瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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一応100話目です(特に何も変わりませんが)


第97レース~嵐のようなウマ娘~

エース「──で…。」

ホクトベガ「ほ???」

 

アルダンが淹れてくれた紅茶を飲みながらホクトベガが首を傾げた。

 

エース「…いや、もう既に馴染んでるなって」

ホクトベガ「それほどでも~♪」

テン「褒めていません、トレーナー様からも何か言ってください。」

「……って言われてもなぁ。」

実際、お試しでチームに入ったわけだし…普段どんな感じで過ごしているのか知って欲しいのもまた事実…。

 

ホクトベガ「ちゃんと練習には参加するから、ね?ね???」

シュヴァル(あっ…やるんだ、練習…)

アルダン「…ですが、あまり練習はお好きでは無いのでは…?」

 

その言葉に、ホクトベガは口を尖らせた。

ホクトベガ「でも参加しないと、''ヒーちゃん''がうるさいんだもん。」

「…ヒーちゃん?」

ホクトベガ「そそ!ヒシアマゾン!♪

昔からの友達なの!♪」

 

エース「アマさんと仲良しなのか…意外だな。」

シュヴァル「うるさいって…それは、そうとしか…。」

ホクトベガ「シュヴァヴァ、辛辣だね~♪」

 

テン「……まるで危機感のないウマ娘ですね。」

その一言を聞いた瞬間だった。

 

 

 

 

 

ホクトベガ「───ホントにそう思ってる?

チーム一同「「「「……っ?!」」」」

突然、トーンを何段階も落として喋るホクトベガ。

その目は今までの明るく呑気な表情とはまるで似つかわしくないほど冷たかった。

 

「……ホクト…ベガ…?」

ホクトベガ「な~んて、嘘嘘!ごめんねっ?♪」

両手を合わせて、謝るホクトベガ。

しかし、あまりに衝撃的だったのか、シュヴァルはエースの後ろに隠れていた。

 

テン「……ともかく、トレーナー様を困らせるのはご勘弁を。」

ホクトベガ「おぉ~……テンテン、さてはトレくんBIGLOVEだなぁ?♪」

テン「えぇ、当たり前です。

トレーナー様は私の希望でありかけがえのない人物です。」

 

ホクトベガ「げげっ、全肯定なのかいなっ。……さては」

何か推理をするように顎に手を乗せて考えるホクトベガ。

 

ホクトベガ「─────ここは色魔殿だなぁ?」

「なんでそんな考えに至るんだ。」

ホクトベガ「いやいや、だってトレくん色男だからたらしてるんだろ~な~って♪」

「人聞き悪いな…。」

 

ホクトベガ「まぁまぁ、冗談はさておいといて…。」

ケラケラと笑いながら、紅茶を啜るホクトベガ。

 

ホクトベガ「…でも、まだ全てをやり尽くしたわけじゃないからさ。

私にもまだ可能性が残されてるんじゃないかって…ちょっとは思ってたり思って無かったり。

あはは、そう考えても脚は思うように動かないんだけどね~…。」

 

困ったように笑うホクトベガ。

どうやら、過去に何かあったようだった。

 

「……トレーニングにキミの過去の事を知っておく必要がある…聞かせてくれないか?」

ホクトベガ「…トレくんもそんな真剣な表情……するんだね~。

いやはや、参ったな~…ま、喋らない訳にいかないもんね。」

 

ホクトベガ「──私にはね、妹がいたの…それはそれは速くて…

私なんかじゃとっても追いつけないくらいの。」

アルダン「……妹さん…ですか。」

 

ホクトベガ「どうしてもね、見比べられちゃって……。

いつからだろうな~…''妹と違って貴方は……''って言われるようになったのは…。」

エース「つまり……それが走るのに影響した…って事か?」

ホクトベガ「もちろん、最初から走りたくないってつもりじゃなかったんだよ?

でも…途中から…無謀だったのかなって思うようになっちゃってね。」

 

シュヴァル(…似てる……かも)

テン「……それで、諦めるという道を───」

ホクトベガ「──諦めてなんか、ないよ。

「……ホクトベガ。」

 

ホクトベガ「……泥臭くてもいい、理屈じゃない…私は私なりに一等星に輝いてみせる……その想いは…ここに、ずっとある。」

そう言って、胸を叩くホクトベガ。

 

ホクトベガ「確かに、他のウマ娘より遅い…それが理由で投げ出しそうになった事もあった……。

けど、私は…まだ可能性を信じてる。それが、仮初でも…私は縋ってみせる。」

「………………。」

 

ホクトベガ「…………はいっ!辛気臭い話はお終い!♪」

パンっと手を叩きいつもの表情に戻るホクトベガ。

大きく伸びをし、立ち上がった。

 

ホクトベガ「……まっ、私らの場合は話すより実際披露する方が早いもんね?」

「……それって…。」

ホクトベガ「着替えてきますか~っ。」

 

そう言うと、ホクトベガはトレーナー室を後にしてしまった。

エース「……何か、色々あったみたいだな。」

シュヴァル「……すいません、途中から…似てるなって思って見てました…。」

アルダン「…えぇ、私も…分かる気がします。」

テン「トレーナー様、如何致しましょう。」

「……藁にも縋りたくなる気持ちは、分からなくもない…。

とりあえず、見てあげよう…何かアドバイス出来る事があるかもしれない。」

テン「かしこまりました、仰せのままに…。」

 

ホクトベガ(……あーぁ、なんで余計な話しちゃったんだろな~…。

トレくんってば、話しやすい所あるんだな~…意外意外…)

 

 

 

 

───────────────────

 

 

 

【トレーニングコース】

 

 

ホクトベガ「ん~~っ…さてっ、やりますか!♪」

「ホクトベガ、最初から飛ばすなよ。」

 

ホクトベガ「ホクトでいいよん、長いし?」

「…ホクト、まずは5人で軽くランニングでアップから始めるよ。」

ホクトベガ「おっ、良いね良いね♪

何だか一子相伝の技も使えそうな雰囲気だよ♪」

 

エース(…とりあえず、テンの時同様に様子を見るか)

ホクトベガ「じゃ、行きますか~。」

軽い足取りでスタートを切るホクトベガ。

前にエースとテン…後ろにシュヴァルとアルダンが位置を取っていた。

 

ホクトベガ「ほっ……はっ……ひええ~…っ」

やはり、他の4人に比べてペースが遅いのは目に見える。

 

ホクトベガ「うぅ~ん…分からないな~…。」

テン「少し体勢が前のめりになってます、もう少し真っ直ぐに。」

ホクトベガ「こ、こう?テンテン?」

 

アルダン「……足元、気になりませんか?」

ホクトベガ「…脚?……うぅ~ん…踏み込みにくいな~って言うのはいつも思ってたけど~…。」

エース「……多分、シューズと蹄鉄が合ってねぇんだよ、それ。」

ホクトベガ「えっ、そうなの!?」

シュヴァル「チェックとか…しないんです、か?」

ホクトベガ「や~、全部一緒かなって思ってたから~…。」

 

何か話しながら5人は1周を走り終えた。

エース「シュヴァル、テン!」

シュヴァル「は、はい!」

テン「承知しました。」

 

その言葉と同時に、ホクトベガをとっ捕まえる2人。

ホクトベガ「あ、あ~れ~っ。」

「……ど、どうかしたのか?」

気になって、近寄ると、エースとアルダンがホクトベガの脚を見ていた。

 

「……どこか怪我したか?」

エース「んいや、シューズと蹄鉄が合ってねぇって話をしてたんだよ。」

アルダン「……これは、中々ですね。」

ホクトベガ「……あはは~、人よりちょーっと脚が大きいもので~…。」

ポリポリと頬を掻くホクトベガ。

 

エース「まずは自分に合ったシューズを作らねぇとな。」

アルダン「トレーナーさん、お願い出来ますか?」

「あぁ……まずはシューズ専門店に行かないとな。」

ホクトベガ「いや、恐れ多いって、大丈夫ホント大丈夫だからっ。」

テン「お言葉に甘えるべきですよ。」

シュヴァル「ぼ、僕もそう思います……。」

ホクトベガ「えぇ~……?

多数決で圧倒的不利じゃん……全くも~…。」

 

「何か断らなきゃいけない理由があるのか?」

ホクトベガ「いや、そうじゃないけど~……うぅーん……。

その、ね?…人にこうやって良くされる事ないから…どうしていいか分からないって言うか…。」

エース「んなもん簡単だよ、トレーナーに任せりゃOKって事よ。」

テン「直に分かりますよ。」

 

アルダン「一度トレーナーさんに全てを委ねてみては如何でしょうか。」

シュヴァル「きっと、悪い気はしないはずですよ。」

ホクトベガ「ん~……じゃあ…お願いするよ、トレくん。」

「あぁ、分かった。」




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