瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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ホクトベガの場合。


第102レース~フケ②~

【朝】

 

 

ホクト「…………………………。」

寝起きと共に、天を見上げる。

いつもと違う感覚に、ホクトベガはすぐに気がついた。

 

ホクト(…あ~…来たか…''アレ''が…)

火照る体、荒い息遣い、じっとしてようとしてもモゾモゾと動いてしまう体。

 

ホクト(……いつもなら、部屋で大人しくしてれば落ち着くんだけど…

そうもいかないしなぁ……)

───何故なら、今彼女はチームに属しているから。

否が応でも、トレーナーと顔を合わしてしまう。

 

ホクト(正直にトレくんに言う…かぁ…?

でもなぁ…理解はしてくれても…ちょっと躊躇うよなぁ…)

普段はおちゃらけてるホクトベガだが、ここは年相応の反応を見せる。

───もしかしたら、トレーナーに、その劣情を押し付けてしまうかもしれない。

そう考えると、体の火照りはさらに加速していく。

 

ホクト「…やっば~…トレーニングどころじゃないよ…これ。

……とりあえず…アルダンさん達には話を通しておこ…。」

少なくとも、同じウマ娘同士なら話が合うだろうと、ホクトベガは火照る体を起こし

着替えを始めた。

 

 

ホクト「……体…あっつ…。」

肌着になり、鏡と向き合うホクトベガ。

比較的スタイルの良い体と尻尾は大きく揺れ動いていた。

 

ホクト「……やばっ、早く行かないと遅刻しちゃう…。」

ぼーっとする頭を何とか制し、ホクトベガは寮を後にした。

 

 

 

────────────────────

 

 

ホクト(……やっば~…今回のは何時にも増して酷いかも…)

落ち着かない体を何とか制御して、ホクトベガはトレーナー室へと向かう。

 

ホクト(……大丈夫、いつも通りにしてれば悟られない…大丈夫……。)

でも、もし気付かれて距離を詰められたら?

……そんな、考えをすると、胸の鼓動は更に早くなる。

 

ホクト(……大丈夫、相手はあのトレくん…だし)

そう言い聞かせて、ホクトベガは歩きを進めた。

 

 

【トレーナー室】

 

 

コンコンっ。

「はーい、どうぞ?」

いつもと変わらない声…違うのは…私の心情だけ…。

 

ホクト「ほいほーーーいっ!ホクトベガ入りまーーっす!♪」

高らかな声と共に、ホクトベガはトレーナー室に入る。

 

「…相変わらず元気だなぁ。」

頬杖をつきながら、こちらを見て笑うトレーナー。

 

ホクト「それがホクベーの取り柄ですからっ♪」

…いけない、意識してても尻尾が反応しちゃう…。

すると、その様子に勘づいたのか、トレーナーが話しかける。

 

「何かいい事あった?」

ホクト「えっ?……あっ、う、うん…まぁね???」

赤くなる顔と尻尾に、流石のトレーナーも気づいたようだ。

ただそれが…ウマ娘の一時的な気持ちの昂りだとは気がついてないようだった。

 

「全く、上機嫌だからってあんまりはしゃぎすぎるなよ?」

ホクト「…ったはは~…トレくんは厳しいねぇ。」

そんな、普段通りのやり取りのはず…だった。

─────────はずだった、のに。

 

「ホクト、じっとして。」

ホクト「────っ!」

突然、トレーナーの腕が伸び…ホクトベガの髪の毛に触れた。

 

 

ホクト(…ぁ…トレくんの匂い…ダメだ…頭ぼーっとする…///)

「ホクト?」

ホクト「…ぁ…きゅ、急に髪の毛に触れるとか、トレくんのえっち!!馬鹿!!」

「…髪の毛ボサついてるし、なんか付いてるし…無頓着だなぁ、ホクトは」

ホクト「…ふ、ふんっ…うっさいわい!!」

 

その時、頭がぼーっとする中、ある考えが浮かんだ。

────もっと、触れて欲しい…と。

 

ホクト(でも、露骨すぎるよね…トレくんも流石に不自然な事に気づきそうだし)

「…さて、みんなが集まる前…に。」

 

 

─────カチャン。

 

 

ホクト「…えっ?」

突然、トレーナーが部屋の鍵を閉めた。

 

「ホクト…何か隠してるな?」

ホクト「な、なんの事か~な~…?」

「何時もより早い呼吸、赤い顔、無意識の尻尾…お前、''フケ''だな?」

ホクト「……!」

いとも簡単に見抜かれたホクトベガは分かりやすく反応してしまう。

ホクト「な、なんで…っ!」

「トレーナーだぞ?それくらい見抜けるよ…それで、今の状態は?」

ホクト「…何時もより、酷くて…落ち着かない、かも。」

「そう、か…まぁ、それならトレーニングも────」

 

その言葉の前に、ホクトベガはトレーナーに触れた。

「…?」

ホクト「トレーニングは…大丈夫…だけ、ど…もっとトレくんに触れたい…かも///」

「…え?」

ホクト「…トレ…くん…///」

その後、ジュピターメンバーが来るまで、超がつくほど至近距離になっていた。

満足だったのか、トレーニングは物凄く充実したホクトベガだった。




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