瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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第104レース~天翔、前を翔けよ~

【ジャパンカップ 当日】

 

ホクト「…ふえぇ~、何このメンツ…。」

今日行われるジャパンカップの出走ウマ娘が記載されたメンバー表を見ながらホクトベガが震えていた。

 

テン「これが秋シニア三冠の2つ目のレベルの高さということです。」

「あぁ、だけどエースなら必ず成し遂げてくれるはずだ。」

 

 

【パドック】

観客「ワァアアアアアァーーーーッ!

 

ルドルフ「──泰然自若(たいぜんじじゃく)、さすがだな。」

シービー「そういうキミは、珍しいね。

ギラつきがあんまり隠せてないよ。」

 

ルドルフ「ここにいるウマ娘が、君含めそれほどの相手だということだよ。

それに…このレースは海外からもウマ娘が来る大事なレースだ。

否応にも、滾ってしまうものだよ。」

シービー「…ふふっ、光栄だね、そんな事言ってもらえるなん───」

 

 

────ザッ!!!

その時、えも言えぬ気配にルドルフの顔つきが変わった。

ルドルフ「…何だ、この気配は…!?」

シービー「──ははっ、来た来た!」

ルドルフ「…なるほど、まだ過小評価しているようだな…私は。

これが…これが、君の真の姿か…っ!!」

 

エース「─────」

腕を組み、瞳を閉じて…ただ、精神を統一するエースの姿があった。

ただ…話さなくても分かるくらいエースの気迫にルドルフの口角も上がった。

 

エース(…アタシを応援してくれる、全ての人たち。

その想いを全て力にしてみせる─────)

エース「みんな…一緒に戦ってくれ。

道は、アタシが切り開く…!

 

エース「アタシは、カツラギエース!

今日、誰よりも速く''前''に''進む''───」

エース「─────''エース''だっ!!!!

 

 

 

────────────────────

 

実況「今年もまた、熾烈な戦いが繰り広げられる東京レース場。

豪華なメンバーによる頂上決戦、今スタートが切られます。」

 

──ガッコン!

 

実況「スタートしました!」

「よしっ…!」

アルダン「良いスタートです。」

 

実況「さぁ、スタンド前のポジション争いですが。

やはり行きました、カツラギエース、カツラギエースが先手を取りました。」

エース(速く……前に…!!)

 

実況「カツラギエースが2バ身ほど離して先頭。

カツラギエースが飛ばして向こう正面に出ました。」

 

テン「…これは…。」

シュヴァル「と、トレーナーさん…っ。」

「…''あれでこそエースの走りだ''

 

実況「さぁ、カツラギエース、どんどんリードを広げていって10バ身ほど取って3コーナーへと向かいます!」

(ルドルフは…6番手…シービーは…最後方か)

 

実況「さぁ、カツラギエースが更にリードを広げます、1人ぽつんと前を走るカツラギエース!」

ホクト「も、持たないって~!!」

アルダン「いえ…これは…っ。」

 

 

エース(後ろから気配がどんどん迫ってきてる…でも…アタシは、前だけを見る…っ!!)

実況「第4コーナーを回って、正念場の直線へと向かう!

カツラギエース、堂々先頭で3バ身のリード!しかし後続も迫ってくる!」

ルドルフ「─────貰ったぞ!」

シービー「勝負は楽しくなくちゃ…ねっ!!」

 

実況「来たぞ来たぞ、シンボリルドルフが外から先頭を捉えにかかる!

さらに外からミスターシービーも豪脚で襲いかかる!」

エース「…アタシが…アタシがぁっ…。」

「─────エース!!!」

 

エース「─────勝つッ!!!!!

ルドルフ「…っ!?」

シービー「───これは…っ。」

 

実況「しかし、差が縮まらない!!カツラギエースが必死に耐え凌ぐ!!

再び1バ身、2バ身とリードを広げる!!」

エース「…トレーナー…アンタ…ほんっとうに最高だよ…。」

ルドルフ(─────笑ってる…。)

シービー(…凄いな…エース…まるで…飛ぶように走ってる。)

 

実況「カツラギエース、逃げ切ったッ!!!!!

今ゴーーールインッ!!!!カツラギエース、堂々と逃げ切りましたッ!!!」

観客「ワァアアアアアァーーーーッ!

 

実況「カツラギエース!あっと驚かせる堂々たる逃げっぷりです!!」

白熱する実況の声を聞いたエースが、その場に立ち尽くした。

 

エース「─────」

エース「………………勝った…のか?

「………エース…。」

テン「トレーナー様。」

「…ぁ……カツラギエース、おめでとーっ!!!!

 

観客「……おぉ…………」

観客「おぉおおおぉおおおーーーっ!!!!

 

ホクト「やったやった~!!エーちゃん、勝った~!!」

シュヴァル「ホクト、さん…苦しっ…!」

アルダン「''日本ウマ娘初のジャパンカップ優勝''…ですね。

おめでとうございます、エースさん。」

テン(…まるで、1人だけ重力を感じないような軽やかな走り…とても勉強になります。)

 

観客「ワァアアアアアァーーーーッ!

エース「…マジで…勝ったんだな、アタシ…。

そうか…勝ったんだ…!!」

 

エース「っしゃぁああああああっーーー!!!!!

声の限り叫ぶカツラギエース。

その勇姿を見たシービーとルドルフが近寄る。

 

シービー「───今日はアタシの完敗だね。」

エース「っ、シービー!」

シービー「最高のレースだった、ありがとうエース。」

ルドルフ「大きなリードを取るほどの逃げ…そして詰め寄られてからの粘り…。

どれを取っても、今日の君には敵わなかった。

───本当に、素晴らしい走りだった。」

エース「ルドルフ……───」

 

ルドルフ「今日、君が私の眼に焼き付けた姿。

その光輝燦然(こうきさんぜん)たる走りを、生涯忘れることはないだろう。

ウマ娘の持つ可能性…その極致の1つを垣間見たように思える。

──そして今、頂点を志す者として、君に願い出たい。」

 

ルドルフ「カツラギエース。どうかもう一度、私と競ってはくれないだろうか。」

その提案に対するエースの答えは決まっていた。

 

エース「どんな敵だろうと…アタシはアタシの走りをするだけだ。

トレーナーが教えてくれた、最強の逃げ…でな!」

ルドルフ「ふっ…それでこそ…君だ。」

 

 

 

 

…………………………。

 

【勝利インタビュー】

 

記者「今日の勝利で、日本のエースと言う声が上がってますが

その点はどう思いますか?」

エース「日本のエース…いい響きっすね!

…でも、アタシは何もしてないっす。」

 

その回答に記者達が首を傾げる。

エース「─────なんたって。」

「へ?」

横に立ってた俺をグイッと引き寄せるエース。

 

エース「アタシのトレーナーは、世界のトレーナーっすから!」

「エース─────」

エース「本当に出会えて良かったと、今日改めて…心の底から思った。

だから、日本のエースと世界のトレーナーでまだまだ勝ち続けます

アタシたちの走り、期待してください!!!」

 

しっかりと抱き寄せた腕からは信頼の証が伝わってくる。

エースもそれに応えるかのように、眩しく笑った。

 

ホクト(うーん、告白とも取れる!!)

テン(また、余計な事言ってますね。)

シュヴァル(…す、凄いな…あんなこと言えるなんて…)

アルダン(トレーナーさんはなんの事かみたいな顔してますが…)




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