個性:人修羅   作:飲んだくれ閣下

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第10話

 

 

 

翌日、体育祭があると包帯塗れとなった相澤先生から告げられた。

あの後、プロヒーロー達が来て事後処理をしている中、オールマイトを含めた警察に襲撃してきたヴィランの特徴と似顔絵を描いて提出。

感覚としては、化け物を操る子供っというイメージと言っておいた。間違ってはいないだろう。

 

13号はあの後、怪我の痕跡もなく活動が出来ているようだ。

相澤先生も後遺症も無いらしいが、リカバリーガールからは一応は巻いておけと言われて包帯を巻いているようだ。若干、折れた腕に違和感があるらしい。残ってるじゃないか。

 

そして自分はそのリカバリーガールから、医療系の方に来ないか?とスカウトされた。

相澤先生の状態を言い、あくまで戦場で無理矢理前線に送る為の応急処置みたいな事と言っておく。自分は前に出て戦うタイプであるので、変に動きを縛られるのは性にあわない。

「無理にとは言わないよ。でも、止血できるだけでも相当、ウチらも助かるんよ。アンタになら窓口は広げておくよ。いつでもおいで」

 

──考えておきます

 

回復しても、あくまで悪魔式だ。人間にも効果的とはいえ、悪魔程頑丈ではない。個性や体質にもよるかもしれないが、なにかしらの影響があるかもしれない。その辺の事を、あの男は教えてくれはしなかったな……。

 

相澤先生からの告知後、職員室まで連れてかれる。どうやら、ヴィランの特徴を再度確認したいとのことだ。

似顔絵……殆ど手のアクセサリで見えないが、そんな感じの絵と黒い霧の様な奴の絵を、あの後に警察に提出している。

似たような絵を描いて相澤先生に渡す。

「確かにこんな奴らだった筈だ。……すまんな、頭殴られてたからか若干記憶が怪しくてな。お前には時間稼ぎもしてもらったようだしな」

 

あの脳みその化け物の頭を踏み抜いたら、予想通りそのまま動かなくなった。1度インプットされて、外部からメインの存在からの指示を受け取るようになっていたのだろう。逆に言えば、元からある指示が詰まってる脳を破壊されると、ただの死体同然になるわけだ。

これは相澤先生が頭部を破壊されてなくて良かったと見るべきか、2人のヴィランの手がかりが途絶えたと落胆すべきか。

サマリカームで頭部を治しても、良くてマネカタの様な状態か、最悪あの脳みそと同じ植物状態かだろう。

 

「止血もしてくれたんだったな、助かった」

──リカバリーガールからもスカウトされましたよ。なんなら、体育祭で医療班として待機側になって欲しいとか

「それはダメだろ、俺からも言っておく。1年だし首席のお前を出さないのは、組ではなく雄英そのものの評判を落としかねない。……さすがに冗談だろうとは思うがな」

 

机に置いてある資料を渡してきた。それを受け取って、内容を見る。

──選手宣誓ですか

「ああ、1年の首席がやる恒例行事だ。内容の例は今までの1年首席のが載っている。お前オリジナルでも構わないし、なんなら短くしても構わない。首席になった時点で、来年の新入生の首席にお前の名が知られる事は確定している。どんな内容になるか、楽しみだな」

 

意地悪そうな顔で笑う。……無難な内容が良いだろう。悪魔式だと、地母の晩餐の加減バージョンをしそうになってしまう。あくまで、相手は人間の規格で収まっているんだから、悪魔になる前の選手宣誓をベースにすれば良いだろう。

『1年A組の間薙シン。我々は、新入してきて間もない立場です。ですが、それを感じさせない戦いをしていきます』

……こんなもので良いか。これにアレンジを付け加える事も伝える。

 

「らしい内容じゃないか。そういえば、B組がやっかみにくるかもしれない。抑えなくて良いんですか?ブラド先生」

「好きにしてやれ。乗り越えてこそだ」

 

愉快そうに笑うブラドキング。まぁ、トガもいるし気にする必要はないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

夜、シンの拠点にて。

 

──ただいま

「戻りましたぁ!」

トガと共に帰宅。──ではなく、偽装に偽装をしまくった地下の方の拠点である。

そこにはラブラバとジェントルがモニターと睨み合ってた。

「ああ、おかえりなさい。どうやら売り過ぎたのか、1部の宝石の相場が少し落ち込んでしまいましてね」

 

高純度のコーラルとアクアマリンが値崩れしてしまったらしい。狩りで稼いだ宝石を奮発したのが経済に少し響いてしまったようだ。

──資金は相応に溜まったと見て良いだろう

「ええ、1兆も溜まりましたわ。ですが、出処の方を探られる事が多くなりました。ここにハッキングしてきた輩が1日百件を超えてきたので、飽きが先にきてしまいましたわ」

 

ラブラバからの言葉に、もっと性能が良いCPUとPCを買っても良いと言う。

セキュリティはラブラバ達がやってくれているので安心だが、ハッキングにはハッキングという形で対応せざるを得ない。

だったらオートでハッキングを弾くプロテクトを制作して導入。アメリカとか軍や専門分野のところにある、最新式のデカイのを導入してみよう、となった。億単位も金が消えたが、資金とはこういう風に使うべきだろう。

届くまでは人力だが、仕方ない。デスマーチしてもらうとしよう。

値崩れしない程度にはブローカーやオークションメインでの出品頻度にしようと話した。高純度のダイヤ、ジュエリーショップに加工前のオニキスの提供等をメインにすれば、早々出処を疑われる事も少なくなるだろう。

 

最悪、公の下に就いてる者達経由でも良いかもしれない。これはあくまで足が付かないのであればって話でもある。公の存在をあくまで信仰の形で留めておきたい。悪魔の存在を認知させるには、この世界は脆弱過ぎる。

だから東京を守れと再三散々言っているのだ。世界の起点になる東京があるなら、世界再生の余地が生まれるから。現状は公の実在を秘匿する事が、東京を守る事に直結している。

 

公は認知されるのを承知の上で東京に居る。しかもアマラの海の先にあった、人間主体の世界にすら公の威光は届いている。

歴史で知っていても、直接姿を見たことがない。伝承でしか知られない。故に強い認知と、それに付随した信仰が根付く。国内で知らぬもの居らず。

 

顕現していると認知されれば、国内の信仰バランスが崩れる。それは、東京を守れなくなるのと同義であることを指す。

最悪な事態を避けつつ守る為には、東京受胎によって生まれたボルテクス界での関わりがあった、こちらに頼む事にしたのだ。

 

他にもいるのだろうが、それはそれで別のアマラの海の向こうにいる奴に頼んでいるのだろう。現に別の世界の東京にいた存在に頼んだ事もあったらしい。なんなら、あの飲んだくれの最終目標(の端末だろうが)を倒した存在にも頼んだ事もあるとか。

なんならナホビノには分霊すら貸し与えてる。東京だけで済まなくなったかららしいが、過剰戦力だとは思うが……。それ程厄介な出来事が起きたという事だろう。

 

光と闇の戦争は終わり、目標自体は達成している。人間達が人間達である、そのありのままによる世界創造。

アマラの海の一角とはいえ、飲んだくれがナホビノに倒された後の繰り返されたダアトで、何が起きたのだろうか。

……あの世界の人修羅(混沌)に類する何かが目覚めたのだろうか?

 

今はナホビノに任せるとしよう。公がこちらに何も伝えてこない内は、こちらはこちらで仕事をする事だ。

 

 

 

 

 

体育祭前日、クラスメイトの緑谷出久から相談された。

「実は僕の個性って、最近発現したんだ。だから制御が上手くできてなくてね……」

原石の中でも最も輝く原石だ。こっちで磨けばそのうちこちら側に付いてくれるかもしれない。

少し、教導してあげよう。

 

──使う時、必ず100%で出してる?

「あ、うん。オールマイトをイメージしちゃって……」

──それが原因だな

 

人間は常に100%の出力は出せない。80〜90、もしくは95%ぐらいだそうだ。

その残りを埋める何かがあると、人間の器が壊れてしまう。

それが緑谷出久の個性──ワンフォーオールなのだろう。外付けハード故の欠点だろう。

馴染むように最低限は鍛えたらしいが、入試の段階でも腕を壊してしまってたらしい。

 

──どれぐらいが負担無く使えるか。それを見極めるのが良いだろう

「負担ない出力?」

──常時10%とかで負荷を掛けて、それを段階的に上げていく。あ、無理だなって思ったら解除して、そこまでがノーリスクの範囲だと思う事だ。使いすぎれば毒なのは変わらないが、ノーリスクの範囲はそういう個性に1番向いてるだろう

「うっ!?……身に覚えがありすぎる。考えなしで一気に使っちゃうからかぁ〜」

──体力テストでもボール投げで指を犠牲にするなら、手だけ40%での全力でやった方がもっと飛んでるかもしれない。普段の力加減に個性による増強を段階的に踏んでいくのが1番良い

「──!!!!ありがとう、間薙君!!どうしたら良いか悩んでたんだけど、これでどうにかなりそう!」

 

大喜びで帰って行った。あの勢いだとド忘れしそうで怖いが、まぁ……上手く導けただろう。

 

「やぁ、間薙少年。彼にアドバイスをありがとう!」

 

背後から筋骨隆々の金髪──オールマイトが現れた。なるほど、教えてる人がそもそもの原因かもしれない。

──力加減を自分基準にして、無理矢理はめ込むのはナンセンスですよ?

「……oh。ナイフ以上に鋭い指摘だ。個性のタイプが一緒だと、ついやってしまってね」

アナライズ。

……次代に継いだのか、残り火というかそういうので、今の今まで耐えてるようだ。

無個性、と結果が出てきた。あと、体の中に空洞ができている。臓器の1部も無い。肺も片方が無い。

……メディアラハンを使ったらどうなるか、試してみたい気もする。反魂香、使ってみたい。

ここは素直にアナライズした結果を言ってみよう。おそらく、公然の秘密のようなものだろうから。

 

──人目に付かない所ってあります?

「……!ああ、こちらに来たまえ」

 

校舎にある用務員室にそそくさと入る自分ら,傍から見ると違和感があるが、現在はトガが自分が戻ってくるのを待ってるだけである。

そのトガにもう少し遅れると連絡し、振り返る。そこには──骨と皮でできた悪魔かと思う程に弱った姿のオールマイトだった。

 

「間に合ってよかった。この姿を人に見せる訳にはいかなかったんだ」

──大方、予想が付いてます。緑谷出久、ですね?

「なるべく隠してたんだけど、バレちゃったか」

──距離が近過ぎて、どんな関係なのか疑問には思う程度では?自分は踏み込みましたが

 

用務員室に置いてあるテーブルに、反魂香を置いて炊く。爽やかな花の香りが部屋を包む。

「ところで間薙少年?そのお香はなんだ?」

──オールマイト。あなたの臓器をどこまで再生できるか、試してみ見ます

「え????君、そんなとこまでわかるの???」

──個性で、人間や生物に対して解析がデフォルトでできます。なので、彼を解析したらまぁ……そういう事です

「待ってくれ、間薙少年。情報が多すぎて」

──待ったは無しです。少しだけ違和感があるかもですが、試します。

 

オールマイトの言葉をガン無視して、人修羅としての状態で反魂香の使用対象を指定する。

香の先がオールマイトに向くのを感じる。焦り顔だったオールマイトも落ち着いていく。

……もういいだろう。香の中身も無くなったのを確認して、オールマイトをアナライズ。

臓器は……回復している。だが、機能していない?

相澤先生の腕の違和感と同じ、急な回復による神経伝達が追いついてない状態だろうと判断。

──リカバリーガールの所行きますよ

「待ってくれ、本当に待って──」

無理矢理保健室まで引きずり、リカバリーガールの所まで連れていく。

「なんだいなんだい?……と間薙君かい。オー……八木先生を連れてどうしたんだい?」

「あ、あの……もう彼にはバレてる」

──この人を診てください

有無を言わせずにオールマイトをベッドに寝かせる。

あとはリカバリーガールに任せて大丈夫だろう。

 

数分後、リカバリーガールが手を震わせながら言う。

「間薙、君は……何をやったんだい?」

 

止血できるなら、再生はどうだろうか。

その回答を言う。

──個性によって、契約を以てオールマイトの臓器を復活させました。簡単に言うと、負債無しの悪魔の契約ってモノです

 

内容に悪魔の存在をチラつかせながら、後頭部のツノを見せる。

──ここにいるのが、その悪魔です。……って言ったら、どうですか?

 

オールマイトの顔が青ざめる。

悪魔の契約。文字通りの契約を無理矢理行ったのだから。タダより高いモノはないとは良く言ったものだ。

 

──オールマイトに対して要求するのは、ただ1つ

 

リカバリーガールが固唾を飲む。

オールマイトは冷や汗だけでベッドを濡らす。

 

内容を口にする。

 

 

──ちゃんと彼を鍛えてください

 

 

2人がズッコケた気がした。

 

 

 





将門公の事。公のフレイディアではない。
4の世界だとシェルター作って東京を守ったが、東京との時間差が生じてしまう程の影響力を持っている。これが分霊ってマ????

飲んだくれ
(正体は)わかるだろう?
事象と化したが、ナホビノに乗り越えられたという出来事を起こすのが目的。創世というよりは倒された事実を固定したい。
目標達成している為、本体が事象となって消えている。分体が活動している。こっちは事象ではなくみなさんご存知のでけぇ姿。

飲んだくれの最終目標の端末
4fのラスボス。カグツチもそうだが、4文字の端末は顔面なのは共通なのか???

国内の信仰バランス
多神教で宗教がバラバラな日本で、ガチの存在が現れたらそっちに全部持ってかれてしまう。
わかりやすい信仰簒奪。国が平気で傾くから出たくないのじゃ

ナホビノ
Vの主人公。公が直接分霊渡すレベルはさすがにヤバいって。

混沌
VVのルート分岐先で現れる、ある存在。それに呼応してる混沌王:人修羅,
なおアマラの海の一角ではあるが、世界滅亡に関わるとなったら流石の公でも動かざるを得ない。
人修羅は(ゲーム的ゲスト参加でパーティに入れてそのままラスボスまで行ける)公からの要請が来ない限りは行かないようにしてる。
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