個性:人修羅   作:飲んだくれ閣下

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久々過ぎて、文がおかしかったら申し訳ない


第8話

 

 

 

「いーや、もう2歩先に行く!戦闘訓練だ!!」

 

4月半ば。

把握テストから1週間と少し経ったぐらいに、いきなりオールマイトが教室の扉を開けて入ってきた。

教室内のテンションが上がって行く中、授業の内容の説明を始めた。

 

「個性把握訓練である程度は力量が測れただろう?それを更に伸ばすには、実践形式が1番良い」

 

と言いながら、入学前に希望したコスチュームが各生徒に配られる。

自分のは地肌を露出しないようにしたものの、体の線がくっきり映ってしまうライダースーツ仕様の物だった。

……着心地は良い。熱が溜まる前に逃がすようになっており、かと言って寒さを感じさせないようにもなっている。弾性もあり、それなりの力で引きちぎらない限りは破れる心配はないだろう。

 

「シン君かっくぃー!!」

 

更衣室から出てきたトガから賞賛された。

素直に礼を言い、トガのも良いと返す

 

「ありがとぉ!」

 

抱きついてくるトガを引き剥がし、指定されたグラウンドに向かう。

トガのコスチュームは制服を土台にした物だ。所謂、改造制服と言った物。動きやすくて着脱が楽な靴とカーディガンが重点的に改造されたようだ。

カーディガンは頑丈な割に軽く、伸縮性があるようだ。代わりに断熱性が低くて火に弱いとのこと。

靴は革靴に見えているだけのスニーカーのようだ。踵を叩くと、ギブスのような形で靴からニーハイが上まで履かされるようになっている。

便利なものだ、と思いながら待っていると、切島と芦戸が追いついて来た。

 

「はえーな間薙!結構着にくい感じだったが、そんな事なさげだな」

「トガちゃんも早いよ〜。一緒に行こうとしたらもう居ないんだもん!」

 

切島は上半身にプロテクターを着込んだような物だった。プロテクターの下は裸で、ほぼ半裸だった。シンパシーを感じる。

芦戸のは、見た目だけならヴィランっぽさがあるが、自分のに近いタイプのスーツだ。女性物故に胸元が開いた、ラバースーツに近い。その上から短袖のファーベストを着た姿だ。

2人とも似合ってると言うと、礼が返ってきた。

 

時間があったので、他の生徒が集まるまで授業内容を復唱していた。

 

「機材を見た感じ、あたしらをモニタリングするんかな?」

「人数が人数だし、誰かと組むんか?ぶっちゃけ芦戸と間薙以外と組める気しねぇーな」

「私もぉー。まぁ誰と組んでも、あんまり変わんないかも」

 

─確かに。個人で解決できるなら、それに越した事は無い。が、即席で組んだ切島ならわかるかもしれないが、少しでも息が合えば良いコンビネーションを発揮できる。互いが合わせる気があればの話だが

 

「爆豪とだったら絶対に合わないよな……」

「それなー」

「協調性があるかないか、かな。あれはそのままなら除籍の可能性が高い……かな?」

─協力し合う気が無いのと組んだら、できるだけそいつの行動に巻き込まれないようにしながら、相手を無力化する動きをしなければならない。最悪、暴れてるならデコイ代わりにでもしてしまえば良い。目立つ奴を上手く利用すれば、後は裏方の真髄を発揮すれば勝ち筋が見える。

 

「……良いな、それ。目立つ以上はどうにもなんねぇし、組んだらそれで行くか!」

「あたしもそうしよっと!」

「私はどうしよっかなぁ〜。と思ったけど、そうなりそう」

 

爆豪と組んだ場合の動きと、それ以外の生徒と組んだ場合のパターンを幾つか算出した所で、生徒が集まり切った。

モニターの前にオールマイトが現れ、組む相手をくじ引きで決める事となった。

人数が22人で丁度2人組が揃う。但し、1組だけやる組がいないが、それは最後に決めるとの事。

 

─その最後の組が、トガとか……

「やったぁ!シン君と組めるなんて、ツイてるなぁ」

 

一通りの生徒達の対戦が終わるまで、ゆっくりと過ごした。

 

 

「よっし、勝ったぜ!」

切島は無事に勝ち、笑顔で戻ってきた。組んだ相手は瀬呂で、動けなくなった相手を一方的に捕まえたようだ。

 

「負けたぁー。まさかデメリットありだと思ってなかったよー」

芦戸は青山と組んだ。青山の個性:ネビルレーザーによって広域攻撃を行ったものの、腹痛で中断された所を捕まえられたとの事。

青山も申し訳なさそうに謝っている為、深く言う事はしなかったようだ。

 

 

…………

(嘘だな)

 

個性は多少のデメリットが有っても、ある程度は制御できる。緑谷のも怪しいが、まだ身に着ける努力ができているから、制御は出来ている方だ。

だが、青山は出来ていない。仕切りにベルトを締め直し、制御している。つまり、自分の意思で止められない、ということだ。

 

アナライズ。……正解のようだ。

青山優雅。こいつは無個性な上、心情が罪悪感。

少なくとも敵では無いが、味方では無いようだ。

用心しなければならないようだ。

個性については、ボルテクス界ではなくダアトで覚えてきた指弾よりは強いぐらいだろうか。威力だけならそれなりだが、それ以外は役に立たなさそうだ。

……無個性の枠に被さるように個性が載っている。自分が使うマガタマのような感じに近い。やはり、外付けで着いている上、馴染んでいないようだ。

仲間になりそうに無さそうだ。青山を変に鍛えるのはデメリットが多そうだが、心境の変化次第で考えるしかないな。

 

 

思考を戻す。

どうやら一通り終わったようで、オールマイトが自分とトガの組み合わせと戦いたい生徒を募った。

手を挙げたのは、爆豪と轟だ。

 

爆豪勝己。

個性:爆破。汗を爆破させる個性で、それをきめ細かな操作制度かつ大胆な方法を使う、知ってる人間の中では間違い無く、最高の原石だ。

だが、性格がダメ過ぎる。まだ酔ったロキやあの老人の方が良いまである。いや、ダメだが。低く見積もってもロキの方が良いな。

 

轟焦凍。

個性:半冷半燃。右で凍らせて左で焼く個性で、片方を使い続けると相応のデメリットはあるが、もう片方を使う事で帳消しにする、デメリットが存在しないような個性だ。こっちも間違い無く最高の原石だ。

父親との確執のおかげで右だけ使っているが、両方でワンセットである以上、何れ限界が来る。どうやって両方使うように促せるかは自分ら次第か。

正直、最優先確保対象である。家族諸共引き入れたいが、問題は父親がビルボードNo.2エンデヴァーであるのが、最大の壁だ。

確執を解決さえ出来れば容易く引き入れる事ができるだろう。

 

 

……さて、現状自分とトガを除いた場合の最高戦力2人が相手だ。

トガ1人でも余裕だろうが、性格以外は機転が利く爆豪に、純粋に個性の暴力とも言える轟の組み合わせは脅威だ。

幾ら個人個人で動いたとしても、互いで最適解をぶつけ合う形でどうにかなってしまう組み合わせだ。

 

なら、簡単だろう。

 

──先生。陣営はこっちが決めても良いでしょうか?

「勿論、良いとも!!君達は相手を選べなかったんだ。スタンスは君達が決めて良い!」

 

──では、自分らはヴィランで行きます。

「はーい。頑張るぅー」

 

「……」

「チッ!……舐めてやがるな」

 

息込むトガに、好戦的な雰囲気を纏う轟、悪態をつく爆豪。

 

さぁ、始めよう。

一方的な蹂躙を以て、2人が持っているプライドを折ろうか。

 

 

 

 

 

 

 

「嘘だろ……!?」

 

 

オールマイトの開始の合図を出す。

その瞬間だった。

 

『ひ、ヒーローチーム1名確保……』

 

開始1秒にも満たない時間で──

轟焦凍は、脱落したのだった。

 

「……嘘だろ?」

 

「ざんねーん!少し。罠を貼る時間があれば、こうやって終わっちゃうんだよ?」

 

轟にテープを巻いたのは、トガだったのだ。

そのまま抑え込まれた轟を尻目に、爆豪は速攻で動く事にした。

完全にソロになった爆豪は、間薙を一気に叩く事にした。

 

(俺らがビルに着いた段階から後ろに居たってことだろ!!なんつーやり方してんだあの模様野郎!)

 

爆破で一気に屋上まで飛んだ爆豪は、屋上で佇む間薙を見つけ、飛び込んだ。

 

(分が悪ぃなら、短期戦だ!)

 

「死ねやオラぁ!!」

 

落下の勢いと爆破で勢い付け右フックを放つ。

 

──遅いな

 

間薙に当たる前に、爆豪の腹に間薙の拳が叩き込まれた。

 

「がぁ……!?」

 

カウンターで、勢いが着いたまま腹にダメージを受けた爆豪は、くの字に折れたまま屋上で崩れ落ちる。

 

薄れていく意識の中、爆豪が見たのは──

 

赤い目をした間薙とトガが、自分を見下ろしている光景だった。

 

(──クソがぁ)

 

どうやっても勝てない、と本能で理解してしまった爆豪は、そのまま意識を落とした。

 

 

 

 

モニターを見ていた全員が、あまりにも呆気なさ過ぎる光景に、息を飲んだ。

 

「これが、入試1位と2位の実力なのか……?」

「圧倒的過ぎるだろ!?あの2人だって強いだろうに……」

 

「シンって、どんだけ強ぇんだ……?」

「トガちゃんの手際の良さ、すっごいね……」

 

多種多様な反応をする生徒。

 

(Holy shit……入試の時から観てたが、トガ少女と間薙少年が、ここまで強いと怖いものがあるね)

 

(だからこそ、これからを決める為の雄英だ。あの2人は心配はあんまりないけど、爆豪少年と轟少年を導くのは、ちょっときついけどね!)

 

運ばれていく爆豪と、呆然としている轟を見てそう思ったオールマイトだった。

 

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