルターに語りかける。

 

「その兵器を何処で手に入れた」

 

「ちょいと古い倉庫で設計図と組み立て前の部品を見つけてな、俺の使いやすいように再設計して作り上げたのがこの兵器ってわけよその名も...」

 

 ナインが端末の画面を指差しながらウォルターに説明を続ける。

 621はそれを不思議そうな顔をしながら眺めていたが、やがて興味を失ったように眠り始めてしまった。

 

「さて、アセンプランも決まったから早速組み上げさせてもらうぜ、報酬は前回教えた口座に振り込んでおいてくれ、ウォッチポイントを襲撃する際の後方支援に関してはまぁ嬢ちゃんたちにここで消えてもらっちゃ困るからタダにしておいてやるよ」

 

「後方支援についてはまだ依頼するとは決めていないが?」

 

「あまり強がんなよ、このタイミングで嬢ちゃんを失うのはあんたにとっても本意じゃないだろう?」

 

「...お前の提案に乗ろう」

 

「OK♪、人間素直が一番ってな」

 

 こうして、ウォッチポイント襲撃に惑星ルビコン3で最も有名なアーキテクト『ナイン』が参加することが確定したわけだが、当のナインにより物語は既に正史とは大きく逸脱したものになり始めている。

 故に、この世界が皆の想定しているものとは異なるものになっていたとしても...それは仕方ないことなのだろう。

 本来ならありえざる歴史、ありえざるイレギュラーが企業や封鎖機構をも巻き込み、それは()()()()()()()()()()




 読者の皆さんお久しぶりですね、大変長らくお待たせしました。
 作者の『森熊ノ助』にございます。
 わたくし、昨年の10月より投稿が滞っておりましたが、この度ようやく最新話を書き終わり投稿することができました。
 遅くなった理由ですが、これに関しては作者の気力不足と度重なるアップデートにより性能がこの物語を書き始めた頃とは大幅に変わってしまった武器の数々を考慮したアセンブルをリアルのARMORED CORE Ⅵで組み続けていた結果でございます。
 えぇ、認めましょう、盛大にエタッておりました。
 お気に入りの武器やフレームパーツが次々と性能を変更され、その度にアセンブルを組み直し、そして執筆内容を修正し、またアップデートに性能が変わりアセンブルを組み直す。
 この繰り返しにより、作者のメンタルと目はリアルレイヴンの火によって焼き払われ、その悉くが灰塵と化しました。
 はい、これは言い訳に過ぎないことは私も重々承知しています。
 なので、オリジナルの武器とその大体の見た目がわかる絵をご用意しました。
 今回は登場人物が誰も戦っておらず、アセンブル内容も明かされていませんので、いつものように後書きで武器を紹介するコーナーが設けられていませんが、この長文がその代替品だと思っていただけると嬉しいです。
 ちなみに、作者はリアルで企業(個人営業)の会計担当だったりします。
 読者の皆様、この物語を今後ともよろしくお願いします。
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