瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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第101レース~見据えるは先の道~

アルダン「……では、改めまして…秘書(サブトレーナー)のメジロアルダンです。

今後とも、よろしくお願いしますね。」

 

エース「おうっ、変わらずに接するぜ、アルダン。」

シュヴァル「よ、よろしくお願いします……っ。」

テン「どうか、トレーナー様の負担を軽くして頂ければ幸いです。」

ホクト「じゃあじゃあ、アルダンさん、紅茶~!♪」

「お前ってやつは…。」

 

アルダン「ふふっ、只今♪」

いつもと変わらずに、メンバー全員の紅茶を用意するアルダン。

ホクト「だってだって、アルダンさんの淹れた紅茶美味しいんだもん。」

「……まぁ、それはそうだけど…。」

テン「…勉強の甲斐がありますね…。」

アルダン「ふふっ、いつでもご教授しますよ。」

 

「……さて、紅茶を呑気に飲んでるそこのアホの子。」

ホクト「……どこだどこだ?」

「……茶髪のアホの子。」

ホクト「…………居ないねぇ?」

ホクト「…ズズッ…あ~美味し……って、私か!!!」

エース(…いや、遅くねぇか?)

 

ホクト「ぶーぶー、トレくんの意地悪、パワハラトレーナー、アスパラガス。」

シュヴァル(……アスパラガス……?)

「そういうとこだぞ。」

ホクト「そうなの?」

シュヴァル「ぼ、僕に振られても…。」

 

「……こほん、ホクト…選抜レースに出ろ。」

ホクト「…………………………。」

「ホクト?」

ホクト「……えっ、テンテン…頬抓ってくんなまし?」

テン「分かりました。」

食い気味にホクトベガの頬を叩くテンポイント。

 

ホクト「いたぁい!」

テン「すいません、他意はありません。」

ホクト「よよよ……でも、トレくんにそう言われちゃ出ない訳にはいかないよね…

…それで、何時の距離はどんなレースよん?」

「来年だ。距離はダートの1200m。」

 

ホクト「……ダートかぁ。」

エース「良いんじゃねぇか?ウチ(ジュピター)のパワー自慢なんだしよ。」

ホクト「うーん、まぁやってみますか!♪」

テン「私も最初は短距離でした…物は試し、ですよ。」

ホクト「おぉ、説得力あるなぁ。」

シュヴァル「そ、その…ホクトさんなら…大丈夫ですよ、きっと。」

ホクト「嬉しいなぁ、シュヴァヴァ~!!♪」

シュヴァル「あ、の……そ、その……///」

 

ホクト(…私も、選抜レース…かぁ。)

「結果がどうであれ、その後のことを決めるのはホクト自身だからな。」

──────────ズキッ。

 

ホクト(何だろ…この感じ…何か…やだ…な……)

エース「おい、どうしたんだよ?暗い顔して…ビビっちまったか?」

ホクト「ん~???…ホクベーちゃんはにっこにこよ?♪」

エース「……ならいいけどよ。」

 

ホクト「あはは、何だかんだ気にしてくれてんじゃ~ん♪」

エース「そうじゃねぇと、ワンワン泣き始めるからよ…。」

ホクト「ひど~っ!!アルダンさ~んっ!!」

アルダン「ふふっ、仕方ありませんね♪」

 

テン「……………………………………。」

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………

 

【トレーニング前】

 

ホクト「どったの、テンテン?

急に呼び出したりなんかしちゃってさ。」

テン「……少し、確認しておきたい事があります。」

 

ホクト「……も、もしかして太ったとか…!?」

テン「違います。」

 

ホクト「…何か真面目な話だね、良いよ、聞かせて。」

普段のおちゃらけた雰囲気から、声のトーンを下げて向き合うホクトベガ。

 

テン「……何か、隠してませんか?

ホクト「……その心は?」

テン「一瞬、顔が暗くなるのが見えましたので…。

何かあるのなら、トレーナー様に────」

ホクト「────ねぇ、テンポイント。」

テン「……っ……はい。」

 

ホクト「……スカウトされるって…どんな気分なのかな。」

テン「……はい?」

ホクト「実際ね、今こうして居ると…時々思うの。

何か…怖いなって…この時間が続かないんじゃないかって。

─────私は…1人だったから。」

テン「……それが、選抜レースの時にもなりそう…だと?」

 

ホクト「半分正解で、半分違う……かな。

選抜レースに出た後…スカウトされた…として、それでいいのかなって思う自分も居る……素直に喜べる自分も居る……あはは、面倒臭いよね、私。」

テン「……確かに、トレーナー様はホクトさんに選ぶ権利があると言いました。

───ですが、もう答えは自分の胸に去来してるのではありませんか?

 

ホクト「……えっ?」

テン「私もそうでした、まだ選抜レースに出る前にも関わらず

トレーニングを見てもらい、こちらの事を心配してチームに寄り添うトレーナー様を見て…

選抜レース何か待たなくても答えは決まった…そう感じて今ここに居ます。」

ホクト「……テンテン…。」

テン「私は…その場で忠誠を誓いました。

全てをトレーナー様に委ね…そして、共に歩む、と。

どうするかは…貴方次第ですよ、ホクトベガ。」

 

ホクト「……驚いちゃったな…まさかそんな熱い事言ってもらえるなんてちょっと意外だったかも。

テンテン、私みたいなタイプ苦手そうって勝手に思ってたから。」

テン「えぇ、苦手ですよ、とても。」

ホクト「うぇえぇっ!?」

テン「ふふっ、冗談に決まってるじゃないですか。」

ホクト「も、もーーーっ!!」

 

テン「話はそれだけです、呼び出してすいませんでした。

練習に戻りましょう。」

ホクト「……待って!」

テン「……はい?」

ホクト「''もう1つ、協力して欲しいことがあるの''

テン「……協力……ですか?」

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

【トレーニング終わり】

 

アルダン「では、トレーナーさん、今日はこれにて失礼しますね。」

「あぁ……仕事覚えられそうか?」

アルダン「えぇ、新鮮で楽しく覚えられてます。」

「そっか、それなら良かった…。」

アルダン「ふふっ、困ったらトレーナーさんに相談しますね、では。」

 

そう言ってアルダンが扉を開けた時だった。

アルダン「あら…。」

ホクト「……あ、あはは…ども。」

アルダン「トレーナーさんに御用といった顔ですね…では、失礼しますね。」

「ん?……あぁ。」

 

中に入ってきたホクトベガ。

しかし、ソワソワして中々本題を切り出さないで居た。

 

「もう門限だろ?何か話しがあるなら聞くぞ。」

ホクト「……あー…うん。」

「歯切れが悪いな…ホクトらしくないぞ?」

ホクト「……ちょっと、受け取って欲しい物があって…。」

「受け取って欲しい物?」

そう言って、目の前に置いた物は……。

 

「安全祈願……お守りか?」

赤いお守りには、安全祈願と書かれていた。

 

「どうしてまた…。」

ホクト「''そこにね、私の髪の毛入れたの。''

「……ん?」

ホクト「ほら、ちょっとここ切ったの、気づいた?」

「……ま、まぁ確かに…切ったのかって思ったけど…。」

 

 

【先程の会話に戻り…………】

 

 

テン「……本当によろしいのですか?」

ホクト「思い切ってやっちゃって!」

テン「髪はウマ娘にとって大事な物では…。」

ホクト「だからだよ…私は不器用で、トレくん曰くアホの子だから……こんくらいしか思い浮かばないけど……決めたら頑固だから。」

テン「……ホクトさん…。」

ホクト「あ、でも!バッサリとは勘弁だからねっ!?」

テン「……それは……フリという物ですか?」

ホクト「違うよ!?違うからね!?!?」

 

テン「もちろん、そんな事は致しません。

(……ですが、勢いで承諾してしまいましたが…良いんでしょうか、これで)」

そんな迷いと共に、テンポイントはホクトベガの髪を少し切った。

 

ホクト「……ん、ありがとね、テンテン。」

テン「いえ、このくらいであれば全く問題ありません。」

 

ホクト「……あー、そだ…もう1個お願いしていい?」

テン「…ここまで来たんです、なんでも言ってください。」

ホクト「そか、ありがとね…じゃあ、約束して、私と。」

テン「…約束、ですか。」

ホクト「そう、トレくんから聞いたけど…テンテンって

流星のように輝いて誰かの目に止まるような存在になりたいって思ってるんだよね?」

 

テン「少し要約しすぎな気もしますが…はい、そうです。」

ホクト「私もね、なりたいの……''一等星''に。」

テン「…名前の通り、ですね。」

ホクト「だからね、約束して…。

私が一等星になって、テンポイント…貴方がその近くを走る流れ星みたいな存在になるって

 

テン「……なるほど、目指すべき場所は…同じ…という事ですか。」

ホクト「そしたら、トレくんも上見上げてくれたら私らを考えてくれるはずだし♪」

テン「……えぇ、それがトレーナー様の幸せに繋がるのなら、お約束しましょう。」

ホクト「流石、テンテン!!…トレくんの事出すとちょろいからなぁ♪

テン「おや、もう少し切って欲しいようですね?」

ホクト「わー!ごめんごめんって~っ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ホクト「……テンテンと話してね…私なりの覚悟っていうか…色々考えた結果というか…。

あはは、めっちゃ重いよね!ごめんね、やっぱり───」

一度トレーナーの手に渡ったお守りを取り返そうとするホクトベガ。

しかし、それはトレーナーの胸ポケットに入れられた。

 

「これがホクトの想いなら、素直に俺は受け取るよ。」

ホクト「……トレくん。」

「それで、話はこれだけ?」

ホクト「……ぷっ、あはは!……あー、可笑しっ。」

急に笑いだしたホクトベガに俺はキョトンとしてしまった。

 

ホクト「なら、コレで正式に私もチームの一員って事で…よろしくね、じゃねっ!♪」

「えっ、そういう意味だったのかよ!?」

ホクト「あははっ、気付くの遅~っ!♪」

逃げるようにホクトベガはトレーナー室を後にした。

 

「……ったく…嵐のようなウマ娘だな…本当に。」

受け取ったお守りから、ホクトベガの髪の毛を取り出した。

 

「……綺麗な髪だな。」

(大事な髪の毛を切ってまで送りたい…それだけ信用してるって意味も兼ねてるのかな)

 

ホクト(……あーぁ、何かトレくんの顔まともに見れなかったな~…顔、あっつ…。)




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