テン「はぁっ……はぁっ…………ぐっ……!!」
───ピッ。
アルダン「テンさん、1000m通過タイム62秒6です。」
「2ヶ月前は57秒8…明らかにタイムが落ちている…。」
アルダン「………………。」
シュヴァル「テンさん…すごい汗…。」
エース「あぁ…らしくねぇな。」
ホクト「……ほら、拭きなよ、テンテン。」
テン「……は、い…ありがとう……はぁっ……はぁっ…ござい…ます。」
ホクト(…少し…肩のあたりの増量が見られる…テンテン…まさか……。)
「大丈夫か、テン。」
テン「……っ……はい、申し訳ありません…息を切らしてしまい…。」
「無理をするな、ゆっくりと呼吸を整えて……な?」
テン「……はい。」
「クラシックレースを前に体を壊しては元も子もない…だから焦る気持ちがあるのは分かるけど…自分らしく…な?」
テン「…………かしこまりました。」
シオン(……あれは…テンポイントさん…それに、シュヴァルさんも……。)
見学中のウマ娘A「チーム・ジュピターって良いよね~」
見学中のウマ娘B「そうそう!トレーナーは優しいし細かいところまで気にかけてくれるし!」
シオン(……ジュピター…それがあのチーム…なんすね。
…そして、トレーナーさんの見え方は…イメージ通り……っすね。)
シオン(でも─────)
シオン(アタシは……嫌いっす…そんな優しさなんかじゃ……)
シオン(
───────────────────
【トレーナー室】
「…………………………。」
アルダン「今日のトレーニング映像を見て、どうかされたのですか?」
「─────アル。」
アルダン「はい、何でしょう。」
「……何か…隠してるな?」
アルダン「………………。」
「いや、聞きた方を間違えた…何故隠し続けていた?」
アルダン「───お見通し、なのですね。」
「仮にもトレセン学園のトレーナーだ、担当ウマ娘の身体の変化くらいは気づく。」
アルダン「…………。」
「……まぁ、
アルダン「……如何なさるおつもりですか?」
「それは本人に、問いただしてみないとな。」
アルダン「……申し訳ありません。」
「何か考えがあっての事だろ?…今回は不問にしとく。
……けどな、アイツにも言えることだけど…俺たちはチームなんだ、1人じゃない。」
アルダン(……トレーナーさん…怒っています、ね…無理もありません……。
ですが、これは……私たちのことを案じて…敢えて怒ってくださってる……。)
「……悪い、少し席を外すね。」
アルダン「はい…行ってらっしゃいませ。」
アルダン(……ちゃんと、話し合って下さいね…。)
…………………………………………………………。
【トレーニングコース】
テン「はぁっ、はぁっ……!!」
テン(体……重いまま……だけど、早く慣れて…力にしないと…私は…私は……っ)
トウショウボーイ【─────クラッシク三冠、根こそぎ狩ってやるよ。】
テン「……っ…………ぅああぁああああっ!!」
「……ストップだ!!テン!!!」
テン「……っ…………!!
……トレーナー……様……っ……?」
「……全く…自主練をする時はちゃんと伝えてくれって言っただろ…。
まぁ、大方…走らなきゃ気が済まないって思った…そんな所だろ?」
テン「………………。」
「それに─────」
テン「……っ……!!」
「両足首にアンクルウェイト…このままだと、脚を壊すぞ。」
テン「……です、が…こうでもしないと…私は……っ。」
「だから……プロテインも無理に摂取して筋肉を増量させようと?」
テン「……っ……何故……それを……っ…!?」
「アルダンも知ってたようだけど、アイツから聞いたわけじゃない。
担当トレーナーだぞ、そんくらいの事は気づくからな。」
テン「…………っ。」
「…………テン。」
テン「……それでも…それでも、私は─────」
「……いい加減にしろっ!!!」
テン「……っ……ぁ……と、トレーナー……様……っ……??」
「…そんな事で、自分1人で身体を追い込んで何になる!!!
そんな勝利じゃ、俺は喜ばない!!」
テン「……トレーナー……様……っ……。」
「……前に言ったよな、お前は…お前には横に居て欲しいって。
……破る気なのか、その約束を……。」
テン「そ、そんなつもりは……っ……!」
「……お前は、1人か?」
テン「─────っ。」
「何のために……俺は居る?」
テン「……それ、は……。」
「……お前が悩むなら一緒に悩む、強くなりたいなら一緒に考える。
間違った道に進みそうな時は怒る、喜ぶ時は一緒に心から喜ぶ…違うのか?」
テン「……トレーナー様……。」
「だけど、1人で全部考えて背負って…そんなの、俺は悲しいよ。」
テン「………っ……!」
「…キミの考えを聞かせてくれ、テンポイント。」
テン「………っ…………ごめん……なさい……私………私……っ…!」
「……うん。」
テン「焦って…もっと強くならなきゃ…トレーナー様の期待に応えられないって…
このままじゃ…ダメだって……そう思ったら居ても立ってもいられなくて……。」
「……なら、一緒に考えよう、キミは俺にとっての光だから。
その光を失いたくない。」
テン「……ぁ……トレーナー……様……。」
「ごめんな、怒鳴ったりして。」
テン「……ぅ……っ、あぁっ……ああぁあああっ…!!!」
「……よしよし、泣くなよ。」
テン「申し、訳……ござい、ません……っ…トレーナー様……っ……私……っ!!」
「分かったから、大丈夫だよ。」
テン「……っ……ぅ、ぁ……っ……!!」
「まずは…次走に向けて考え直そう…いいね?」
テン「─────────はいっ……!!」
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