個性:人修羅 作:飲んだくれ閣下
どこを探すか悩むが、とりあえず吉祥寺周辺かシブヤだろうか
それともアキハバラか
……木の葉を隠すなら森の中。ヴィランならアキハバラかシブヤだろう
広い、というよりコスプレや人口密度だろう。主要都市とも言えるぐらい日中夜問わずに騒がしい場所は隠れるのにうってつけの場所だ
しかも夏休みだ。学生が多い
同年代の姿をしてる奴らの方が仲間にもしやすい。学生がオタク文化に没頭する、アキハバラにでもしよう
勇の帽子が役に立つ。パッとしない顔を隠しつつパーカーを着た姿はどう見ても一般人だろう
途中で見かけた路地裏に無許可の質屋やスカウトマンがいるぐらいか
……宝石の換金場所として上手く使うのも視野に入れるか。親の許可がなければ売れない年齢故に無許可のジュエリーショップや質屋は重宝する
試しに怪しげな店に入り、持っていたアクアマリンを幾つかを店主に出し、いくらで売れるかを聞く
「……!?こ、これは……ここまで高純度な物を何処で……」
指を口元に持っていきジェスチャーをする。金持ちのお忍びとして来たぐらいに思わせれば良い
「……この辺りが妥当でしょう。ここまで良いのを見たのは久しぶりですよ。大体が欠け物や不純物が入っていて価値が低い物しかなかったんでね」
50万を手渡してきた
本物かどうかをその場で確認し、財布に入れて懐に仕舞う
この辺りに学生か誰かが来たかと聞き込みをしてみる
店主は訝しげにするが、直ぐに納得した顔をした
「ああ、この路地裏に学生らしい子が来ますね。どう見ても学生にしか見えない服装だったんで、おそらく変装か中退だと思いますがね」
恐らく裏関係のスカウトマンと勘違いでもしたのか、情報を渡してくれた
高純度のアクアマリンはチップ以上の価値があったようで、すらすら情報を出してくれる
「偶に見かけますが、変な紳士と子供もいましたね。子供の方は凄いぐらい紳士の方を褒め称えてたように見えましたね。やらせてるのかと思いましたが、紳士の方は冷や汗かどうかは分からないですが、焦り気味に見えたから無理矢理はなさそうでね。子供の方がヤバいのかもしれませんね」
良い情報をくれた。何回かここに来れば良い人材を仲間に出来るかもしれない
特に学生の方は吉報だ。学生でヴィランなら相応の実力か個性を持っているだろう。性格面でなっている可能性もあるが、それは個性次第だろう
おまけでルビーを店主に渡してから店を出る
さて……学生ならいてもおかしくないし、そこら辺の路地裏を回ってみよう
……中々見つからない
学生ならカモフラージュできる制服を着ている、という考えを捨てるべきかもしれない
らしい存在が見当たらない以上、時間がかかるなら1度退くべきだろう
何せ自分が学生の身分だし、ましては中学生だ
18:00の時間制限がある。いくらヒーローが居ても暗くなればヴィランの領分。行方不明にでもなったら日の目を見る事は出来なくなるだろう
それは自分でなければの話だが
「ひ、ひぃぃ!?」
時刻は15:30
夕方では無いが、差し掛かるぐらいの時間だ
宝石商の店から出た所をずっと憑いて来たゴロツキやヴィランが襲ってきた
が、ナイフや個性を使ったであろう攻撃は自分には届いていなかった
そもそも、肌所か服にすら傷が着いてない
両手に付着した血液以外の汚れは無い
逃げ出したゴロツキの首を掴み上げ、へし折れたナイフで腕を切りつける
声にならない叫びを上げたが腹に1発だけ、加減した拳を入れて黙らせる
調度良い、情報を引き出そう
「し、知らねぇ!!昨日、制服着たガキが来るぐらいで……」
良い情報が入った。この辺りに出没するらしい
起き上がって殴りかかられても困る為片足を蹴り砕き、腹にもう1発いれて気絶させる
さて、近辺にいるならいつかは来るだろう。このまま待っていても良いが……
上から気配を感じて視線を上に上げる
「……」
女子高生だろう。もしかしたら例の学生ヴィランかもしれない
手招きすると壁を伝って降りてきた。小瓶で倒れてる奴らの血液を集めたり、指先で掬って舐めたりしてる
個性か、それとも性かは分からないが、お気に召したようだ
愛嬌良く笑顔でこちらを見て近づいてきた
「トガです。そこで転がってるのを好きにして良い?」
構わない、と答えると小瓶を取り出して脅した奴から血液を採取しだす
どう言った個性なのか聞くと
「血を飲むと変身できます。同じ人のを飲むと長く変身できるのです」
……成程、これは良いかもしれない
同者の生き写しになれるドッペルゲンガーより汎用性は欠けるが、摂取限界の範囲で短時間で連続変身ができるなら、欺くのに適している
俺と来るか?と誘いに掛ける
色々と条件はあるが、メンバーの最初の1人として、今の自分を社会に認めさせる為に、現代の風習に一泡吹かせないか?
「……良いんです?私がそんな重要な位置で」
そこは気にしなくて良い
ただ、最初に目をつけたのが君なだけだ、と
「私はトガヒミコ、トガと呼んで貰えると嬉しい、です!!今後ともよろしくです」
歓迎しよう。生まれたからには必要な存在である事を共に証明しよう
トガから現在の立場を教えてもらった
親から嫌われた、他の人と違う在り方、趣向、考え…………これは個性が本人の意思決定の方針に深く影響している
親側がこれを確り認識して、対応策を練ればヴィランの方に進む事はなかった筈だ
よし、これは育て甲斐がある。現在だと強さはコッパテングの少し上ぐらいだが、間違いなくクラマテングやもっと上に行けるポテンシャルがある
短時間ながら変身出来る個性を戦況に合わせて変身すれば、オールラウンダーとして動ける筈だ。強くなる日が楽しみだ。これから強くするんだがな
親側の育成方針の間違いによる事故として処理してもらうとの事で、親権を失う事で終わりとなるようだ
「かあさん、さよなら」
起きたトガにそれを伝えたら、哀愁の顔で言い放った
それでも愛してたのだろう。ヴィランとして指名手配は受けた事で親は嫌っていても、子は親を好いていたのだから
だがこれで表に元の顔で歩いても問題は無くなる。これでヒーロー資格を手に入れれば、彼女の望む存在を間近で見れる上に血も手に入れる事が出来る
ヴィラン程自由では無いが、合法的に出来ると伝えると笑顔で抱きついてきた
スマホで手配情報を見ると、トガ関連の情報が無くなったのを確認した。かなりの速度だ。やはり将門公の威光はどの時代でも強力なようだ
個性社会のおかげで、こういった形ではあるが仲間を集めるのに適した環境なのは良い
将門公もトガの個性を聞いて有用性を見出したようだ。変身系の個性は使い方次第で大化けする能力。これに本人のスペックを加えられるので更に強くなる
期待出来るな
暫く神社の坊さんや住職が親代わりとなり、自分が住んでるマンションに住まう事が決定したとの事だ
と言っても雄英高校に進路を決めた為、合格し次第静岡に移住する事になる。その場合は向こうにある将門公の下にいる住職が経営してる寮を手配してくれるとの事
威光が強過ぎるが、全面戦争で東京を無くす訳には行かない為、威光がフル稼働との事
「ふっふー♪シン君と一緒に学校が楽しみですぅ」
暇があれば特訓三昧になることを、この時のトガは知らなかった
小ネタ
宝石商
ジュエリーショップ。精霊と交換できないから金と交換じゃ
紳士と子供
どこのジェントルと愛かな?
静岡
実は将門公の首塚があるからガッツリ関係がある
だから威光が届くんですね(メガトン威光)