瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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新ガチャはウエディングですか……なるほど……


第112レース~立騰る砂塵~

【トレーニングコース】

 

ホクト「……ふ、んごぉおぉおぉ~あああぁあああ~。

テン「なんて声出しているんですか、貴方は。」

 

体操服に着替えて、しっかりとウォーミングアップを行うホクトベガ。

今日は待ちに待った選抜レース当日。

 

ホクト「いやぁ~……みんなレース前でヒリついてるなぁ~って。」

「そりゃ、スカウトされたい・結果出したいって気持ちがあるからな。」

ホクト「ふっふっふ~…ホクベーちゃんには必殺技があるからねぇ~…簡単には負けないよ~ぉ???♪」

エース「あぁ……''どっかんまくり''……だっけか?」

ホクト「おぉ~!エーちゃん覚えててくれたんだ~!♪」

エース「……そりゃ、簡単に忘れられないネーミングだからよ(悪い意味で、だけどな)」

 

ホクト「……どうやらダートの選抜レースが先みたいだね?」

アルダン「えぇ、今日は選抜レースが5レース組まれています。」

シュヴァル「ダートが2レース…芝が3レース…です、か。」

テン「………………………………。」

「どうした、テン?」

テン「………いえ、何も……失礼しました。」

テン(……何でしょう……この睨まれてるような感覚は…)

 

ホクト「もしや…ホクベーちゃんの立派な姿に見惚れてたな!?」

テン「……それは全くないのでご安心を。」

ホクト「けっ!ふんだっふんだっ!レースで見返してやるもんねっ!」

アルダン「頑張ってくださいね、ホクトさん。」

エース「張り切りすぎんなよ~。」

シュヴァル「き、期待してます…。」

ホクト「よーしっ、頑張っちゃうぜ~っ!!」

 

 

 

…………………………………………………………

 

 

実況「さぁ、16人のウマ娘がゲートインしました。」

ホクト(まずは……スタート出て様子見だね……)

 

 

 

───ガッコン!

 

ホクト「─────ほっ、と!!」

実況「今、スタートしました!2番ホクトベガ良いスタートを切りました!」

ホクト「あれっ、私が先頭!?」

 

エース「だあぁっ!アイツ逃げちまった!」

シュヴァル「い、今更位置を下げる訳にもいきません……よね…。」

アルダン「本人も困惑した顔で走ってますね…集中力が切れなければいいのですが…。」

テン「……大丈夫でしょう、作戦が頓挫しても…彼女には持ち前のパワーがあります。」

「……だな、練習の成果……見物だな、ホクト。」

 

ホクト「(うぅーん…せっかく''どっかんまくり''のお披露目が出来ると思ったんだけどな~……って、愚痴を言ってても仕方ないよね……よーしっ……)

……どっかん逃げに作戦変更だぁあぁああっ!!」

出走ウマ娘A(逃げのペースが……落ちない……っ!)

出走ウマ娘B「嘘……っ……差がどんどん開いてる…!?」

 

実況「ホクトベガ、強い強い!!差をどんどん広げている!!」

ホクト「だ~~りゃりゃりゃりゃりゃ!!!」

実況「衰え知らず!吹き荒れる砂塵と共に、ホクトベガ今1着でゴールイン!!

後続に9バ身の差をつけての圧勝です!!!」

 

ホクト「……あれっ、いつの間にかゴール……って、うわああぁっ!?

なんか凄い差がついてる~ぅっ!?!?!?」

エース「……落ち着きのなさは相変わらずだな」

アルダン「…あと、周りが見えてないのは今後の改善点ですね。」

 

もちろん、こんな結果を出したウマ娘をスカウト目的のトレーナー達が放っておく事もなく……。

中堅トレーナー「ホクトベガさん!貴方のそのパワーは無限の可能性を秘めているわ!

ぜひ私と一緒に頑張りましょう!」

ベテラントレーナー「いいや、私なら君を必ずGI制覇…。

……いや、それ以上の結果を齎して─────」

 

そんな輪をくぐり抜けるように、ホクトベガがこちらに走ってきた。

テン「……トレーナー様、受け止める準備を。」

「えっ、いや、ちょ─────」

ホクト「ト~~~~~~レ~~~~~~く~~~~~んっ!!!!♪」

 

止めようにも、そんな簡単に止まれないと諦めた頃には

ホクトベガが豪快にタックルの如く飛び込んできた。

受け止める事は出来たがそのまま2人揃って倒れ込んだ。

 

テン「大丈夫ですか、トレーナー様。」

「……何とか。」

目の前に広がる青空を眺め、苦笑いを浮かべる。

その間も、ホクトベガは顔を何度も擦り付けていた。

 

ホクト「見てた見てたっ!?♪」

「……す、凄かったよ…どっかんまくりは失敗に終わったけど…。」

ホクト「そ~~なんだよね~~っ!!」

「痛い痛い痛い!」

まるでじゃれ合うような風景に、他のトレーナー達もちょっと距離を置き始めていた。

 

中堅トレーナー「な、仲良しね…。」

ベテラントレーナー「……むう、仕方あるまい…諦めよう。」

 

エース「はいはい、興奮してるとこ悪ぃけど、離れような~。」

ホクト「ぐぇっ、首はタンマタンマっ!」

テン「…………………………。」

シュヴァル「テンさん、どうしました…さっきから、そわそわしてますよ…?」

テン「……いえ…何でも…。」

 

 

 

 

 

その後、選抜レースは滞りなく進み…最後のレースが行われようとしていた。

─────メンバーが出揃った時だった。

 

テン「…………っ……!」

テンポイントの表情が変わった。

それと同時に……耳を絞り…拳に力を込めていた。

 

「テン?」

テン「……申し訳ございません、トレーナー様……。」

「……知り合いか?」

目線を向けると、腕を組み…集中してるウマ娘とじっと芝コースを見つめているウマ娘が目に止まった。

テン「…………………………。」

「(答えにくい…か)…いや、無粋な事聞いた、悪かった。」

テン「……以前、私のレースを見たと…言ってました。

その上で…宣戦布告されました…。

────いずれ、追いついてみせる……と。」

「……そうか。」

テン(手が…震えてる……私は…慄いてる…?)

 

 

実況「さぁ、本日行われる選抜レースもいよいよ大詰めを迎えました。

芝コース1400mで行われるレース…18人のウマ娘が続々とゲート入りを進めています。」

勝気なウマ娘(……感じるぜ、視線をよ…見とけ……高らかに勝どきをあげてやるよ……)

無口なウマ娘「…………………。」

 

実況「態勢完了。」

───ガッコン!

 

 

実況「今スタートしました!各ウマ娘綺麗なスタートを切りました!」

勝気なウマ娘(……まっ、お手前拝見……させてもらおうか)

無口なウマ娘「…………。」

 

実況「先頭は1人ポツンと逃げる4番、それを追って各ウマ娘がどのタイミングで仕掛けるのか!」

勝気なウマ娘「さぁて…………死闘開始だぁあっ!!!」

無口なウマ娘「………………!」

 

実況「おっと、ここで18番が逃げる4番の後ろをピッタリ付けるようにマークをし始めた!」

出走ウマ娘A(……何、この睨まれてるような感じ……っ……!?)

 

「あのウマ娘……。」

テン「……どうかしましたか、トレーナー様。」

「───本気で走ってない。」

ホクト「…つまり、まだまだレース慣れしてない…って事?」

「いや……その逆だ

シュヴァル「それって……。」

エース「…トレーナーの言ってる意味がよく分かるな。」

アルダン「エースさんも気付きましたか。」

エース「あぁ……勝負は……一気につく。」

 

勝気なウマ娘「制圧……前進……っ!!!!!」

出走ウマ娘A「ひっ……!」

 

実況「先頭を捉えた!そして一気に突き放す!

強い、強い!!デビュー戦これ程強いウマ娘が居たでしょうか!」

 

 

 

 

 

 

 

実況「─────トウショウボーイ、楽な手応えで先頭を突き進む!!

トウショウボーイ「…っははは!!!!!勇往邁進!!!群雄割拠のクラッシクレースを討ち取るのは、オレだぁああああっ!!!!」

無口なウマ娘「………………っ。」

 

中堅トレーナー「…に、2番手以降のウマ娘が止まって見える……。」

ベテラントレーナー「それに、軽めに走ってるようにも見受けられる…モノが違うな……あれは……。」

 

 

実況「トウショウボーイ、今大楽勝でゴーールインッ!!!」

トウショウボーイ「足りねぇ……まだ……まだまだ足りねぇ…。

闘将の血は…戦いを求めて止まらねぇ……!!」

無口なウマ娘「…………。」

 

トウショウボーイ「……グラ、こっからは…戦いだ…逃げんなよ。

お前の首も……いずれ、狩る…ッ!!!」

グラ(?)「………………ん。」

 

 

中堅トレーナー「と、トウショウボーイ……貴方、すごい才能よ!ぜひスカウトを…。」

ベテラントレーナー「あの飛ぶようなスピードと底知れぬポテンシャル…君なら…」

 

トウショウボーイ「……トレーナーなぞ、誰でも良い。

オレからの要求はただ1つだ。

─────クラッシク三冠、根こそぎ狩ってやるよ。

この一言に、スカウト志願のトレーナー達がザワついた。

 

中堅トレーナー「選抜レースを走ったあとなのにもうそんな目標が……面白いわ、ぜひ話を聞かせてちょうだい!」

ベテラントレーナー「キミの走りもなかなか良かったぞ、名前は……グリーングラス、だね?」

グリーングラス「……ん。」

 

 

テン「………………すいません、トレーナー様…少々、走ってきます。」

「……あんまり、無理するなよ。」

テン「……はい。」

何かを察したのか、止めることなく…俺はテンポイントを送り出した。

 

ホクト「ぶーぶー、ホクベーちゃんの勝ちっぷりが霞んで見えちゃうよ~。」

エース「まぁまぁ……これから見返していこうぜ?」

ホクト「へ~~~~~~~い。」

 

 

 

テン(……もっと、強くならなければ…。)




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