素人童貞無職が転生したら   作:うがー

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12.ちょっとした小話集2

1.ザフィーラさんの深イイ話

 

 

 夜のお店に行くときはザフィーラを巻き込むようにしている。

 

 家には若い女性ばかりで、ほとんどの女子はそういうのに嫌悪感を抱く事が多い。バレずに済むに越したことはないのだ。

 

 僕への監視についてはもはや有名無実化しており、そういう”なぁなぁ”な部分はまるで日本人みたいだ。シグナムなんかは毎朝、日経新聞読んでるんだぜ……、もうおっさんじゃん。

 

「ザフィーラも行こうよー」

 

 今日もしつこくザフィーラを誘う。

 

 夜の街は騒がしく、活気に満ちている。その場にいるだけで気分が上がってくる。

 

「いや、俺はいい」

 

 予想通りの答えだ。毎回夜の街に出かけるのに付き合ってくれているのだけど、お店には絶対に一緒にいかない。

 

 いつもはすぐにお金を渡して適当に時間を潰してもらうけど、なんとなく気になって聞いてみた。

 

「ザフィーラってやっぱりホモ?」

 

 だから僕に付き合ってくれているのかも。アイスティーにサッー!(迫真)されてアッー!されるかもしれない。

 

 ザフィーラのザフィーラはでかそうだから、入れたら血だらけになりそうだ。

 

 おしりの穴がキュッとなった。

 

 あんなにヴォルケンズで選り取り見取りなのに、そんな素振りをみせないなんて、そうに違いない(確信)

 

 ていうか、守護騎士を巨乳武士っ娘、天然巨乳パツ金姉ちゃん、ロリ、犬耳マッチョというラインナップで設定するなんて、夜天の書を作った人は未来に生きすぎでは……?

 

 ベルカ=日本の可能性が微レ存……? いやまぁ原作者は日本人だけど。

 

「同性愛者への偏見はないが、俺は違う」

 

 ザフィーラはこちらを呆れた顔で見ながら答えた。

 

「じゃあ行こうよ。可愛い子がいっぱいいるよ。ザフィーラの肉体ならモテモテ間違いなしだよ」

 

 キャッチの兄ちゃんみたいなセリフになった。

 

 ザフィーラは、僕のおちゃらけた絡みに肩を竦めた。実に様になる仕草だ。

 

「いや、やめておこう。俺には……」

 

 ザフィーラはふと優しい顔になり、夜空を見上げた。つられて空を見上げる。海鳴の夜は明るく、星は少ししか見えない。

 

「この身を捧げた人がいる。かつての主だ」

 

 ザフィーラは目を細めた。

 

 僕には見えない星をその瞳に映しているようだった。

 

「もうほとんど記憶にはない。だが、その時の気持ちだけはこの胸の中にある」

 

「そっか……」

 

 茶化していた僕は、恥ずかしくなってしまった。

 

 ザフィーラ、素敵やん。 

 

 そこまで人を愛せる、人から愛されることは素直に羨ましい。それこそ、人としての本懐を遂げられているような気がした。

 

 僕にそんなことが出来るだろうか。そういう人から愛されるだろうか。

 

 自身の心に向き合うことが出来ず、そこで考えるのを辞めた。

 

 店が近づき、ザフィーラと別れる。

 

 

 でも、僕も愛が欲しい。

 

 特に今夜は僕の息子、グラスのグラスに愛が必要なのだ。

 

「待ってて、映美ちゃーん」

 

 モッコリさせながら、いつものお店へ突入していく僕であった。

 

 

 

2.名探偵ヴィータ

 

 

 はやてが病院に行くまでの間、ボードゲームで遊ぶことにした。

 

 桃鉄のボードゲーム版のようなもので、不動産などを購入して資産を増やし、破産したら終わりだ。経済的な勝者(最後の一人)になるまで終わらない資本主義ならではのゲームである。

 

 リビングのテーブルで、はやて、ヴィータ、僕の三人でプレイしていた。

 

 シグナムは少年の性癖を歪めに剣道場へバイトをしに行ったのでここにはいない。

 

 先程まではシャマルも参加していたのだけど、はやてが勝てる可能性を上げるためにハメ殺して破産してもらった。先生……シャマルとハメハメしたいです……。

 

 ヴィータは子供なのでターゲットにはせず、正々堂々とはやてと競ってもらう。 

 

 僕は子供と動物には優しいナイスガイなのだ。老人は年金の負担を減らすためにさっさと死ね。

 

 ザフィーラ? あいつなら僕の隣で寝てるぜ。

 

 

 ゲームの状況は三人とも拮抗しており、誰が勝ってもおかしくない。

 

 次は僕の番なのでサイコロを振るう。6が出れば、はやての買収したビルに止まり多額の支払いを行わないといけなくなる。唸れ! 僕の右腕! 力を調整して6を出す。忖度である。

 

「きたー」

 

 はやて大喜び。

 

「あちゃー、はやての所にいっちゃったよ」

 

 悔しいフリをするが、はやての喜ぶ姿に思わず口元が緩んでしまう。

 

「これでわたしがどこにも止まらなかったから勝てるでー。第三部完!」

 

 はやては腕まくりをして気合を入れた。

 

「はやてちゃーん、そろそろお出かけするので歯磨きしましょうねー」

 

 向こうからシャマルの声が聞こえてきた。

 

「あーん、いい所やったのになー」

 

 はやては嘆いたが素直に手に持ったサイコロを置き、僕の方へ両手を広げた。

 

「兄ちゃん、だっこして連れてってー」

 

「はいはい」

 

 かわいい声を出して甘えてくるはやてを抱き上げ、車椅子を引きながらシャマルがいる洗面所へと連れて行った。

 

「よろしくね」

 

「ありがとー」

 

 そのままシャマルにはやてを任せ、僕はリビングへ戻ってきた。

 

 

 ボードゲームの片付けもそのままに、腕を組んでヴィータが待っていた。見た目に似合わないような渋面を作り、帰ってきた僕の方をじっと見ている。

 

「どうかした?」 

 

 僕の問いかけに、ヴィータは小さくため息を吐いた。

 

「あたしははやてが楽しそうだからいいんだけどよ」

 

 少し言いにくそうに続けた。

 

「……あんまり甘やかしすぎてると、その内どうなっても知らねえぞ」

 

 何だかよくわからないことをヴィータが言い出した。

 

 謎掛けか何かかな?

 

「……? ……!」

 

 そういうことか。

 

 かわいいヴィータちゃんは、大好きなグラスお兄ちゃんをとられるのが嫌なんだ!

 

 なんだよー、かわいいなーもう!

 

 見た目は子供、頭脳は大人って感じだなぁとずっと思ってたけど、子供らしい部分が見えて嬉しくなった。

 

 ヴィータの頭をなでくりまわす。

 

「おい!」

 

 こちらを睨みながら声を上げるヴィータ。

 

 照れちゃってこのー。

 

 ほっぺたをツンツンする。すべすべもちもちなのがキュートだ。

 

 ヴィータのほっぺたを堪能していると、急に首の向きを変え指に齧りついてきた。ガブッという擬音が思わず聞こえてきそうな、見事な噛みつきだった。

 

「いたっ!!」

 

「都合いいように解釈してんじゃねえ!」

 

 がるると唸るヴィータ。指に歯型がつくほど強く噛まれた。まるで猫だ。

 

「とにかく! 忠告はしてやったんだから、後は知らねえぞ!」

 

 意味深なことを言い、プンスカと怒り、大きな足音を立てながらテレビの方に向かっていた。

 

「ええ……、何なんだよいったい」

 

 僕また何かやっちゃいました?

 

 機嫌を取るべく今日の晩御飯はヴィータの好物をたくさん作ろうと決めたのだった。 

 

A'sが終わると数話の個別ルートに入ります。どのルートから見たいでしょうか?

  • 妹ルート
  • しゃま(?)ルート
  • ハラオウンルート
  • 教導隊(?)ルート
  • 正義の味方ルート(ガチシリアス)
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