テン「……ふぅ…。」
「お疲れ様、テン…大丈夫か?」
テン「トレーナー様、ご心配おかけして申し訳ありません。
私は大丈夫です、何も問題ありません。」
「そうか、でも今の走りで気になったところが───」
シュヴァル「………………。」
じっと2人を眺めるシュヴァル…そこに、ホクトが腕を組みながら頷いて歩いてきた。
ホクト「ぼんやり眺めて如何したね、夢見るウマ娘ちゃんよ。」
シュヴァル「うわあぁっ!?」
ホクト「そんなに驚くかれるとは……すまぬすまぬ。」
シュヴァル「あ、い、いえ……どちらかと言うと…ホクトさんも、そんなクサいセリフ言うんだなって思って…。」
ホクト「……あんだぁ…???」
シュヴァル「い、痛い痛いです~…っ!」
騒いでる2人をみて、呆れ顔をしながらトレーナーが近づいてきた。
「こらこら、そこは何をしてるのさ。」
ホクト「え~ん、トレく~ん、シュヴァヴァにディスられた~……。」
「何だ、いつもの事じゃないか。」
ホクト「あんだァ……?…お前もかぁ~!」
「痛い痛いって!!」
テン「…………くすっ。」
シュヴァル「……………………。」
…………………………………………
シュヴァル「あ、あのっ……テンさん…!」
テン「…シュヴァルさん…如何なさいましたか?」
シュヴァル「……あ、の……えっと……。」
テン「……くすっ…2人で話せる場所に移りましょうか。」
シュヴァル「……は、はい……。」
【三女神像前】
テン「ここなら大丈夫でしょう。」
シュヴァル「……す、すいません…気を使ってもらって……。」
テン「何か、重要なお話とお見受けしましたので……。」
シュヴァル「……えっと、純粋な疑問なんです、けど……。」
テン「はい。」
シュヴァル「テンさんって…トレーナーさんの事…どう、思っているんですか…?」
テン「……どう…です、か。」
シュヴァル「……はい。」
テン「居なくてはならないかけがえのない人…ですかね。」
シュヴァル「で、でも……っ!
初めて会った時はそんな印象なかったはずですし、もし他のトレーナーさんの担当ウマ娘になってたら同じこと思うのかなって……!!
……あっ……ご、ごめんなさい……まくし立てるように喋って……っ!」
テン「……そうですね、最初は…こんな私を気にかけるなんて…と思ってました。
あまり、これといった印象は無かった……というのは、事実かもしれません。
ですが…長い時間あの方と接して分かったのは…。
ただただ優しく……そして真っ直ぐに私達のことを見てくれる。
そう分かったのです。」
シュヴァル「…………そう、ですか……。」
テン「……ふふっ、その様子はトレーナー様絡みの相談…という事ですね?」
シュヴァル「あ、え、えっと…………はい。」
テン「お力になれるか分かりませんが…私で良ければお聞きしますよ。」
シュヴァル「……その…変、なんです。」
テン「……変…と言いますと…。」
シュヴァル「アルダンさんがトレーナーさんと一緒に笑いあったり
エースさんが冗談っぽく怒ったり肩組んだり……。
ホクトさんがからかいあったりして…。
そして、何よりも…テンさんとトレーナーさんの仲が凄くいいことに…。
凄いな……って思う自分と…良いなって羨ましくなる自分が居るんです。」
テン「…………なるほど。」
シュヴァル「で、でも……僕にそんな勇気は無いし…それに、そんなことされても…トレーナーさんは喜ばないんじゃないかな…って。」
テン「そんな事ありませんよ、私たちのトレーナー様ですから。」
そう言って、テンは優しく笑いかける。
シュヴァル「……そう、ですかね……。」
テン「……ですが、その想い…その言葉は私ではなく、トレーナー様本人に伝えるべき…そう思います。
大丈夫です、ちゃんと全部聞いてくれます、そこは私が保証致します。」
シュヴァル「……テンさん。」
テン「大丈夫です、貴方は勇気のあるウマ娘です。」
シュヴァル「……わ、分かり……ました……。」
………………………………
【夕方 トレーニングコース】
シュヴァル(あんな風に助言されたけど…うぅ、やっぱり心の準備が…。)
「シュヴァル、どうした?」
シュヴァル「は、はははは、はいっ……!?」
「あはは、ごめん驚かせちゃったね。」
シュヴァル「い、いえ……僕の方こそ…すいません、大きな声出して……。」
「……何か話したい事があるって顔してる。」
シュヴァル「………えっ、そ、それは……っ。」
「よ、っと……ゆっくり聞くよ。」
俺は芝生に座り込んで、大きく伸びをした。
シュヴァル「……えっと、その……まず…ありがとうございます。」
「突然どうした?」
シュヴァル「その…僕なんかがクラシック級で頑張れたのは…トレーナーさんのおかげだなって……思って…。
正直、偉大なウマ娘になるとか…GIレースに出るとかなんて…絶対にないって思ってましたから…。」
「それだけシュヴァルにも才能があって努力したからだよ。」
シュヴァル「そ、そんな、僕なんて……っ!」
「─────それにさ。」
すっと立ち上がり、シュヴァルの方を見る。
「偉大なウマ娘になれないって、シュヴァルは言ってるけど…。
一生懸命走って、無事に帰ってきてくれれば、俺は偉大なウマ娘だと思ってるよ。
そりゃ、凄い功績を残すとか、そういうのも大事だけど…。
無事に目の前に帰ってきてくれれば、俺はそれだけでも十分嬉しいさ。
もちろん、シュヴァルの憧れや目指す物は分かった上で、だけどな?
少なくとも、俺はそう思っているよ。」
シュヴァル「……トレーナーさん……僕なんて……まだまだで…。」
「なーに言ってんの、去年1年見てきたんだぞ?その頑張った姿は今でもハッキリ覚えてるって。」
混じり気のない言葉に、シュヴァルの顔は赤くなる。
シュヴァル「……そ、その…それとは別に…ここからが…本題……で。」
「うん、聞かせて?」
シュヴァル「………………すぅ…………。(大丈夫…言える…大丈夫……。)」
大きく深呼吸をして、息を整えるシュヴァル。
シュヴァル「僕……も、もっと……シニア級では、勝ちます。」
シュヴァル「だって……僕は…僕は……トレーナーさんの事が…」
「……シュヴァル?」
顔を赤くし、直前で口を紡ぐシュヴァル。
シュヴァル「……この言葉の続きは……GIレースを勝った時に…言わせて、ください。」
「…………あ、あぁ…分かった。」
何となく内容を察してはいたが……深くは追求しなかったトレーナーだった。
【寮】
シュヴァル「……トレーナーさんに、告白しそうになっちゃった…//////」
ヴィブロス「えぇ~~~~~~~っ!?!?!?!?♪」
ヴィルシーナ「…………………………(バタッ)」
ヴィブロス「うわぁっ!!お姉ちゃんが倒れた~っ!!
というか、これはショックによる物なの!?それともシュヴァちの成長が嬉しくてなった物なの!?」
シュヴァル「……うぅ……///」
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