瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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第115レース~夷険一節~

 

─────テンポイントの京成杯から翌週。

 

 

ホクト「…んおおおぉおお~~レーースだあぁああああ~!

エース「相変わらずだな。」

ホクト「ふふん、もうレース慣れはバッチリだもんに。」

 

シュヴァル「…え、っと…油断しちゃダメ…ですよ。」

アルダン「そうですね、圧倒的1番人気ですが…油断は禁物ですよ。」

 

ホクト「もちろんっ!♪

それに、''どっかん逃げ''''どっかんまくり''があるからね~♪」

テン「………。」

「気負いしてないなら言うことは1つだ…頑張ってこい、ホクトベガ。」

ホクト「あいっあいさーーーっ!!♪」

 

ビシッと敬礼を決めて、ホクトベガは控え室を後にした。

テン「…すいません、ホクトさんに伝えたい事があったので…地下バ道に行ってもよろしいでしょうか。」

「…伝えたい事…うん、いいよ?」

テン「ありがとうございます、トレーナー様。」

 

ペコッと頭を下げて、ホクトベガの後を追うようにテンポイントが控え室を出た。

エース「伝えたい事…って、なんだろな。」

シュヴァル「後を追うって事は…それだけ大事な件…って事、ですよね。」

アルダン「テンさんの事です、きっと本人のためになることを言うはずです。」

「………だな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【地下バ道】

 

 

ホクト「……………ふぅぅぅ~っ…。」

テン「ホクトさん。」

 

ホクト「うわぁっ!?…って、テンテンじゃん…どったの?」

テン「いえ、少しお伝えしたい事が。」

 

ホクト「………………。」

テン「そんなに身構えないでください、ここに来てまで説教をするつもりはありません。」

ホクト「…んー、じゃあ何の御用件で~?」

テン「……まだ、隠したままで居るつもりですか?

ホクト「…何のことか、分からないな~。」

テン「貴方のレースに対する意識です、本当はもっと奥深くに眠ってるはずです。

─────貴方の真剣な眼差しと…想いが。

 

ホクト「……ま、今じゃないかな…ご忠告ありがとうね、テンテン。」

テン「………………………。」

ホクト(…そんな事言って…まだ怖いってのは…あるんだけどね。

見透かされてるなぁ、私…らしくないなぁ。)

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

実況「降りしきる雨の中…不良バ場のダートコースで行われる

1800mのレース。

9人のウマ娘の中で、1番人気に推されたのは選抜レースの9バ身差の圧勝だったホクトベガが大外9番枠に向かいます。」

 

ホクト(……足元、結構泥濘む…。)

実況「ゲートイン、完了しました。」

 

 

 

 

─────ガッコン!

 

 

実況「今スタートしました!

好スタートを切ったのは、4番、そのままハナを進みます。」

ホクト「2番手……それなら…!」

 

エース「今日は前走と打って変わって先行策か。」

アルダン「元々パワーのある方です、仕掛け所さえちゃんとすれば…。」

テン「…………。」

シュヴァル「…テン、さん?」

テン(─────いけません、このままでは…。)

 

 

実況「さあ、快調に逃げる4番。

その後、すぐ後ろに9番ホクトベガが追走します。

1000m通過タイムは60秒1!ほぼ平均ペースでレースが進んでいく!」

ホクト「………………すぅ…。」

出走ウマ娘A「………っ…!!!!!」

 

 

 

 

 

─────ユラァ…。

 

 

 

 

 

 

 

出走ウマ娘A(…何か……………来る…っ!!!)

実況「おぉっと、ここで先頭を走る4番がスパートをかけた!!」

ホクト「…っ……!!……させ、ないっ…!!」

実況「それを見るようにホクトベガも上がっていく!!」

 

出走ウマ娘B「なっ…!!…かまされた…!!」

出走ウマ娘C「先頭と2番手のダッシュに…追いつけない…!!」

 

出走ウマ娘A「ぐぅぅっ…!!!」

実況「逃げる4番に対して、ホクトベガが猛追する!!!その差が縮まるか!!」

 

ホクト「………簡単にっ…負けるかあぁああああっ!!!!

「…!」

テン「……………。」

 

 

実況「しかし、届かない!!伸びないホクトベガ!!!

そのまま逃げ切って、今ゴーーールインッ!!!!!!!

ホクトベガは惜しくも2着に敗れました!!!!」

ホクト「…うぐぅっ…だぁっ…っ!!!!」

 

 

走り終えたホクトベガは、不良バ場に倒れ込んだ。

体操服が汚れようが関係なく…大きく肩で息をしていた。

 

 

 

「…ホクト…。」

テン「…彼女の溢れ出る闘志が相手にも伝わったのでしょう。

まだまだ…彼女は強くなります…底知れぬ闘気を感じ取れました。

「…じゃあ、さっきはそれを伝えに?」

テン「…はい。」

 

 

 

 

 

 

 

ホクト「…くそっ……っくしょおおぉおおおぉっ!!!!!

余程悔しかったのか、ホクトベガは声が枯れるまで叫び続けた。

 

 

 

 

エース「…声、かけないのか。」

「…アイツ(ホクトベガ)自身が感じた越えなきゃいけない壁だ。

どうするのか、自分で考えた答えを…俺は聞くだけだ。」

 

 

アルダン「…そうですね、それも彼女のため…ですね。」

シュヴァル「…きっと乗り越えられるはずです…僕は、そう感じます。」

テン「………はい、懸命な判断かと。」




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