個性:人修羅   作:飲んだくれ閣下

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第14話

 

 

緑谷vs轟

間薙vs上鳴

トガvs爆豪

シード枠:八百万

となった。

 

八百万の個性:創造。蓄えたカロリーを使って何でも創造出来る。但し、構成や構造という設計図がイメージできなければただの塊ができてしまうというデメリットがある。戦闘時は頑丈かつ素材も設計も簡単なバリケードや板で戦っていたので、使い方を変えれば化けるだろう。トガの様に血を摂る必要がない分、知識量がモロに反映される個性。オンリーワンなので欲しい力だが、使いこなす時間があるならマガツヒを貯めた方が良い。使用者も唯一だからこその使い方だろう。

使い潰されなければいくつかボルテクス界の回復アイテムの構造を教えるのも良いかもしれないが、あくまで悪魔用であるのでナホビノにでもならない限り教えた所で意味は無いだろう。死んで霊にでもなるなら効果はあるだろうが、前提で肉体がなければ使えないのでマネカタにする以外方法が無い。しかもマネカタでは……そう言う意味でもオンリーワンだ。スカウトと言うより協力者とかそう言う立ち位置にいてもらう方が良いか。

 

さて、試合は緑谷vs轟。試合こそ轟が勝ったが、炎を使わせる事に成功していた。緑谷はカウンセリング向けかもしれない。試合中にやったのはいただけないが、それでも有用性があるのは確証を得た。悪魔を進化させるのに役立つかもしれない。生きたクガタチの湯?

 

有用性を見せた事で評価が上がってきた。その有用性が分からない観客からすると「大口叩いていた割に負けた」で固まっているようだ。勝ち負けで価値が決まる様な能力では無い事は心操も同様だが、現場に居ない存在が現場の人間の価値を理解出来る訳がないのでどうでも良い。後の大戦でその価値を知るだろう。

 

因みに上鳴の放電を踏み潰して自分は勝った。使い方が分かってないとは言え、あっさりし過ぎて味気ない。試合後にランチラッシュの所に行って買ってきたケーキをピクシーに渡して自分も食う。美味い。

 

 

 

──

 

『さぁさぁ!!圧倒か凌ぎを削る戦いかで大きく割れたトーナメント!!次もA組同士、トガヒミコvs爆豪勝己だァーー!!』

 

プレゼントマイクの声が頭に響く。

歓声とともにフィールドに来た私は、口の悪い同級生を見遣る。

 

「あの模様野郎の前にお前をぶっ殺す」

 

本当に口が悪い。私を虐めてた奴らと同じニオイがして嫌悪するが、それでも雄英のA組にいる。

真意はわかる。デク君を虐めてる理由も「オレがヤるから来るな」を拗らせに拗らせたやり方と言葉遣いなのもわかる。

 

でも、私はお前がキライだなぁ。

 

『試合、開始ィィィィィ!!』

「変身、全身フルアーマー」

「ぶっ飛べ!!」

 

雄英に入る前だ。所謂、東京を守護する四天王──ゾウチョウテン、ジコクテン、コウモクテン、ビシャモンテンという存在に、間薙君と将門公に引き合わされた。

歴史書なら知らぬ者は無し、と呼ばれる四天王。彼らから『金剛』と呼ばれる肉体の使い方を教わった。

曰く、身体を自然に鉄よりも固くなり攻撃にも使える技術也、との事。

金剛力士像から取られたその技術は、変身の個性と頗る相性が良かった。硬質化出来る個性で全身を覆う事で、圧倒的な防御力と攻撃性能を得たのだから。

それぞれの『属性』に対する絶対性という、悪魔なら皆が強者が持つ自然体、耐性では無く『無効』である、と間薙君も言っていた。

金剛は物理に対して無効レベルの耐性が得られる。それを変身中に織り込む事で変身の妨害も効かなければそのままカウンターも出来る。

 

だけど、爆豪君は腐っても天才だ。的確な動きで相手を潰す事に躊躇が無いから尚更酷い。

だから切島くんよりもっと攻撃的で、圧倒的な暴力で捩じ伏せる。

 

正面から切島くんの硬化をそのまま体表に出した究極の防御力、金剛鉄身。

爆破を正面から耐え、爆豪君の手を掴む。鋼鉄より硬い手は離すことは無い。

 

「テッッメェ!!離しやがr」

「ねぇ、爆豪君」

 

骨が軋む音が爆豪君の腕から聞こえる。連続爆破による煙で周囲が見えなくなるが、構わず続けて言う。

 

「お前が嫌いだよ」

 

反対の手で頭を掴んで場外の地面に叩きつける。フィールドだと死にかねない、手加減。

こういうのが1番嫌いなのをわかった上でやる。良い薬になると間薙君が言ってた事を信じる。

 

煙が晴れて、地面に顔を埋めてそれを抑える私が見えたのか、私の勝利が宣言された。

爆豪君は気絶してたのか担架で運ばれて行った。観客席の1番上の方にいた間薙君にVサインを見せると、よくやったと言わんばかりの顔で頷いてくれたのが嬉しかった。

 

ルンルン気分で観客席に戻る私でした。

 

 

 

──

 

間薙vs轟

トガvs八百万

 

準決勝。試合間隔も短くなっていくかと思いきや、最低10分はフィールドの修復や休憩が挟まる様だ。

控え室で待機していると、そこにはトガでは無く現役ヒーローのエンデヴァーが入ってきた。轟の父親である。

 

「君が間薙君かな?」

──はい、そうです

「そうか、焦凍が世話になったな」

──それは緑谷に言ってください。炎を使わせたのは彼ですので

「それよりも前に使う様に言ったのだろう?さっき話してきたからな」

 

まるで圧を掛ける様な雰囲気で話してくる。成程、よく轟はヴィランに行かなかったなと思う。

自分的にはそっちの方が都合が良かったが、こういう人間的な悪意も久しい。

 

「───完成した焦凍なら、君にも勝てるだろう」

 

……成程、全然聞いて無かった。相槌も打ってなかった気がするが、つまらない話程無駄な時間も無い。まだ酔っ払ったルシファーの自慢話やロキのソーマイッキ飲みの方が面白い。

ガン無視して部屋から出ようとすると引き止められる。

 

「焦凍ならオールマイトにも届きうる筈だ。君はどうだ?」

 

──貰ったばかりの玩具は使いこなせない、ただの雑魚に掛ける時間は無駄だ

 

方針は変えない。流れを変えてはならない以上は轟に対するスタンスも変えない。やっとレベル1になったばかりの轟ではまともな相手にもならない。飯田の方が相手してて良いと思うぐらいだ。

 

ただ、エンデヴァーに対しての文句程度は言っておく。

 

──だから嫌われるんだろう?

「──なっ」

 

控え室から出る。

 

「間薙、ここにクソ親父が来なかったか?」

 

走って来た轟に、問題ないと言う。実際はつまらないだけだったが。

 

「そうか。……すまない、今まで使おうって気になれなかったんだ」

──あの父親ならそうなっても仕方ない。まだレベル1になったばかりのお前なら、これから強くなる筈だ

「……ああ」

 

返事だけして、さっさと走り去って行った。インターバルはまだ終わらず、移動に使ったスタミナぐらいは戻るだろう。

 

控え室にエンデヴァーがいるので、戻らず適当に時間を潰してから試合に行こう。

 

 




※ソーマイッキ飲み
例のBARでやってそう。本編でもそんな感じだったら面白い。
それで酔っ払ってたら尚更。
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