瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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第116レース~次は~

ホクト「……………………。」

 

エース「なぁ…ああし始めてもう何分経つ?」

アルダン「そうですね…30分は経過していますね。」

 

シュヴァル「…物凄く真剣に見てますね…。」

テン「……………。」

 

トレーナー室に入ってから、ホクトベガはいつものおちゃらけた様子ではなく…。

真剣な表情で、何度何度も先日の自分のレースを見返していた。

その目つきは、時に怖さを感じさせる程だった。

 

 

ホクト「……………………………………。」

エース「…どうすっか?」

アルダン「お声をお掛けしても…返事はありませんし…本人が納得するまでやらせてあげましょう。」

 

「…ふぅ…みんなお待たせ、トレーナー会議がちょっと長引いちゃって。」

シュヴァル「あっ…と、トレーナーさん…。」

テン「お疲れ様です、トレーナー様。」

 

ちらっとホクトベガの方を見たトレーナーだったが…特に声をかけることも無く

自分の席に座った。

 

「さて、アル…今日の予定を確認しようか。」

アルダン「はい、まずはテンさんはパワートレーニングを

エースさんとシュヴァルさんはスタミナトレーニングを行っていただきます。」

 

テン「かしこまりました。」

エース「…お、おう…そりゃ良いけどよ…。」

目で合図を送ってくるエース。

トレーナーもその合図に頷いたが、そのまま話を続けた。

 

「よし、じゃあトレーニングに向かおうか!」

アルダン「トレーナーさんは、会議の内容をまとめたりしておいてください。

''こちら''は私の方で見ておきますので。」

 

「分かった、よろしく頼むね。」

アルダン「はい、では参りましょう。」

エース「あ、あぁ…。」

シュヴァル「はい…。」

テン「失礼します、トレーナー様。」

 

アルダンを筆頭に、各メンバーがトレーナー室を後にする。

残ったのは、俺とホクトベガの2人だけだった。

 

ホクト「………………。」

顎に手を当てて…神妙な面持ちでパソコンを操作するホクトベガ。

何度かその様子を眺めた後、こちらもパソコンで資料をまとめ始めた。

カタカタとリズムのいいタイピング音だけがトレーナー室に響く中…。

 

 

ホクト「……あれ…トレくん?」

「ん、お疲れ様、ホクト。」

ホクト「……みんなは?」

辺りを見渡すホクトベガ、しかしそこにいるのは自分1人の状況に頭にハテナマークが浮かんでいた。

 

「みんなはトレーニングに行ったよ。」

ホクト「えっ……わっ!もうこんな時間!?

ご、ごめん!!直ぐにトレーニングに─────。」

バタバタとパソコンを片付けて、外に向かおうとするホクトベガ。

 

「待って、ホクト。」

ホクト「……うん?」

「ちょっとお話しよう?」

ホクト「……うん、分かった。」

 

こちらの提案に、ホクトは頷き…向かい合うように座った。

「……自分のレース見返して…何か感じた?」

ホクト「……………………。」

「30分以上見返すって事は…レース中に気づいた事や何か振り返りたい物があった…違う?」

 

ホクト「…うん…あった。」

「…そっか、次に活かせるといいな。

何か協力して欲しい事とかあったら、遠慮なく─────」

 

ホクト「─────……トレーナー。」

「………うん。」

真剣な表情と声の抑圧に、一瞬トレーナーの顔つきも変わったが…普段通りに接する。

 

ホクト「…もう、レースでは…普段の自分を…脱却したいって思っている。

あの日感じた…とっても小さくて…それでも、何か燃え盛るような想いが…私をそうさせた。

──────────私は、本気だよ。

 

「…前回のレース…悔しかった?」

ホクト「体の調子は良かったし…何より、落ち着いて周りを見ながら

自分の思う最高のタイミングで仕掛けたと思ってた…けど、結果は2着…

それが何よりも悔しかった…負けんもんかって心の底から思えた」

「…今は、どうしたいって思ってる?」

ホクト「─────もっと…もっと強くなりたい。

 

「(出会った頃とはまるで違う顔つきだな…)…うん、その言葉…確かに受け取ったよ。

その真っ直ぐで絶対に折れない気持ちがあれば…大丈夫だよ。」

ホクト「…ありがとう、トレーナー。」

 

スっと立ち上がり…小さく息を吐くホクトベガ。

ホクト「………ではではっ!トレーニングに向かいま~~すっ!」

「ああ、サボるなよ?」

ホクト「サボったりしたらアルダンさんからのお仕置が…うぅ、こわこわ…。

って、こんな事してたら余計言われちゃうね……行ってきまーす!」

 

いつもの表情に戻ったホクトベガがビシッと敬礼をしてトレーナー室を後にする。

…小さく握られた拳を、トレーナーは見逃さなかった。

(…自分がどうしたいかを見つけられたんだ…アイツも強くなるな)

 




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