【フラワーカップ当日】
観客A「なぁ、今日のレース誰に期待してる?」
観客B「んー、俺はホクトベガかなぁ。」
観客A「でも…今まで走った3戦全部ダートレースだったよな?
いきなり芝レース…しかもGIIIって荷が重いんじゃ…。」
観客B「だけどさ、見てると…思っちまうんだよな。」
観客B「─────あの一等星のような目の輝きに期待せずには居られない…って。」
……………………………………
【控え室】
ホクト「……すぅ…はぁ…。」
エース「…(やっぱり初の芝レースに挑戦ってなるとこいつも口数が少なくなるか…)」
ホクト「シュヴァヴァ~、肩揉んで~。」
シュヴァル「えっ、あっ…はい。」
エース「いや、いつも通りかよ!…まぁ、それでいいんだけどよ。」
テン「シュヴァルさん、やらなくて良いですよ……ここは私が。」
ホクト「ねえねえ、テンテンさんや?なにやらボキボキと音がするのだが???」
テン「じっくりと…揉みほぐしてあげます。」
ホクト「助けてトレくん!!!何か生命の危機を感じる!!」
「えーっと、アル…今日のレース情報は?」
ホクト「無視!?そういうプレイ!!??」
エース「なんかクラシックレース9着になりそうな感じだな。」
アルダン「はい、ホクトさんは僅差ではありますが2番人気となっております。」
「……との事だ、ホクト?」
ホクト「初芝…しかもGIIIなら上々でしょ~。
今日もズビャッと良い位置取ってスパパパーンッと勝っちゃうから!」
シュヴァル「……え、と…テンさん……。」
テン「あまり言葉に意味はありません、感じ取るしかないとしか言い様が。」
シュヴァル「……あっ……はい。」
ホクト「何でそこは腑に落ちた感じの返事をしてんのっ!」
「はいはい、レース始まるよ?」
ホクト「ホクト、行きま~すっ!」
肩をグルグル回しながら鼻息荒く控え室を飛び出すホクト。
エース「……大丈夫かぁ?」
アルダン「気負い過ぎなければいいのですが……。」
テン「……。」
【控え室前】
ホクト「…………ふぅ。」
おちゃらけてた表情から一変。
まるで獲物を見つけたかのような目付きになるホクトベガ。
ホクト「─────さぁ、行くよ。」
グッと拳を握り、そのままホクトベガはレース場へと向かった。
実況「こちらも白熱したレースが繰り広げられるトリプル・ティアラトライアルレース!本日はGIIIフラワーカップの開催です。
注目は、2番人気ではありますが、初の芝レースとなるホクトベガでしょうか。」
ホクト「…………すぅ……。」
「……凄いな、ここからでもアイツの気合いがひしひしと伝わってくる。」
テン「…あの方の芯の強さは……本物ですから。」
ホクト「…………ここが、私の本当の始まり…!」
実況「今スタートしました!
各ウマ娘、揃った綺麗なスタートで第1コーナーへと向かっていきます!」
ホクト「……5番手…うん……良い……この位置。」
エース「5番手か。」
アルダン「内に包まれていますが─────」
シュヴァル「でも、あの目…前を絶対に抜かすって目をしています…。」
テン「……。」
ホクト(私の持ち味は…塞がれてても抜け出せるパワー…それを…。
今、ここで……全開させる!)
実況「第3コーナーを回るウマ娘達!……おおっと!!ホクトベガが内から上がっていくぞ!?」
出走ウマ娘A(っ……こんな狭いコースを…っ!?)
出走ウマ娘B(パワーが…違いすぎる……っ!)
実況「3番手から抜け出しを図るホクトベガ!
しかし、後続も殺到してるぞ!!このまま押し切れるか!!」
ホクト「…………クラシックの……。」
テン「……!」
ホクト「─────クラシックの主役はここにも居る!!
テンポイント、貴方には負けないから!!」
実況「押し切った、ホクトベガ、1着でゴーーーールインッ!!!
トリプル・ティアラ路線にまた1人主役候補が名乗り出ました!!!!」
観客「わぁああああぁーーーーーー〜っ!!!!」
ホクト「…………っし!!!!」
「……宣戦布告されたな、テン。」
テン「……はい……ですが……。」
テン「…………それでこそ、ライバルであり…大事なパートナーです。」
【控え室】
テン「お疲れ様です、ホクト」
飲み物とタオルを手に、ホクトベガに近づくテンポイント。
ホクト「……おっ?……おぉ???」
突然の出来事に身構えるホクト。
テン「素晴らしい走りをした貴方の事を労ってるだけですよ。」
ホクト「……ねぇねぇ、トレくん。」
「(なんか嫌な予感がするけど…)……なんでっか。」
ホクト「もう少し素直なら可愛げがあるのに─────」
そう言いかけたホクトの元に……。
─────ボフッ!
タオルが投げ込まれた。
テン「いいから早く拭いてください!」
ホクト「お、鬼嫁だ~……っ!」
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