【1月1日】
「みんな、明けまして………あれ?」
トレーナー室に入ると、アルダンとエース…シュヴァルにテンが座っていた。
「…ホクトは?」
エース「さぁ…見てねぇぞ?」
シュヴァル「携帯にも連絡無しです…。」
「…まさか…寝正月…か?」
有り得る…と言わんばかりに、テンが頭を抱えた。
テン「申し訳ありません、トレーナー様…探して参ります。」
ゆっくりと立ち上がり、トレーナー室を後にしようとするテンポイント。
「あぁ、見つけたら教えて欲しい。」
テン「はい、かしこまりました。」
エース「せっかく初詣に~って思ってたのによ。」
「あ、やっぱり?…まぁ、去年はアルとシュヴァルの3人で行ったしね。」
シュヴァル「今年も、そうしようって話をして…トレーナー室に来たんですけど…。」
アルダン「予め、皆さんに相談しておくべきでしたね…。」
「…まぁ、ホクトを呼んできたら言っておくよ…それに…。」
言葉を言いかけた直後、携帯が鳴った。
「テン、見つかったのか?」
テン「…はい、ですが─────」
「……え?」
言われた場所に、俺は自分の耳を疑った。
【トレーニングコース】
ホクト「…はっ…はっはっはっ………。」
テン「……………。」
「お待たせ、テン…あいつ…。」
テン「ええ、にわかに信じ難いです。」
エース「走ってる…な。」
アルダン「まさか…自主練、でしょうか?」
シュヴァル「凄く…真剣な表情ですね…。」
ホクト(選抜レースも近い…それに…今、物凄く走りたい気持ちが…止められない…
トレくんからの期待もあるし、チームのみんなのやる気が伝わって───)
「─────ホクト!!」
ホクト「……っ……!?
…あっ…と、トレくん…っ???」
走ってる姿を見られて、しまったという表情で近寄ってきたホクトベガ。
ホクト「…っはは~…バレちゃったかぁ~…少し走り込んでからトレーナー室に戻ろうって思ってたけど…意外と時間経つのって早いんだね~…。
…って、そりゃバレるよね、こんなに走ってる子が少なかったら。」
ホクト以外に走ってる子は…と、目を移すと3~4人程しかいなかった。
「…ホクト…一体…。」
テン「どういう風の吹き回しですか。」
ホクト「…ん、まぁ、そんな風に思われても無理は無いよねぇ…。
でも…私…今、すごく走りたい。」
アルダン「…ホクトさん。」
ホクト「こんなにもレースが待ち遠しいって思ったの、初めて。
チームのみんなの走りを見たり、トレくんの期待が伝わって…居てもたっても居られなくて、つい…あはは、報告しろよって話だよね~っ!」
「…凄く良い走りだったよ、これなら選抜レース…期待できるね。」
ホクト「…ん、それにね。」
テン「……。」
ホクト「───想いは、紡ぐから…テンポイント。」
テン「……えぇ、確かに……受け取りましたよ、ホクトベガ。」
エース「…っしゃ!初詣は急遽延期!」
シュヴァル「え、えぇっ…!?」
アルダン「ふふっ、そうですね…松の内までに行けばよろしいですし。」
ホクト「えぇっ、初詣行く予定だったのっ!?」
テン「…やはり行く前に伝えとくべきでしたね…。」
エース「どーせ、走り終わったら寝正月~とか考えたろ。」
ホクト「…うっ…。」
シュヴァル「図星なんですね…。」
ホクト「寝る子は…育つって言うし?」
アルダン「ふふっ、成長期ですものね。」
テン「素っ頓狂な事言ってないで、走りますよ。」
ホクト「ふっふっふ…今までのホクベーちゃんと思ってたら…大間違いだぜぃ…。
言うなれば…
エース「じゃ、3000mな。」
ホクト「すいません、嘘です、勘弁してください…。」
シュヴァル「…あ、あの…普通に模擬レースにしますか…?」
ホクト「さすがシュヴァヴァ!!だいすきっ!!」
アルダン「…あの…もう既にテンさんが走っておられますが…。」
ホクト「なにぃっ!?…裏切り者だ~!皆の者、続け~っ!!」
エース「おいっ、他のウマ娘に笑われてるだろ!」
シュヴァル「…は、恥ずかしい…。」
アルダン「賑やかですね、とっても♪」
「…ホクトは、おせち料理無しな。」
ホクト「ご無体なっ!!!!」
テン(…あの走り方…見違えるようでした…これは、強敵になりうる可能性も…否めませんね…)
テン「……ですが、私は私の道を…駆け抜けるのみ…です。」
勝気なウマ娘「…さぁ…開戦の狼煙は近いぜ…。
滾らせてくれよ…テンポイント…っ!」
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【神社】
ホクト「では、改めまして…明けまして…おでめとうござ~あ~す~。」
エース「グッダグダだな…。」
テン「新年の挨拶です、もっとしっかりとしてください。」
アルダン「改めましてトレーナーさん、今年も1年よろしくお願いしますね。」
シュヴァル「よ、よろしくお願いします…。」
「今年は各自、目指すべき道がハッキリしてる…その分、簡単な道のりじゃない…
…が、このメンバーなら、その苦難も乗り越えてくれると俺は知ってる。
俺の方こそよろしくな、みんな。」
テン「…さすが、トレーナー様です…惚れ惚れする新年の抱負でした。」
ホクト「年が変わっても、相変わらずのトレーナー煩悩っていうか…。」
テン「おや、あそこに甘酒がありますね、飲んでいきますか、10杯ほど。」
ホクト「じょ、冗談冗談…目が笑ってないって~…。」
エース「ほら、馬鹿やってないでお参りするぞ?」
アルダン「ふふっ、今年も仲良しなコンビになりそうですね。」
ホクト「む~…何か複雑~…」
シュヴァル「ま、まあまあ…。」
テン「トレーナー様、こちらへ。」
「お、おう…ブレないな…テンは。」
テン「ありがとうございます、トレーナー様。」
ホクト「褒めてない褒めてない。」
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