正義の味方ルートが人気なのは意外でした。
それぞれこんな感じの話です。
・妹ルート→その名の通り妹ルートです。ハートフル()な描写があります。
・しゃま(?)ルート→シャマルメインのルートです。笑いあり涙あり。オススメです。
・ハラオウンルート→別名Pルート。Pとはヤクルトスワローズの彼のことです。
・教導隊ルート→教導隊ルートとありますが、教導隊での描写はほぼなし。ヴィータメイン(たぶん)です。
・正義の味方ルート→お笑い下ネタハートフルなし。このルートのみ1話終了時から分岐します。
1.
季節は12月に入り、冬が本格化してきた。
少し前から大きい魔力の反応を感じるようになった。
桜台の方からなので、恐らくなのはが魔法の訓練をしているのだろう。
ヴォルケンズもカイジばりにざわざわしていたので、いよいよ原作がはじまるに違いない。
闇の書も半分近く頁が埋まっている。
今日は夕方に図書館へ向かうことにした。
はやては意外と読書家で、定期的に風芽丘図書館に通っている。この図書館は海鳴市では最も大きく様々な書籍が揃っており、家からも徒歩圏内のため非常に便利だ。
「じゃあ私はここで待ってますね。後でシグナムも合流するそうですよ」
シャマルを入口に置いて、僕とはやては向かっていった。あまり本に興味がないからシャマルは頭が悪……、いや何でもない。
「じゃあ、行こっか」
不穏な考えを打ち切り、僕は車椅子を押していった。
「この間の続きが借りられてなかったらええなぁ」
「そうだね、僕のも続きがあって欲しいなぁ」
お互いに話しながら通路を歩いていき、図書館へ入っていった。
中は非常に天井が高く、図書館というよりは博物館と言ったような見た目だ。また、図書館であるにも関わらず堅苦しい雰囲気はなく、テーブルや椅子が一定の間隔で置かれており、そこでボリュームを抑えた声で語り合う姿も見受けられる。
「SFコーナーにいるから、本を取る時は呼んでね」
「うん、わたしもウロウロしてくるわ」
2.
僕はSFが好きで、特に日本の黎明期の作家が好きだ。
有名どころで言うと、筒井康隆や星新一、眉村卓などだ。彼らの物語には想像力と知性、それに熱量が感じられる。物語として面白いし、読み終わった後は頭が良くなった気がする。
「おっ、あったあった」
お目当てのものはすぐに見つかった。前世では読んでる途中でほっぽりだしたので、今ようやく続きを読んでいるのだ。
本棚――この図書館では開放感を重視するためかスチールラックのように背の空いている本棚を使っている――から小説を手に取ろうとしたところ、視線を感じた。
またか。
視線の主を探すとすぐに見つかった。本棚を数個挟んだ向こう側から、濃い紫色の髪をした女の子がこちらを見ていた。
おそらくはやてと同じぐらいの年齢だろう。制服を着ており、背中まで伸びた長い髪に白いカチューシャをつけている。瞳は大きく、髪と同じ深い色は、見つめていると吸い寄せられそうになる。
「こんにちは」
僕は努めて優しく声をかけた。
「っ!」
彼女は目を丸くして、走り去っていった。
「何なんだろうね」
少女の背中を見つめ僕は呟いた。
実はこうなるのは初めてではない。ここの図書館に来ると、今みたいに物陰から覗き込まれることが何度かあった。
まぁ、日本では僕みたいな外人が珍しいからかもしれない。
それか、まさか幽霊とか……。この世界は吸血鬼に霊や妖怪がいたりと結構何でもありだからなぁ。対魔忍もいるし(※退魔師です)
「うーん、でもどこかで見たことあるんだよなぁ……」
去っていたあの子の姿を脳裏に浮かべながら、はやてがいるであろう場所に向かっていった。
3.
【悲報】はやて図書館で迷子になる。
はやての読んでいる本が置いてある本棚近辺を探していたが、どこにもいない。
もしかして入れ違いになったかもしれないと思い、先ほどまでいた場所に戻ってもみたがそれも違ったようだ。
「ペロッ。まだあたたかい……。さっきまでここにいたはず」
もう一度はやてのお目当ての本があった場所へ行くと、ちょうど該当する巻だけ空いていた。本があった位置はギリギリはやてが届きそうな高さだ。
探偵ごっこをしながら、はやてが自分で本を取ったと仮定する。
これは、我慢できずに読み始めたパターンかも。ゲームを買った帰りの車でパッケージを開けてしまうあれですね、分かります。
辺りを軽く見まわしながら入口近くの談話スペースへ行くと、はやてをすぐに見つけることが出来た。
「はやて、こんなとこにいたんだ」
「あ、兄ちゃん。ごめん、すずかちゃんが本取ってくれて、そのままおしゃべりしててん」
すずかちゃん? 疑問に思いながらはやての隣をみると、今しがた見かけたばかりの少女がいた。
あぁ、月村すずかね。道理で見覚えがあったはずだ。お姉さんの忍さんには、その説は大変お世話になりました(性的な意味で)
「こんにちは、はやての兄のグラスです」
ゲスい本心を隠し先ほどと同じように優しく声をかけると、少し恥ずかしそうにうつむきながら答えた。
「こ、こんにちは月村すずかです」
はやては、もじもじしたすずかちゃんの様子を見ると、ニヤニヤといやらしい顔をしながら僕の方へ身を乗り出してきた。
「聞いてや聞いてや! すずかちゃんって兄ちゃんのこ「はやてちゃん!!」」
思わず大きな声を出してしまい、彼女自身が驚いていた。周りの人からも注目され、居心地が悪そうに身体を小さく縮ませた。蚊の鳴くような声で「すみません」と周囲に謝る。
「堪忍や、すずかちゃん」
はやてはすぐに謝ったが、顔は笑ったままだ。
「もー、だめだよはやてちゃん」
すずかちゃんは顔を真っ赤にしながら、こちらをチラチラと見てくる。
「何かよくわからないけど、仲良くなれたみたいで良かったね」
キャピキャピする女子二人を見ながら、微笑ましい気持ちになった。はやてが復学した時に、知っている子がいると安心だ。
友達が増えるよ! やったね、はやてちゃん!
その後も二人は盛り上がっていたので、僕は横で静かに本を読んでいた。友達の友達に会った時は大人しくするのが一番なんだよ。
何度かこちらをチラチラ見るすずかちゃんと目が合ったけど、その度に微笑みを返した。顔面凶器であった前世と違い、今生ではイケメンなので笑いかけることが許されるのだ。
帰るまでにある程度打ち解けてくれたようで、別れ際に小さく胸元で手を降ってくれた。すずかちゃんかわいい。
はやては友達が出来たことがよっぽど嬉しかったのだろう。シグナムとも合流して家へ帰る道中、ずっと「すずかちゃんがサァ!」と嬉しそうに話していた。
そんな様子に、一緒にいた僕達三人の頬は緩みっぱなしだった。
4.
「ちょっとスーパーに行ってきます」
晩御飯前になるとシャマルとシグナムは出かけて行った。
はやてには調味料がどうこう言っていたが、蒐集の件だろう。僕の方に目配せをしてきたし、現に繁華街の方向では結界が展開されている。
なんとか時間を稼がないといけないので、はやてに晩御飯の準備を手伝って貰うことにした。
お互いにメインで自信作を作るプチ料理勝負だ。
「よーし! パパ張り切っちゃうぞ」
「今日は負けへんでー」
はやての関西弁に絶妙なかませ犬っぽさが出ている。
しかし、二人とも手際がいいので、いつもより豪華な料理を作っても変わらない時間で終わってしまった。
ていうか今気が付いたのだけど、ヴォルケンズが全員がいないことは初めてかもしれない。
クロノの所の猫先生が心配だが、仕掛けてくる気配はない。はやてがいるので、闇の書のことを考えると無駄に刺激したくないのかもしれない。
料理が完成して二人とも手持ち無沙汰になってしまった。外は夕方を通り過ぎ、とっくに夜となっている。
「みんな帰ってこんなー」
はやてはテーブルの上で、たれぱんだみたいになっている。
「あ」
シャマルから連絡が入った。はやてに聞こえないように少し距離を取った。
『グラスくん、もう少しかかりそうだからはやてちゃんのフォローをお願いできる?』
声はかなり申し訳なさそうだ。
『わかった、夜のお仕事で延長になったって伝えとく』
『もう! 変なことは言わない!』
通信越しでも、頬を膨らましてプリプリしてるのが伝わってくる。
『ははは、冗談だよ。怪我しないように気を付けてね』
『うん、ありがとう。なるべく早く済ませるから』
シャマルは急いでいるのだろう。すぐに通信を切った。
「はやてー、シャマルから連絡あったよ。買い物は終わったけどお化けが怖くて帰れないから、シグナムと合流して帰るから時間かかるってさ」
「あははー、何やそれー」
うーむ、まだ1時間ぐらいは帰ってこなさそうだなぁ。
鬼の居ぬ間になんとやらということで、普段できないことをしよう。
ベッドでトランポリンと枕投げをして遊んだ。
はやては大満足だった。
A'sが終わると数話の個別ルートに入ります。どのルートから見たいでしょうか?
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妹ルート
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しゃま(?)ルート
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ハラオウンルート
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教導隊(?)ルート
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正義の味方ルート(ガチシリアス)