瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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第105レース~次に向けて~

寒さが一段と厳しくなる12月のある日。

テンポイントの朝日杯FSが間近に迫る中…今日は休みを使って…。

 

──4人で海まで釣りに来ていた。

 

本来なら、俺とシュヴァルの2人で次の年の目標を決めるために連れ出すつもりだったのだが…。

 

テン「トレーナー様が行くならば、何処へでも。」

ホクト「行く~っ!♪」

…と、2人もついてくることになった。

 

(まあ、2人の事も話したいしな…)

シュヴァルグランのシニア級は、同期でもあり…倒したい目標でもある

''キタサンブラック''との対戦もおおくなるであろう。

その事を話そうか、機を伺っていたが…。

 

 

シュヴァル「………♪」

今は釣りが楽しいのか、機嫌が良かった。

 

テン「トレーナー様、寒さは大丈夫ですか。」

「ありがとう、テン。大丈夫だよ。」

水筒に紅茶やら手袋など至れり尽くせりのテンポイント。

 

ホクト「はーっはっはっはっ!!

この海の主を釣ったるぜ~!!♪」

テン「主なんて居ません。」

ホクト「えっ、居ないの!?大チヌとかオレンジエイとか!?」

シュヴァル「…どちらかと言えばその魚は真夏がシーズン…ですから。」

ホクト「じゃあ、ジョーズでも…。」

テン「居るわけないじゃないですか。」

 

賑やかな釣りにシュヴァルも、思わず笑みを零した。

シュヴァル「でも、嬉しいです───

トレーナーさんは元々釣りが好きだったのは知ってたんですけど…。

お2人も興味を持ってくれて…。」

 

テン「静かな雰囲気、海面から見える魚…釣れた時の達成感…なかなか学びが多いです。」

ホクト「…今から鍛えれば、シャーマンになれるかも?」

「バカ言ってるけどよ、引いてるぞ、ホクト。」

ホクト「ぬぉおおおおおっ!?何やつ~っ!!」

何と戦ってるのかは不明だが、ホクトベガが気合いとともに竿を引く。

 

ホクト「…こっから、どうすればっ!?!?!?!?」

「分からないで戦ってたのかよ!」

シュヴァル「た、タモです…っ!」

ホクト「一旦、CMで~す。」

「それは、タ○リ!…って、あ…っ!!」

寸劇を繰り広げていたら…魚が逃げてしまった。

 

シュヴァル「…す、すいません…上手くフォロー出来なくて…。」

「いや、ホクトの自爆だし…シュヴァルのせいでは…。」

ホクト「そりゃ、急に来られたらびっくりするって!!」

何故か水面に向かって怒るホクトベガ。

 

テン「…やはり経験の差は素晴らしいですね。」

その言葉と共にテンポイントが視線を落とす。

そこには何匹もの魚を釣り上げたシュヴァルの魚入れがあった。

 

シュヴァル「その…残念、でしたね…で、でも…面白かったですよ…ははっ。」

ホクト「傷口にアルコールっ!!」

「あはは、シュヴァルには敵わないね。」

シュヴァル「そ、そんなっ、僕なんて…。

きっと、体質…?みたいなやつですよ…。」

 

シュヴァル「僕、存在感無いので…魚も油断するんじゃないかなって…。」

テン「…気配を消せる…達人のようですね。」

シュヴァル「そ、そそそ、そんな…っ!!

僕なんか、地味で目立たないだけですって…!」

 

ホクト「…つまり、存在感増し増しのホクベーちゃんは…。」

テン「───凡人ですね。」

「アホの子だな。」

ホクト「うわ~んっ!!海に突き落としたろか~っ!!」

 

テン「シュヴァルさんを見習ってみてはいかがでしょう。

貴方と違ってじっとしてるじゃありませんか。」

ホクト「ぐぬぬ……私の前世はマグロでありまして…。」

「止まったら死ぬってか、なんだそりゃ。」

テン「やはり、釣り上げるのには気合いと決断力…これが必要ということですね。

トレーナー様。」

「ん?…まぁ、あながち間違ってないかな。」

 

自分の竿を引きながら答える。

「シュヴァルは、仕掛けるタイミングが秀逸だからなぁ。」

シュヴァル「あ、ありがとうございます…っ。」

 

ホクト「つまり…それがレースにも生かされる…ってコト…?!」

テン「そうですね、有り得ると思います。」

ホクト「よーし…私も!」

 

 

 

 

 

………………。

 

 

 

釣りも一通り終わり、俺たちは海沿いを散歩していた。

その散歩の途中で、テンとシュヴァルが何人かに話しかけられていた。

 

シュヴァル「……ぁ…そ、その…頑張ります…っ!」

テン「はい、必ずや勝利を…。」

 

「…シュヴァルも成長したなぁ。」

ホクト「そなの?」

「出会った頃は、あんな風に話しかけられても、答える事も出来なかったからな。」

ホクト「うーん…レースでの結果やトレくんとの日々が自信に変えてるんじゃない?」

「そうなのかな、そうだといいけど…。」

ホクト「ところで、何か忘れてない?」

「何か?……あ''っ。」

 

シュヴァル「…トレーナーさん?」

テン「如何なさいましたか、トレーナー様。」

 

「今後の話をしなくちゃな。」

シュヴァル「ぁ…そうでした…。」

「まず、シュヴァル…君はシニア級に上がったら…まずは''阪神大賞典''を目指そう。」

シュヴァル「''阪神大賞典''…ですか。」

「あぁ、君のスタミナと今後のローテーションを考えると…まずは、ここからが妥当と判断した。

そして、このレースをステップアップに…''天皇賞・春''を目指そう。」

 

シュヴァル「…''天皇賞・春''…それって、もしかして…。」

「あぁ、キタサンブラックも出走するはずだから。」

シュヴァル「…っ…キタさんが…。」

「その他には、まず阪神大賞典を─────」

シュヴァル「…はい、必ず…勝ちます。」

以前なら聞けなかった、必ずという力強い言葉。

その眼差しは…成長の印を物語っていた。

 

ホクト「頑張ろうねっ、シュヴァヴァ!♪」

シュヴァル「う、うん…でも…ホクトさんやテンさんも…。」

テン「はい、シュヴァルさんに勇気を与えられるような走りを…必ず。」

ホクト「勝ったらトレくんがパーティーしてくれるって~♪」

「おい、ちょっと待て。」

 

シュヴァル「…と、トレーナーさんとなら…パーティーも楽しいはず…です。

普段は…あんまり参加したいって思わないんですけど…。」

「…テンは、もう朝日杯FSが直前に控えてる訳だが…その後は────」

 

テン「───クラシック三冠

「…目指すか、やっぱり。」

テン「はい、私自身が…と言うよりも…させたいのです。

トレーナー様を三冠トレーナーに。」

「…テン。」

ホクト「なーらー…ホクベーちゃんも、目指そっかな~?」

テン「…貴方も、ですか?」

ホクト「あ、ライバルに名乗りを!って訳じゃないよ?

…三冠は三冠でも、もう1つあるでしょ?♪」

「…それって…。」

 

ホクト「まぁ、選抜レースも走り終わってないのに何言ってんだって話だけどね~。

…でも…私も、目指すよ…トリプルティアラ。」

本気の時に見せる表情と共に、どこか不敵な笑みを浮かべるホクトベガ。

テン「…なら…私たちでクラシック級を席巻しましょう。」

ホクト「私らチーム星々が本気出したらどうなるか思い知らしてやろ~っ♪」

 

ホクト「よーしっ、そうと決まれば………ランチだ~!!♪」

テン「練習ではないのですね、貴方らしいです。」




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