瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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アルダンの場合。


第107レース~フケ③~

朝日杯FSの翌日…テンポイントはチームメンバーに頼み込んで模擬レースを行っていた。

 

テン「……すいません、無理を言ってしまい。」

エース「まぁ、勝てても次に残る課題は何とか早めに解決させなきゃな。」

 

シュヴァル「えっ、と…エースさんが逃げて…僕とホクトさんがテンさんを内に塞ぐように走れば…良いんですか?」

テン「はい、それが一番の課題です…。」

ホクト「んじゃ、そういうことなら…遠慮なくするぜ~。」

 

そうして、4人がスタート位置に着いた。

テン「……よし…。」

当初の打ち合わせ通り…エースが強引にハナを奪った。

そして、外にシュヴァル…すぐ後ろにホクト…テンの進路を塞ぐように蓋をしながら走っていた。

 

テン(……やっぱり、この走り方じゃ…っ)

エース(…さぁ、どうする……?)

ちらっと後ろに目をやるエース。

すると、テンがスピードを落とし、後方に下がり…外へとコースを移そうとしていた。

 

エース「───甘いぜっ!!」

テン「……!」

それと同時に、エースが加速し、逃げのリードを広げていった。

 

ホクト(……もしや、この展開……チャンスなのではでは?)

ホクト「とっつげきーーーー!!」

テン「─────なっ。」

すると、テンが外にコースを移す前に、ホクトがまくり気味に上がっていった。

 

テン(大丈夫……あのペースなら…2人で互いを消耗しあって……チャンスが……

私は……''シュヴァルさん''の動きだけを注意して……!)

シュヴァル(並ばれた……でも…っ!)

 

テン「……っ!?(競り合いのはずなのに……シュヴァルさんの方が加速している……!?)」

結局、仕掛けどころを見失ったテンは4着に終わった。

ホクトもまくったまでは良かったがその後の脚が無く……3着になった。

 

ホクト「うーん、まだまだ改良の余地あ~り!!」

テン「はぁ……はぁ……くっ……!」

エース「いいか、テン。

逃げる為にまず必要なのは''スタート''だ、コツは────」

 

 

 

 

 

 

……………………というやり取りを遠巻きに見ていた俺とアルダン。

 

「気合い入ってるな。」

アルダン「ふふっ、そうですね……互いが互いを刺激し合う…素晴らしい光景です。」

ストップウォッチとタブレットを片手に、アルダンがそう呟いた。

 

「……良い風景だよな、ホント。」

アルダン「……そうですね、昔の私たちに言ったら…絶対に信じてもらえないくらいに。」

「……アルダンとエースが共にGI3勝…テンが1勝…シュヴァルもGIレースに出始めた…凄いよ、ホントに。」

アルダン「……そこまで導いてくれたトレーナーさんのおかげ、ですよ♪」

「あはは、俺は何も…。」

アルダン「いいえ、私は断言します…トレーナーさんのおかげです。」

「……そっか、ありがとうね、アル。」

 

にこやかに笑うと、アルダンが顔を赤くし…言葉を飲んだ。

アルダン(なんでしょう…この感覚…胸がザワつきます…)

……その後も、どこか落ち着かないアルダンだった。

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

【その後 トレーナー室】

 

アルダン「トレーナーさん、資料まとめておきました。」

「ありがとう、アル……やっぱり2人だとスピードも早いね。」

アルダン「えぇ、お役に立てているのなら…良かったです。」

「もうバリバリ助かってるよ、本当にありがとうね。」

 

アルダン「─────っ。」

またしても、胸が高鳴るアルダン。

もうトレーナーの顔から目が離せなかった。

 

「……アル?」

視線に気づいたトレーナーが、アルダンに声をかけた。

 

アルダン「……あっ……は、はいっ。」

「……どうかしたの?」

アルダン「……いえ、何も…。」

「疲れちゃったなら、言ってね。」

 

アルダン「……あの……トレーナーさん。」

「ん?」

ゆっくりと立ち上がるアルダン。

トレーナーの目の前に立ち……とある物を渡してきた。

 

アルダン「……こちらを。」

「……絆創膏…?しかも、大判の…。」

受け取ったトレーナーは、直ぐに意図に気付いた。

 

「お、俺どこか怪我してた!?」

アルダン「……いえ、そうではありません…が。

……じっとしていてください。」

細い指で両頬を掴み、身動きを取れないようにするアルダン。

…視線が合った瞳は……どこか、潤んでいた。

 

「……アル……っ?」

アルダン「…ごめんなさい、トレーナーさん……失礼します…///」

視線を落としたアルダンが取った行動は─────

 

「……っ……!!」

首元を襲う冷たい感覚。

水音がトレーナー室に響き……トレーナーは声にならない声を口から漏らす。

「……ア、ル…っ……。」

アルダンが、一心不乱に首筋に口をつけていた。

離そうにも、力で勝てる訳もなく……トレーナーは為す術なくされるがままだった。

しばらくの間……アルダンからの口付けが続いた後……静かにその距離が離れた。

 

アルダン「んっ……はぁ…っ……トレーナーさん…申し訳、ありません……///」

顔を紅潮させ…自分の唇に指をあてがうアルダン。

その唇は、プルプルに潤っていて…その感覚が自分の首筋にもあった。

 

「……これ、は……。」

触ろうとしたが、その手をアルダンが止めた。

アルダン「……すいません…マーク…付けちゃいました……♪///」

マーク…それが、どういう意味なのかトレーナーにはすぐ分かった。

 

「……なん、で…こんな事を…?」

アルダン「……すいません、トレーナーさん…貴方の事が愛おしすぎて…つい…///」

「……つい、って……」

アルダン「そのための……絆創膏…ですから……♪///」

「……仕方ない娘だな…アルは。」

アルダン「……もう一度…してもいいですか…?///」

 

どうやら、完全にスイッチが入ってしまったアルダン……。

せめて、門限に間に合うかだけ…気にしておこう。




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