【トレーニングコース】
「……2人に集まってもらったのは他でもない。」
ホクト「?」
テン「何を言いますか、トレーナー様からのご用命あらば、何時でも。」
ホクト「なーにが、ご用命あらばだよ~。
トレーナーに内緒事してて怒られたくせに~。」
テン「…………。」
ホクト「いっっっった!!!!蹴った!!ねぇ、トレくん、今蹴った!!」
「……2人とも、仲良くな。」
テン「はい、かしこまりました。」
ホクト「も~、このいじりが仲良しの証拠なのにね~?」
テン「………………。」
ホクト「トレくん!!また蹴ろうとしてる!!!」
「はいはい……トレーニング始めるよ?」
テン「はい。」
ホクト「トレくん、はいは1回だよ?」
「……今日は芝コース2000mを走ってもらう…''模擬レース''として、な。」
ホクト(流された……)
テン「模擬レース…ですか……しかし、ホクトさんは芝コースは初なので少々分が悪いかと……。」
「テン、今の状態で万全の走りが出来ると思う?」
テン「………………それは……。」
「レースでは走ったことが無いとは言え…練習で走った経験もあるし
何より、ホクトも成長してる…油断してたら、負かされる可能性もゼロじゃないぞ?」
テン「…………はい……おっしゃる通り…です。」
ホクト(分かりやすいくらい耳が垂れ下がっちゃって、もう…。)
「でも、それはテンにも言えた事だよな?俺は知ってるよ、ちゃんと。」
テン「…………!
はいっ、テンポイント…トレーナー様の思いに応えます…!」
ホクト「(頭撫でられたらすぐに回復しちゃった…トレくんそういう所なんだよなぁ~…)……ま、程々に頑張りましょ~?」
「待った!…2人各々に伝えたいことがある。」
ホクト「ほ?」
テン「それは何でしょうか、トレーナー様。」
「ちょっと耳を近づけて?……あのね。」
テン「……はい、なるほど…かしこまりました。」
ホクト「…………。」
「ホクトにも伝言ね……あのね。」
ホクト「……ほんほん…ふーん、いいね、分かった!」
「お互いに何言われたか言い合うのは無しね、じゃあスタート地点に行こうか!」
……………………………………
【スタート前】
ホクト「……ああは言ったけど……実は結構楽しみなんだよね、テンテンと走るの。」
テン「……そうですか、奇遇ですね…私も同じ気持ちですよ。」
ホクト「私たちは、2人で1つ…けど、レースでは…1番のライバル…そう思ってる。─────だから…負けないよ、テンポイント。」
テン「……はい、私も…負けません、ホクトベガ。」
「2人とも、準備はいいね~っ!?」
ホクト「はーい!」
テン「問題ありません、トレーナー様。」
「じゃあ、行くよ?……よーーーい……。」
「──────────ドンッ!!」
ホクト「───フッ!!!」
テン「────はぁぁっ!!!」
ホクト&テン「「……っ!?」」
「…………さて、2人はどう立ち回るかな?」
………………
「ちょっと耳を近づけて?……あのね。」
「スタート直後にハナを切って逃げる戦法でレースを進めてみようか。」
テン「……はい、なるほど…かしこまりました。」
ホクト「…………。」
「ホクトにも伝言ね……あのね。」
「スタート直後にハナを切って逃げる戦法でレースを進めてみようか。」
ホクト「……ほんほん…ふーん、いいね、分かった!」
「お互いに何言われたか言い合うのは無しね、じゃあスタート地点に行こうか!」
………………
(2人で凌ぎあっても、互いに力を削がれるだけ…如何に冷静にレース運びが出来るか…特にテンに関しては、今後かなり重要になる要素だ…上手く行けばいいが…)
テン(ホクトさん……逃げの手に出るつもりですね…下げて様子を見るのが懸命そうですね…。)
ホクト(少しテンテンのペースが落ちた…後ろに付く気っぽいね…なら……私は…直線に差し掛かったら…一気にスパートをかけて……振り切る!)
「……………………。」
テン「くっ……!!(まだ、体が重い……っ!)」
ホクト「……っ……!(ここだ……っ!!)
隙を見せたね、テンポイント!!」
テン「っ…スパート!?……ですが……っ!!」
ホクト(芝コースの方が軽くて足取りが…ふわふわする……っ…!)
テン「簡単に……突き放される訳には…っ!!」
ホクト「しまった……っ!!」
テン「ここからは…競り合い、勝負です……っ!」
ホクト「……くっ…さすがだね……でもっ…!!」
テン(パワー勝負だと、分が悪い…ですが、ここで負ける訳には…!)
ホクト(スピードはテンテンの方が上……一瞬のキレ勝負……上等っ!!)
テン「───やぁあああああぁあああっっっっ!!!!」
ホクト「──っらぁぁああぁああああああぁっ!!!!」
「─────ゴール!!」
テン「はぁ、はぁっ……く、っ……はぁっ……!!」
ホクト「けほっ、けほっ……ど、どっちが先着……っ…?」
「────…僅かにテンの方が出てたな。」
テン「……そう、ですか…。」
テン(あまり……勝ったという感覚がありません…。)
ホクト「……やっぱり最後は経験の差が出ちゃったかなぁ~…。」
ホクト(でも、4戦4勝…ましてやGIレースを勝ったウマ娘に互角の戦いが出来たなら…私もトリプルティアラで……。)
「2人ともお疲れ様。
良い走りだった…そして、2人には同じ事を伝言として伝えた。」
テン「やはり…そうでしたか。」
ホクト「何となくそんな気はしてたねぇ~…。」
「2人にある不安な要素はよく分かった。
……裏を返せば、テンは今の体を馴染ませて走れば更に速くなる。
ホクトは芝コースに慣れれば…芝もダートも走れる二刀流になれる。
俺としては、無限の可能性があると思っている。」
ホクト「……無限の……。」
テン「可能性……。」
「……プレッシャーになっちゃったかな?」
ホクト「ううん、そう言って貰えるともっと頑張れるよ。」
テン「はい、トレーナー様のお心遣いに痛み入ります。」
ホクト「…よーしっ、そうと決まれば、もう一本走るよ~!」
テン「次も私が先着してみせます。」
ホクト「ふっふっふ~…そいつはどうかな……ってね~♪」
「さぁ、もう一本走るよ!」
テン「…はい!」
ホクト「おーっ!」
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