瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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第113レース~アナタと共に、アナタの為に~

【トレーナー室】

 

 

ホクト「大変大変~~~~~っ!!」

エース「んだよ、騒がしいな。」

慌ただしくトレーナー室に飛び込んできたホクトベガが1枚の紙を手にやって来た。

 

ホクト「て、テンテンを呼びに行ったらこれが……!!」

机に置いた紙には、こう書かれていた。

 

【しばらく1人にさせてください。 テンポイント】

アルダン「これは……。」

シュヴァル「て、テンさんが…失踪……?!」

ホクト「携帯も部屋に置きっぱなしで……色んな子に声をかけたけど見てないって…。

と、トレくん…………!」

 

流石の事態にホクトベガも取り乱しているようだった。

「…アイツなりに、あの選抜レースで思う事があったんだろう…。」

アルダン「選抜レース…トウショウボーイさんとグリーングラスさんのことですね。」

エース「ライバルが強いかもしれないって考えるのは分かるけどよぉ…アイツも十分強いと思うけどな……。」

 

シュヴァル「…トレーナーさん、どうするんですか……?」

「……俺は、信じて待つよ、アイツならちゃんと分かってるはずだって。」

ホクト(……大丈夫なのかな、テンテン……。)

 

 

 

 

 

 

………………………………………………。

 

 

 

【とある山奥 坂道】

 

テン「……この勾配なら…足腰も鍛えられそうですね…。」

テン(…トレーナー様なら、3本が限度…と、言いそうですね…。)

 

 

テン「……ですが……私は…''5本''走ります……っ!!」

その声と共に、テンポイントは荒れた山道を力強く踏みしめた。

 

テン「─────。」

トウショウボーイ【─────クラッシク三冠、根こそぎ狩ってやるよ。】

テン「あの感じ…私は…今のままだと…負けてしまうと感じてしまった…。

……ならば、通常の2倍……いや、3倍…トレーニングをしなければ…。」

 

テン(───限界を越えて…私は、トレーナー様に…勝利を齎さなければ…。)

沸々と湧き上がる闘志を内に秘め…テンポイントは坂道のダッシュとランニングを繰り返していた。

 

 

 

 

 

 

 

テン「…………ふぅ。」

自分に課したトレーニングメニューをやり遂げた後…テンポイントは丘の上で景色を眺めていた。

 

テン(……帰る頃には、日も暮れてしまいますね…。)

焦っていた気持ちもあったが、突然姿をくらましてやり過ぎな位自主トレーニングを行った自分の行動を振り返って……テンポイントは眉をひそめた。

 

テン(……トレーナー様に、叱られてしまいます……ね。)

京成杯まで、あと3日と迫る中でのトレーニング…到底トレーナーは了承しないのは火を見るより明らかである。

 

テン(……しかし、帰らない訳には……いかない、ですよね…。)

少し顔を俯かせていたテンポイントだったが……すぐに前を向き直し…軽めに走りながら…トレセン学園に戻るのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【トレセン学園前】

 

 

戻る頃には、すっかり日も暮れて行き交う人の数も少なくなっていた。

 

 

テン「……………………。」

─────着いたら、トレーナー室に行って謝ろう。

頭の中で考えを巡らせ、下を向いて歩いていると…………。

 

 

「…………………………。」

テン「…………………………あっ…………。」

正門近くで壁によりかかるトレーナーの姿があった。

見るからに、相当待っていたのが見受けられる。

 

「……おかえり。」

ただ一言、そう呟いたトレーナー。

 

テン「…………ぁ…………そ、の……っ……。」

謝りたい……それなのに、言葉が出ない。

もしかしたら、トレーナーから失望されるかもしれない、軽蔑されるかもしれない…そんな考えがテンポイントの頭を過り…表情を暗くさせた。

 

 

「…………ん。」

そんなテンポイントを、引き寄せて静かに抱きしめるトレーナー。

 

テン「……トレーナー……様……。」

その体は、1月の寒さの影響を受けたのか、冷たかった。

 

「……こういう事をしたって事は…負けたくないって気持ちが強くなったんだよな。」

テン「……………………。」

「その気持ちと……勝ちたいのは、自分の為じゃなくて…俺のため……。

だから、もっともっと……厳しくトレーニングしよう…そう考えたんだね?」

テン「……………………。」

その言葉に、テンポイントは小さく頷いた。

 

「……ん、そか……でも、次からはちゃんと相談すること、良いね?

テンの事は信頼してるし…大事な担当ウマ娘だから。」

テン「……トレーナー様…。」

 

抱き締めてゼロになっていた距離が再び離れる。

眼前に居るトレーナーはクスッと笑い、踵を返した。

「……さっ、お腹空いただろ?エースとアルが戻ってきたら連絡入れてくれって言ってたし、何か作ってくれてるみたいだから、トレーナー室に───」

テン「─────あの……っ!」

そのトレーナーの足を……テンポイントが止めた。

「……?」

テン「……怒ら……ないんですか……?」

「…………そうだね、強いて1つ言えることがあるとすれば……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───無事に帰ってきてくれてありがとう、テンポイント。

テン「……………………!」

「さっ、戻─────」

テン「……トレーナー……様…………っ!!」

突然、後ろから抱きつくテンポイント。

 

 

テン「……貴方は……どこまで優しいのですか……っ……。」

「……心配したんだからね、テン。」

テン「……ごめんなさい……私……トレーナー様に……何とお詫びをすればいいか……。」

「なら、ちゃんと横に居てよ……ね?」

テン「………………はいっ……!」

テンポイントの体温がじんわりと伝わり…心做しか気持ちが温かくなるトレーナーだった。




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よろしくお願いします。

覚醒テンポイントの挿絵を置いておきます。

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