勉強したくなーい!!
午後8時
ラプラスの部屋
「…よし。全員揃ったな。」
「まず意見を聞きたい。」
「あの輩。慧についてどう思う。」
「特に今回戦闘訓練に向かった3人。」
そうラプラスが発言したのち、最初に発言したのはルイだった。
「…じゃあ、私から話すね。」
「彼は…いろいろずれてる。」
「何かしらの「能力」を持っていることは確実だけど…あらゆることができているからその特定が難しい。」
そこまで話すと、ラプラスが発言する。
「なるほど。つまり危険性が未知数ということか。」
それにルイがうなずくと、次はいろはが発言し始めた。
「あの世界で、風真とルイ姉、沙花叉は武器を作ってもらってるでござる。」
「…ほう?」
そうラプラスが反応したのち、いろははこう告げるのであった。
「…簡単に言うと、おかしいでござる。」
「威力も、機能も、使い心地も。」
その発言に、クロエとルイは頷く。
「何年も前から使っていたような。自分の体の一部であるかのような。そんな使い心地で…。」
「多分、この世界で使うと…。どんなものでも触れるだけで殺れる。そのレベルの威力でござる。」
「さらに付け加えるなら、全員、作ってもらった武器は特殊能力が付与されていたでござる。」
「沙花叉のナイフ、あの人がつけた銘で呼ぶと、断魂 冥海流…だったでござるよな?」
「そうだよ。」
その言葉にクロエは同意の反応を示した。
「よかったでござる。」
「その断魂 冥海流には、魂の力を断つ。つまり、相手の魂のエネルギーを奪い取る力が。」
「風真の刀、銘は神威刀 クトネシリカという銘らしいでござるが…。」
「…気を練ると切れ味が増し、風真の力も増加したでござる。」
「まるで、『何かが風真の体と刀に憑依した』と言えるような感覚だったでござる。」
「さらに、ルイ姉が作ってもらったデザートイーグルに酷似した拳銃。」
「エアーイーグルは魔法を極めればリロード1回の時間で10発撃てるようになる力があるでござる。」
そこまでの発言でラプラスは
「…なんだその能力は。チート級の能力じゃないか。」
その発言に対し発言したのはクロエだった。
「…これは沙花叉の訓練中に慧さんがしたことなんだけど、モンスターを生み出してたよ。」
『は!?』
クロエの発言にほかの4人は驚きを隠せないようだ。
その状態でも構わずクロエは発言を続ける。
「しかも、強さはボス級。」
「…確実に今までお掃除してきたどんな獲物よりも強かった。」
「沙花叉…勝てなかったし。」
その発言も重なりラプラスの結論では…。
「…あの輩。神の域に達しているのではないか?」
その発言に首を横に振る者はいなかった。
「…これ以上あの輩に対する情報をかき集めてもしょうがないようだな。」
「あの輩…いや、慧と呼ぼう。慧の行動理念は一体何か。」
「些細なことでも、外れていると確信が持てるものでもいい。」
「とにかく考えが聞きたい。なにかわかる者はいるか?」
その発言に反応するものが一人いた。
「そいつは単純なことだぜ。お前ら。」
そこにいたのは、慧の裏人格。零だった。
「なっ…。どうやって入ってきた!」
そのラプラスの発言に零は
「あ?そんなの簡単だろ。能力使っただけだよ。」
「そんなことより、慧について会議してたみたいだな。」
「全部教えてやるよ。能力も。行動理念も。」
その発言にラプラスが答える。
「…信じられるか!お前は慧の裏人格だ!慧に有利なように動くはずだ!」
その警戒心に零は…。
「…ま、そうなんだけどさ。」
と、小さく呟いて返答した。
零side
なんか、holoXのやつらが慧について話し合ってたみたいだ。
…こいつらは鍵になってくれるかな?
「ま、とりあえず話を聞いてくれや。」
「今は慧との接続も切ってある。」
「話した内容も伝わらないぞ。」
そう伝えると、少しは警戒を解いてくれたみたいだ。
「…解いてくれたようでよかった。」
「まずは俺と慧の能力について話そうか。」
「俺と慧の能力は『創造』の能力だ。」
「つまり、あらゆるものを生み出せる。」
そう伝えると、ラプラスが
「それは、神の域に達した能力ではないか。」
と発言した。
…さすが、色龍の娘だな。
「正解だ。俺たちはこの世界で唯一の神に匹敵する能力を魂に刻まれている存在だ。」
「だからこの家も時空の狭間に存在する。」
「気づいてたと思うがな。」
「…えぇ。」
そうルイが発言した。
「正直、時空の狭間にあるとまではわかりませんでしたが、空間をゆがませていたのは気づきました。」
「明らかに外観と中の大きさが全く違いますから。」
「あぁ。適当な家に接続してあるからな。」
「ま、能力に関しちゃこんなものでいいか?」
俺がそう言うと、5人は頷いた。
「次はあいつの行動理念だが…。」
…腕を見せたほうがいいか。
そして、俺は左腕を見せた。
そこにあるものを見てholoXの5人は言葉を失う。
…ま、あたりまえなんだけどさ。
そこにあるのは気分が悪くなるほどにボロボロになった腕だった。
「…ま、そういうことさ。」
「俺たち…いや、あいつは人ならざる者に変わり始めている。」
「能力でも止められない、魂に刻まれた病。」
「ま、俺はこの病が初期のころの体で、さらに魂も別物だから進行はしていないんだけどな。」
そこまで説明すると、今まで発言しなかったこよりが発言し始めた。
「魂に刻まれた病気ってことは…ただの人間にはできないよね?」
…勘が鋭いようで。
「…俺たちを産み落とした糞神共の仕業だ。」
「あいつらはゲームをしている。」
「自分の欲望を宥めたいから、慧を人ならざる者に変えて暴走させようとしている。」
「それで人を全員蹂躙する。それがあのクソ野郎共がやりたいことだ。」
「それに抗うためにあいつは動いている。」
「しかし、その影響はもう出始めている。」
「それがこの傷だ。」
「この傷はあいつの肉体が変化している証拠だ。」
「急激な変化にもともとあった細胞が耐えきれなくなり壊れていく。」
「それを無理やり直しているから、それが跡になって残っている。」
そこまで話すと、いろはが発言した。
「…なにか、風真達に出来ることはないでござるか?」
「え…いろは?」
「おい、侍。吾輩たちは一回慧を殺そうとしたんだぞ?」
「それが許されると思っているのか?」
いろはの言葉にルイが驚き、ラプラスが反論をする。
…まぁ、そうだよな。
そりゃ、そういう反応にはなるだろうさ。
…ま、元からこいつらにはそこまで期待してなかったしな。
しょうがない。記憶を消して…。
俺がそう動こうとすると、
「ラプ殿。holoXの目標はこの世界を征服することでござるよね?」
といろはが発言し
「あぁ。」
と、ラプラスが答えた。
「この掃いて捨てるようないやな世界を変えるために征服するんでござるよね?」
続けていろはが言った言葉に
「…あぁ。」
とラプラスは少しつまりながら答えた。
「その現実を目の前にして、自分を殺そうとした人にまで優しくできる人が目の前にいるんでござるよ。」
「風真は目の前の人を救えないならこの秘密結社なんて必要ないと思うでござる。」
といろはが言い切ると
「…そうだな。侍の言うとおりだ。」
「おい。お前ら。目標変更だ。」
「今の世界は今すぐ変える必要がないと吾輩は思う。」
「なら、今目の前で苦しんでいる人物。慧を救うために動くべきだと思う。」
「異論はあるか。」
と、ラプラスは決意を固めたように発言した。
その言葉に他の4人は
「ラプが決めたことなら、異論はないよ。」
「こよも~!」
「沙花叉も!」
「風真はもとよりそのつもりだったでござるよ!」
と、返した。
「…よし。ならわれらは今から慧を救うために動くぞ!」
というラプラスの命令に近い掛け声で
『Yes My Dark!』
と、4人は声を揃えて言った。
…なんだよ。こいつら。
何で…何でそんなことが簡単に決められるんだ?
もっとためらうものだろ…未知の病だぞ?
感染しないとも限らない。自分たちがなるかもしれない。
そんな奴に接触したくないと思うのが普通だろ…。
何で、こんな、簡単に命を懸けられるんだ…。
「お、おい、零…さん。なんで泣いているんだ?」
「え?…」
ラプラスのその言葉に俺はびっくりした。
俺が?泣いている?
頬をこすると…。その手に水の感覚があった。
「は、はは…。」
いつぶりだろうか、泣いたのなんて…。
もう、覚えてないな…。
「なぁ…何で、そんな簡単に、命を、かけられるんだ?」
「どんな病気かもわからない、治療法もわからない、感染するかもしれない、そんな奴との接触は普通いやだろ。」
「なんで…そんな受け入れられるんだ。」
俺は聞いた。答えは大体わかる。
でも、確証が欲しかった。
こいつらが、あいつを救う鍵になってくれるという。
「うーん…なんで、か…。」
「それは~…。」
「別に…。」
「理由があるひといないと思うよ?沙花叉。」
「強いて言うならご飯おいしいぐらいでござるか?」
「…は?」
俺は、その5人の発言に思わずそう言ってしまった。
…予想の斜め上を行きやがったこいつら。
「…はは。」
「あっはっは!」
俺がそう笑い出すと
『!?』
5人はびっくりしたような顔を見せた。
なんだよその理由!笑えてきやがる!
「零さん…?」
そう、ラプラスが声をかけてきた。
「はぁ~。w」
「なんか、悩んでたのがばからしくなってくるぜ。w」
俺はそう言って、笑いを収めた。
「それじゃ、依頼と行こうか。秘密結社holoX。」
「警察本部長兼世界の管理者からの最優先依頼だ。」
「もう一人の世界の管理者、八霧 慧の治療だ。」
「治療法も、感染するかどうかも、何もわからない。」
「最悪はあいつを殺すことになるかもしれない。」
「それを覚悟して考えてくれ。」
「こちらとしては、断ってもらっても一向にかまわない。」
「どうする?」
俺はそうラプラスに言った。
「もちろん。受けさせてもらう。」
「さあ、お前たち。holoXの目標が今確定した!」
「零さんからの依頼!これを達成する!いいな!」
『Yes My Dark!』
その4人の声が、ラプラスの部屋に響いた。
この時、世界を救う鍵が誕生したのだった。
…結構大幅に書き換えちまった…。
まぁそっちの方が都合がいいからね。しょうがないね。