かな建クエストっ!   作:たかしクランベリー   

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[前書き]

どうも、たかしクランベリーです。
今回は前書きにてお知らせします。

今回のお話では、訳あって
かな建パートが中盤〜後半
スタートになります。

今回の作中で発言される
『ノベライズ』については
後書きの【補足TOPIC】にてします。
よろしくお願いします。



6話・始動! かな建緊急会議!

 

――時は遡り……

『ホロックスみーてぃんぐ!(第1話)』

の、前日譚。

 

holoXアジト内、

総帥専用書斎にて。

 

バンっ!

 

勢いよく開けられたドアから

詰め寄って来たのは、

白衣を着た獣人の女性であった。

 

「ちょっとラプちゃん!

コレはどういう事なの!?」

 

激昂しテーブルを叩く

彼女……博衣こよりに対し

平静を崩さず、『総帥』は

缶コーラを一飲みした。

 

「〝コレ〟とは何だ?

吾輩が、何か不始末を起こした。

とでも云うつもりか。」

 

「――そうだよ!

一体何が目的なの!?

これじゃあクロたん……

沙花叉クロヱに『ノベライズ』を

施して貰った意味が無いじゃないか!」

 

「だから、吾輩が密に送った

〝採用通知〟の内定を今すぐ取り消せ。

そう言いたい訳だな。」

 

見透かした様に見つめ返し、

総帥〝ラプラス・ダークネス〟は

そう告げた。

 

「分かってるのに

どうしてこんな事するのさ!?

このままだと、明日の昼頃に

着いちゃうかもしれないのに!」

 

「別に着いて良いだろ。

結局、我が社に所属するか

どうかは彼女の意志次第だ。

吾輩のカラスを助けた恩義もあるしな。」

 

「僕はそういう話を訊きたいんじゃない!

上っ面の御託ばかり並べてさ、

そんなに僕の事が信用ならないの!?

それとも、まだいろはちゃんの事で

頭がいっぱいなの!?」

 

「カァッ!」

「いでっ!!」

 

カッとなった彼女を

戒めるように、

カラスが手を嘴で突いた。

 

「落ち着け博士。

吾輩は一様にして、

社員一人一人を等しく信頼、

信用している。」

 

「…………。」

 

「百聞は一見にしかずだ。

既に博士の専用デバイスには

吾輩が〝裏〟で仕入れた

『映像』を送っておいた。

それを観てから、もう一度考えてくれ。

――吾輩の判断が

誤っているかどうかをな。」

 

「……分かった。

ねぇ、今ここで確認してもいい。」

「ああ。構わん。」

 

ピッ。

 

holoX専用デバイスが

空にモニターを照射して

映し出したのは……

スーツの男性と、その取り巻き。

下っ端であろう者達と密に交わした

やり取りだった。

 

「――お前ら、分かってるだろうな。

『Code:ORCA』は、未だ

誰の手にも渡ってない

傑作個体の〝魚成ホムンクルス〟だ。」

 

「ええ。」

「……確か、脱獄集団『Advent』の

一味が庇護下に置いてない

傑作個体の一人。

しかし、それは消息を絶ったと

聞きました。」

 

リーダーを務めてそうな男性は

首を横に振り、言葉を返した。

 

「それは違うな。

我々は、『禁書』が

政府上層部に仕掛けた

記憶改竄に踊らされていただけだ。

見事に数年、出し抜かれたが……

ようやくその足取りが掴めた所だ。」

 

男は懐から

少女の映る顔写真を一枚出した。

その顔は、まごう事なく

沙花叉クロヱ本人であった。

 

それを見るなり、

下っ端が恐る恐る口を開く。

 

「コレが……『Code:ORCA』。

Code:SHARK、

Code:OCTOPUSに次ぐ、

3体目の傑作個体。」

 

「如何にもだ。

もしもの話、我々より先。

『Advent』や『holoX』の連中に

彼女の身が置かれた場合……

誘拐は困難を極めるモノとなる。」

 

「はい。間違いありません。」

 

「――風真いろは公開処刑。

……その未遂を成し遂げた

極めて危険な賊軍共だ。

宇宙政府の総戦力を退けるなど、

奴らにとってそれほどの労力ではない。

最大限警戒しておけ。」

 

「「「――了解です。黒野警視正!!」」」

 

ピッ。

 

モニターが暗転し、 

専用デバイスの照射光が消える。

 

一連の密談を目にした

博衣こよりは、震えていた。

 

「……何、これ。

じゃあ……今までの苦労は一体……」

 

「皮肉な話だよな。

生来の宿命を『ノベライズ』で

忘却させ、改竄し、自由に

生きる権利を与えたというのに……

結局は、己が存在という宿命に

縛られている――。

頼りの綱となるAdventは、

宇宙政府と

小競り合いの真っ只中。」

 

「…………。」

 

「それでもまだ、

野放しにしておくか?

彼女をケージから解放し救助したのは

紛れもなく博士……お前のやった事。

お前の始めた物語だ。

その物語にどう終止符を打つのも、

お前の自由。

故に一総帥として、お前の意見を

尊重してやらん事もない。」

 

ゴクリ。

 

ラプラスはコーラを飲み、

こよりは固唾を飲む。

 

数秒の沈黙を経て。答えは出た。

 

「……僕は、総帥の意見に

――〝賛成〟します。」

 

ラプラスはカラスを撫でて、

口元を緩めた。

 

「よくぞ決断してくれた。

まぁ、心配な部分も

幾つかあるだろうが……

シオリの『ノベライズ』は

余程のことがない限り

機能停止する事はない。

何の突拍子もなく、

――〝あの時の関係〟を思い出す事もな。」

 

こよりを安堵させるよう、

ラプラスはフォローを続けた。

 

「それと下調べを重ねて分かった

事なんだが……アイツ。

この吾輩が言うのもなんだが、

相当頭がキレるぞ。」

「クロたんがっ!?」

 

「ああ。そのポテンシャルこそが、

スカウトした理由の一つでもある。

持ち前のフレンドリーさに加え、

優れた洞察力、判断力、そして、

柔軟かつ奇抜な発想力……

熱意のボルテージが上がりゃ、

更にその真価を発揮するだろうな。

アイツなら、いずれholoXに

新しい風をも

吹かせてくれるかもしれん。」

 

「ラプちゃん、それは流石に

買い被りすぎなんじゃ……」

 

「――大器晩成だ。

吾輩の慧眼がそう言っている。

……博士、お前もいずれ分かるさ。

アイツは、パチ屋で燻ってるには

勿体ない逸材だとな。」

 

 

 

 

時は戻り、異界。

 

――《SIDE『沙花叉クロヱ』》

 

勇者荘、バスルーム。

 

ざばぁぁああん!

 

浴槽から溢れた湯がタイル床へ流れ、

浅波を作る。

 

5〜6人は浸かれそうな湯船に、

沙花叉とかなた先輩は横並びで

入浴した。

 

既に髪や身体の泡洗いも

済んでるので、後は浸かるだけだ。

 

「んやー、沙花叉にしては意外だね。

風呂慣れしてない猫みたく、

キシャァァアッ! って感じで

もっと暴れるモンだと思ったのに。」

 

「かなた先輩の場合、抵抗したら

パワーで捩じ伏せそうじゃん。

嫌っすよ、

風呂で怖い思いするのはもう……」

 

(そうだ。あのような思いはもう、

2度としたくない。)

 

「ごめん。無意識に沙花叉の

嫌な思い出を掘り返しちゃって。」

 

「……あ、謝んなくていいって!

勝手に思い出したこっちも

悪ちゃんだったし!

そ、そーだ! 面白い話しよ!」

 

「面白い話……?」

 

かなた先輩は首を傾げた。

 

「そうそう、面白い話っすよ。

例えば、この世界で

やってみたい事とかさ。」

 

「毎週土曜18:00から

コ●ンも視聴できず、

ガ●キーも居ない世界で、

僕は一体何を楽しめば……

あぁ、何もかも終わりだぁ……。」

 

両手で頭を押さえ、

突如落胆し始めた。

 

「ちょ待って待ってぇ!

そっちがネガティブになんなし……!」

 

「あ……僕は全然大丈夫だよ

沙花叉。で、何だっけ。」

 

ショックで直近の記憶

失ってるじゃんか。

 

「そういやまだ、

この国の美味しいオムライス

食ってないっすよね。」

「そうだよ!

くっ、僕とした事が……

何で忘れちまってたんだ!」

 

お、いつもの調子戻って来たじゃん。

 

「つー訳でさ。

明日、みんなで洋食屋寄んない?」

「うん! 絶対寄ろう!!」

 

風呂場で約束を交わし、上がる。

これで忌々しい手錠タイムとも

おさらば。

 

寝巻きに着替えてリビングに戻ると、

謎に気を遣ってか。

AZKi先輩が台所で

デンタルケアをしていた。

 

「おし。あずちゃんの私用も

すぐ終わるだろうし、

僕らはテーブルで待機しとくか。」

「え……自由行動じゃないんすか。」

 

「な訳無いだろ。

明日から勇者荘でニートでも

するつもりか?」

「うん。」

 

「――そこは否定しろよッ!

君一応holoXのインターンだよねぇ!?」

「そっすけど、なんか寝てたら

holoXの就業時間

終わっちゃうんすよね。」

 

「社内ニートかよッ!?

インターン取り消されても

文句言えないぞソレ!!」

「んー、なるようになれって感じぃ。」

 

「なんねぇよッ!」

 

「2人とも、楽しそうだね。

どう? 話は順調に進んでる?」

「それがさぁ、あずちゃん。

……って、この話はもういっか。

とりあえず座って。」

 

「うん。」

 

かなた先輩の指示で、

かな建一同は

真っさらなテーブルを囲い着席した。

 

彼女は深く息を吸うと、

真剣な声音で言葉を発した。

 

「さぁ、始めようか。

――『かな建緊急会議』を。」

 

 





●【補足TOPIC】

▼TOPIK①-『ノベライズ』-

禁書と恐れらている収集家、
シオリ・ノヴェラの魔力。

ノベライズは
他者の記憶を「栞」に変換して
略奪したり、自ら生み出した 
「栞」を相手に入れて記憶操作できる!

▼TOPIC②-『風真いろは公開処刑』-

一連のストーリーは
「こちホロ!」の
14〜19話にて見れます。
要望次第では、かな建クエストにも
番外として投稿します。

▼TOPIC③-『ホロックスみーてぃんぐ1話』-

ジャ●ププラスにて、
1〜3話まで無料閲覧できます。
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