【トレーナー室】
テン「…アルダンさん。」
アルダン「あら、どうかしましたか、テンさん。」
テン「…ちょっと、よろしいですか?」
アルダン「………ええ、大丈夫ですが…。」
(あれ…2人ともどうしたんだろ。)
ホクト「トレくん、この間のトレーニングの資料ちょうだ~い。」
「はいはい…全く、人の事を顎で使って…。」
ホクト「へへーん。」
「へへーん、じゃない。」
エース(あの2人…何しに行ったんだ?)
…………………………………。
【トレーナー室前】
アルダン「それで、ご用件でしょうか?」
テン「…その…。」
アルダン「きっと、トレーナーさんに伝えにくい用件だから私を呼んだ…違いますか?」
テン「…………はい、その通りです。」
アルダン「ふふっ、遠慮なく伝えてくださいませ…何でも聞きますよ。」
テン「……では…とある人とお話したくて…。」
アルダン「とある方…ですか。」
テン「はい、その人は─────」
アルダン「まぁ…それは……意外ですね…。」
……………………………。
【数日後】
アルダン「テンさん、呼んできました。」
テン「…お時間を取らせてしまい、申し訳ありません。」
ライアン「ううん、大丈夫だよ……えっと、アルダンさんと同じチームの…。」
テン「テンポイント…と、申します。」
ライアン「テンポイントさんね、それで…私に何か用があるって聞いたんだけど…。」
アルダン「…差し支えなければ、私もお聞きしても?」
テン「…はい……実は、もう少し筋肉量を増やしたい…と、思いまして…。」
ライアン「筋肉量…?」
アルダン「既に並の筋肉量ならあると思われますが…。」
テン「私のウィークポイントを自分なりに考えた結果…パワーが足りない…そう思いまして…。」
ライアン「…ん、と…つまり…筋トレメニューを教えて欲しい…そういう事かな?」
テン「……いえ。」
ライアン「違うの?」
テン「パワートレーニング等は、トレーナー様やアルダンさんに相談すれば解決します…。
…ですが、それだけでは足りない…そう私は考えています。
ライアンさんには、プロテインに関する助言を頂きたく思いまして…。」
ライアン「…プロテイン…食事トレーニングにも力を入れようとしてる…って事?」
アルダン「それならば、トレーナーさんに一言伝えた方が…。」
テン「……きっと…トレーナー様は、私の身を案じて…止めてくださいます。
ですが…それでは駄目なんです…私は、もっと強くならなければ…。
お願いします、どうか助言の程を…。」
ライアン「うぅーん…………分かった!ただ、自分に合った量でやるんだよ?
想像と違って、結構きついから…。」
テン「ありがとうございます、ライアンさん。」
アルダン(…それ程までに、トレーナーさんの事を思ってらっしゃるのですね)
ライアン「アルダンさん、釘は刺したから大丈夫だと思うけど…念の為チェックしてあげて。」
アルダン「えぇ、ありがとうございます、ライアン。」
……………………………。
【その日の夜】
テン「…………………。」
シュヴァル「て、テンさん…今日は沢山食べるんですね…。」
テン「シュヴァルさんほどではありませんよ。」
シュヴァル「で、でも普段はその半分以下くらいなのに…。」
ホクト「やけ食い…ははーん、トレくんと喧嘩でもしたな~?」
テン「美味しそうな唐揚げですね。」
ホクト「あっ、メイン取るな~っ!」
アルダン「…テンさん、こちらに置いておきますね。」
テン「…ありがとうございます、アルダンさん。」
エース(なんだあの飲み物…あんな物昨日まで飲んでたか?)
ライアン【とりあえず飲みやすいのとか味がついてるものとか色々用意したよ。】
テン【1番効き目があるのはどれですか。】
ライアン【私も使ってるこれだけど…最初からこれだと…あんまり美味しく感じないし…食べた後とか体辛くなっちゃうよ?】
テン【…いえ、これでいいんです。】
アルダン【…テンさん…。】
テン「……ん……ゴク…。(…あまり…美味しい物ではありませんね…ですが…クラシックレースに向けて今からでもこうしないと…付け焼き刃なのは重々承知ですが…私は………。)」
アルダン「…………。」
……………………………………。
【数日後】
テン「…ぅうっ………けほっ…けほっ…。(さすがに…食べる量を増やしすぎましたね…それに…プロテインの影響か…腹部も圧迫されてるような感覚が…)」
「あれ、テン?」
テン「…と、トレーナー様…。」
「顔色悪いぞ…大丈夫か?」
テン「…ご心配おかけして申し訳ありません…大丈夫です。」
「そうか……なんか体調がおかしいと思ったら、すぐに言えよ?」
テン「…ありがとうございます、では…失礼します。」
(……足元が少しふらついてるな…)
「テン、待って!」
テン「…は、はい…何でしょうか…?」
「………………………。」
テン「…あの…私の指を見て…どうかされたんですか…?」
「…いや、なんでもない…けど、無理するなよ?」
テン「…はい、ありがとうございます。」
「…大丈夫か、あいつ…。」
テン「…………くっ……。」
テン(…今のこの時期を乗り越えれば…身につけた力は…必ず私の走りに…いい影響を齎してくれる…はず…もう少し…もう少しの辛抱…です……)
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