久々にウマ娘をやったら面白くて情熱が燃え上がりました。
暖かい目で見ていただけると嬉しいです。
では、ゲートが開きます……!
─────トレセン学園。
通称【日本ウマ娘トレーニングセンター学園】
この学園に在籍するウマ娘達は、日々自己研磨に勤しんでいる。
そして、その鍛えた能力をトゥインクル・シリーズで熾烈にぶつけ合う。
ウマ娘……。
まだまだ謎が多い種族であると言われている。
人間とは違い、優れた聴力を持つ耳と
自在に動くしなやかな尻尾が特徴的である。
その卓越した能力は、人間を軽々と凌駕し…特に走力は生物界でも上位に位置する。
……ちなみに、トゥインクル・シリーズと言うのは
URA(Umamusume Racing Association)という団体が運営する大人気のスポーツ・エンターテインメント。
毎週末の土日等に開催され、レースとウイニングライブの2つの要素で構成されている。
開催されるレースは、トレーナー契約を結んだウマ娘のみがエントリー可能。
ここで言う、トレーナー……という職業が
トレセン学園にとって大きな役割を持っている。
ウマ娘の教育や指導・管理を行うライセンス試験を合格した者のみが出来る職業。
ウマ娘と共に歩み、夢に向かって日々紆余曲折を共有する唯一無二の存在。
(………………な、はずなのになぁ……)
そんな職業に就いた自分が…何故か、今…病院の待合室に居る。
今年から新人のトレーナーとして、トレセン学園に来た訳だが……。
気合いが入りすぎたのか、来て早々風邪をひいてしまった始末。
病院に行かずに何とか頑張ろうとしたが……周りへの悪影響を考えると安静にすべきと言われたので1人で病院に来て今に至る。
(……あーぁ、トレーナーの間でもう風邪引いた奴とかってレッテル貼られてるんだろうな)
まだまだ覚える事だらけだし……こんな事で、この先やっていけるのだろうかと自虐的になりながら
処方された薬を手に、病院を後にしようとした。
「……ん…?」
病院の外には、医師と看護師が数名立っていた。
その先には黒色をした車と上品な貴婦人が立っていた。
(有名人でも入院してたのかな)
大きな病院だし、珍しくも無いだろうとその場を後にしようとした。
医師「ひとまず……退院おめでとうございます、メジロアルダンさん
しかし、くれぐれもご無理だけはなさらないようにしてくださいね。」
看護師「耳タコだと思いますけど、オーバーワークはダメ絶対…ですからね?
ストレッチは入念に!アイシングしっかりお願いしますね!」
医師「……骨折や捻挫は、繰り返せば脚の寿命を縮めます。
常に…慎重な判断を…いいですね?」
メジロアルダン「はい、重々承知しております。
今回も大変お世話になりました。」
医師や看護師に会釈した娘が頭を上げた時……自分と目が合った。
────────透き通るような瞳。
そして、どこか儚い雰囲気を醸し出す娘に、自分は思わず目を逸らしてしまった。
メジロアルダン「……?」
年配の貴婦人「アルダンお嬢様。
迎えの車にお乗りくださいませ。」
メジロアルダン「あら、ばあや、ありがとうございます……それでは皆さま、これにて。」
看護師「お大事に!……本当に無理しちゃダメですからね!!」
やけに念を押された様子で車に乗り込む娘……。
その様子を見てて、ふとある事に気がついた。
(……あれって……トレセン学園の制服…だよね?)
トレセン学園に戻ったら、また顔を見る事になるのだろうか。
(って、いきなり目が合って視線を逸らすような不審な人、覚えてる訳ないか……)
その辺りも、トレーナー業をこなしてく内に慣れていかないとなぁ…と自分の課題を発見するのであった。
────────────────────
【トレセン学園 正門前】
???「んんんん~……あっ!!アルダンさ~ん!!」
メジロアルダン「まぁ、チヨノオーさん。
今回も待っていてくださったのですね。」
サクラチヨノオー「はいっ、だって退院日ですから!
無事学園に戻られるようになってよかったです…!
おめでとうございます、アルダンさん!」
メジロアルダン「ふふっ、いつもありがとうございます。」
メジロアルダン「……けれど、寒い中お待たせしてしまいましたね。
お体、冷えてしまったのではありませんか?」
メジロアルダン「せめて、寮に戻ったらお茶を淹れさせてください。
お見舞いにと頂いた物がありますから─────」
ウマ娘A「あれ…あの先輩…''また''入院してたの?」
ウマ娘B「あー、確か、この前の選抜レースもケガだか体調不良だかで直前に出走取りやめてたよね」
ウマ娘C「本格化入ってるのに出走取りやめ?しかも何回も?
……ヤバくない?普通もっと焦るでしょ」
ヒソヒソと話していた他のウマ娘の会話が
チヨノオーとアルダンの耳に入った。
チヨノオー「……っ…ちょっと!そちらの方…っ!!」
アルダン「チヨノオーさん…ありがとうございます
でも、構いませんから」
チヨノオー「でも、アルダンさん────!」
アルダン「全ては事実、ですので。」
チヨノオー「……っ……」
アルダン「さぁ、チヨノオーさん。
冷え込む前に、寮へと向かいましょう。」
そんな会話の端っこを、聞いた時だった。
また、彼女と…………目が合った。
アルダン「……ぁ……」
チヨノオー「アルダンさん…?」
アルダン「いえ、何でもありません。
寮へと向かいましょう。」
透き通るような瞳は……変わらなかった。
けど、その奥に宿している物に、自分は何か言い表せない違和感を覚えていた。
─────────────────────
病院から帰ってきた後、仮のトレーナー室に理事長秘書の駿川たづなさんが顔を出してくれた。
たづな「体調は大丈夫ですか?」
「……来て早々迷惑をおかけしました…」
たづな「体が資本ですから、焦らず万全の状態にしましょうね」
「……はい」
ふと、さっき居たウマ娘の事が気になり、たづなさんに尋ねてみた。
「……あの、病院に行ってたウマ娘って最近居ました?」
たづな「病院…ですか?……えぇーっと、どんな娘でしょうか?」
「なんと言うか…白に近い水色の髪の毛をした、お嬢様っぽい…」
その2つのキーワードで、たづなさんはピンと来た。
たづな「メジロアルダンさん、ですね」
「……メジロ…アルダン…」
その名前に、自分はある事を思い出した。
名家、メジロ家の名を。
新人の自分でも知っているくらい有名なウマ娘一家である。
たづな「彼女、体調不良やケガに悩まされる事の多い方です。
入学以来、入退院を繰り返していますね。」
たづな「そのせいで、本格化を迎えていながら、選抜レース出走を逃したり、トレーニングをお休みする事が多く─────」
たづな「結果的に、スカウトの話も無く、未デビューのままとなっています。
トレーナー陣からの評価も…芳しいとは言えません。」
「……そう、なんですか…」
たづな「才能は、ある娘だと思います。
名家メジロのウマ娘らしい、立派な素質です。」
たづな「ただあまりにも体が脆く…加えて、お姉さんの事もありますから。」
「……お姉さん…」
自分のデスクに置いておいた資料の手に取り、ページをめくる。
メジロ……メジロ……。
たづな「メジロの名高き至宝…メジロラモーヌさんです。」
「……このウマ娘の…妹……」
たづな「デビュー戦を約20バ身差での圧勝、かの''スーパーカー''マルゼンスキーさんに迫るタイムをジュニア級時点で記録───」
たづな「そして、史上初の''トリプルティアラ''達成」
たづな「……逸話に事欠かない、偉大な姉の強すぎる光が…アルダンさんを余計に、影へと追いやってるように思います。」
「……なる、ほど…」
たづな「アルダンさんご本人は、本当に努力していらっしゃるのですが…」
次の瞬間、たづなさんが衝撃的な事を言いかけた。
たづな「このままだと、恐らく次が最後の─────」
「……えっ?」
────────最後?……最後って……。
たづな「あ、いえっ!
すいません、憶測の域を出ない話なので、えっと─────」
たづな「もし、興味を持たれたのでしたら、ぜひアルダンさんの元を訪れて見てください、トレーナーさん!」
「お、俺が……ですか?
でも、俺まだ新人ですし……。」
たづな「お話くらいは聞いてくれるはずです。
それに、顔を合わしたのであれば、アルダンさんも覚えてくれてるはずです。」
「……わ、分かりました……」
メジロアルダン……偉大な姉を持つ……妹……か。
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