【トレーニング中】
ホクト「…っしゅ!!!!!」
エース「おぉっ、良いダッシュ見せるじゃねぇか!」
テン「スピード能力にも磨きがかかってきましたね…ですが…!」
ホクト「……違う…本当の仕掛け所は…っ。」
シュヴァル(この位置からなら…良し…っ!)
ホクト「…ここだっ!」
シュヴァル「ほ、ホクトさん…っ!?(マークされてた…!)」
ホクト「…この仕掛けなら、最後の直線での脚の貯金は…。」
アルダン「皆さん、休憩にしますよ。」
エース「おう、そうだな!…ほら、ホクトも休憩だぞ~?」
ホクト「いだだだだ!!わ、分かってるって~!!」
テン「…エースさんが声をかけなければシュヴァルさんにぶつかってましたよ。」
ホクト「ちゃ、ちゃんと見えてたし~……?」
シュヴァル「あはは…。」
「…ったく、レースに集中するのは良いけど、しすぎるのも良くないからな。」
ホクト「…は~い。」
テン「…まぁ、見違える程の成長ではありますが。」
ホクト「あっ、今褒めてくれた!?やったやった~っ!」
テン「聞き違いです、勘違いしないように。」
ホクト「アルダンさん!この子素直じゃない!!」
アルダン「ふふっ、そうですね♪」
和気あいあいとしたやり取りの中だった。
???「ニャー」
突然、俺の足元から鳴き声がした。
ホクト「…トレくんの声?」
「んなわけないだろ…猫だよ、猫…迷い込んだのか?」
目線を下に下げると、足元でごろつく猫が居た。
シュヴァル「…か、可愛い。」
アルダン「理事長の飼い猫…ではありませんね。」
エース「多分、野良猫だろうな、首輪も無いしよ。」
ホクト「よーしよしよし、怖くないよ~。」
ウキウキしながら、野良猫に近づこうとするホクトベガ…しかし。
野良猫「シャーーッ!」
ホクト「うわぁっ!!」
毛を逆立てて威嚇する猫に思い切り驚くホクト。
ホクト「うぅ…よよよ…。」
エースに縋り付くようにわざとらしく泣くホクト。
エース「…なんか…お前が懐かれなさそうなのは目に見えてたわ。」
ホクト「ひどぉいっ!!」
野良猫「…♪」
アルダン「あらあら…トレーナーさんに随分懐いていらっしゃいますね。」
「ははっ、んだよ仕方ないやつだな~。」
ワシワシと触ると、腹部を広げて完全に心を許したかのように無防備になる野良猫。
テン「…………むぅ…。」
その様子を見ていたテンポイントが頬を少し膨らましていた。
ホクト「いやいや…テンテン…君はどっちかと言うと犬っぽいからね。」
ポンと肩に手を置いて、やれやれといった顔で忠告するホクトベガ。
テン「貴方はどちらかと言うとナマケモノですけどね。」
ホクト「おぉーんっ!?言葉のまんまだって意味かぁー?!」
「はいはい、そこは喧嘩しないの。」
テン「申し訳ありません、トレーナー様。」
ホクト「…忠犬め…。」
ホクト(あっ……そーだっ!♪)
何か良からぬ企みが浮かんだのか、ホクトベガの顔が悪戯娘のように変わる。
ホクト(ねえねえ、テンテン?…ホクベーちゃんにとってもいい案があるんだけど…聞いてかない?♪)
テン(見るからに怪しさしかないのですが…参考程度に聞いておきましょう…参考程度に)
ホクト(実はね~………コソコソ…)
テン(安直な…そんなのでトレーナー様の気が揺らぐとは到底…)
ホクト(でもいいの?今のトレくん…猫ちゃんに気がいっちゃってるよ?)
テン(それは…。)
ホクト「…ねーねー、トレくん?
トレくんがチーム内で、この子猫っぽい子な~って思う子…居る?」
「猫っぽい子…?
…うぅーん…居ないんじゃないかな?」
ホクト「だってよ、テンテン?♪」
テン「……………にゃん……///」
猫のように手を招く真似をするテンポイント。
しかし、呆気に取られたトレーナーからすぐに返事が返ってこなかった。
「…て、テン?」
テン「…だ、だから言ったじゃないですか…こんな事でって…///」
ホクト「あははっ!でも良かったでしょ?♪」
「まぁ…それは…。」
テン「……ううっ…///」
エース「なーなー、アタシはどんな感じに見えるんだ?」
「…オオカミ?」
エース「…素直に喜んでいいのか微妙なラインだな、それ。」
シュヴァル「あの…僕は…。 」
「ウサギ…とか?…寂しがり屋だったりするもんね。」
シュヴァル「……そ、そんなこと…ない……ない、ですから…。」
アルダン「ふふっ、皆さんの個性が出てますね。」
ホクト「アルダンさんはね─────」
そんなやり取りをしてる中、居心地悪そうに困った顔をするテンポイントを見かけた。
「…テン、ちょっといい?」
テン「…あっトレーナー様…申し訳ありません、お見苦しいものを───」
「…その事、なんだけどさ…。」
テン「……はい。」
叱られたりすると思ったのか、しゅんと縮こまるテンポイント。
「…その…可愛かったから…やるなら2人の時だけに…してくれよな?」
テン「…えっ?」
しかし、予想外のコメントにテンポイントはきょとんとしてしまった。
「…いや、他の人にあんまり見られたくないっつーか…その…。」
テン「…………はい……かしこまりました…♡」
2人だけの秘密が出来たことが嬉しいのか、顔を赤くし笑うテンポイントだった。
テン「…心配せずとも…私は、トレーナー様の物…ですよ…♡///」
「…あ、あんまりそういう風な言い方は…。」
テン「トレーナー様から…独占欲を向けられるのは…その…嬉しいと言いますか…幸せと言いますか…///」
「…そ、そうか…。」
ホクト「おーい、そこのお2人さんや~。
何か2人だけの会話みたいになってるけど、めちゃくちゃ聞こえてるからね~?」
呆れ顔で忠告をするホクトベガ。
その指摘に、テンポイントの耳はピンと立った。
テン「な、なっ…!!」
ホクト「…まぁ、いつも通りの光景って言えばいつも通りだけどさぁ…
誰もいない所でそういうとこはしなさいよ~?」
エース「なんだよ、母ちゃんみてぇだな。」
ホクト「なにうぉっ!?まだうら若き高等部じゃーい!」
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