瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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第126レース~春の想い(シュヴァルグラン)~

 

【トレーニングコース】

 

 

ホクト「─────はあぁああああっ!!

テン「流石です……ですが…っ!

─────ふっ!!!!

 

シュヴァル「…………。(凄いな…2人とも…まだまだ速くなっちゃいそう…)」

エース「おう、どうしたんだ、シュヴァル?」

シュヴァル「……エースさん。」

エース「隣、座るぜ。」

シュヴァル「あ、は、はい……。」

エース「……気になるのか?あの2人の事が。」

 

シュヴァル「………………。」

その質問に、シュヴァルは頷くことも首を横にする事もなかった。

 

シュヴァル「……その…僕も強くなれてるのかな……って。」

エース「不安か?」

シュヴァル「……正直に言うと…不安、です。」

エース「……よっ、と。」

立ち上がり、腕を組んでコースを見つめるエース。

 

エース「不安になる気持ち、分かるぜ。

トレーナーにも言い難いしよ。

それに…チームメンバーやライバルの影響が大きく関わってくるのも…分かる。」

シュヴァル「……エースさん。」

 

エース「まっ、そう言われても難しいよな!

……でも、みんな強くなってるはずだ、少なくとも私はそう思ってる。」

シュヴァル「……ぼ、僕…頑張ります…っ!」

エース「ははっ、おう!」

シュヴァル(でも…足取り軽いし…ちょ、調子は…良いと思うし…

エースさんの言う通り…僕も…ちょっとは成長できてるの…かな……。)

 

 

高い持久力、そして…強靭な粘り腰

それはシュヴァルにしかない絶対的な武器だよ。」

シュヴァル「と、トレーナーさん……っ!」

「ごめんね、エースとの会話が聞こえちゃってね。」

 

シュヴァル「…最初の頃は…そんな事ない…そんな事あるわけないって…思ってたんです。

でも…少しずつ…信じろ…信じろって自分に言い聞かせて…。」

「走り出したら…変化に気付いた…そうだね?」

 

シュヴァル「……はい。

息が、前よりもっとあがりにくくなって……。

最後、もう1歩…もう1m…粘れるようになってて……。」

「あぁ、それだけシュヴァルは強くなってるってことだよ……でも。」

シュヴァル「……でも?」

「まだまだ強くなる、俺はそう思ってる。」

シュヴァル「……っ……!

は、はいっ…!

ですので……どうか、本番までもっと…鍛えてください、トレーナーさん…!」

 

 

 

 

 

 

………………………………………………

 

 

【阪神大賞典 当日】

 

実況「さあ、いよいよ始まります''阪神大賞典''

まずはパドックをご覧ください。」

シュヴァル「…すーぅ……ふーーー。

……………………よし。」

 

実況「─さぁ、続いてパドックに姿を現したのはシュヴァルグランです。」

ホクト「何か顔つき良いねぇ~。」

アルダン「ええ、とてもリラックスした表情かと。」

エース「……大丈夫だ、シュヴァル。」

 

シュヴァル「…っ、今日は…!

その、よ、よろしく────」

テン「……失礼します、トレーナー様。」

「───え?」

 

テン「──頑張ってください、シュヴァルさん!!

チームメンバー「「「「……!」」」」

テンポイントらしからぬ大声に、横にいた皆は目を丸くしていた。

 

シュヴァル「……!!」

テン「貴方なら大丈夫です!自信を持ってください!」

シュヴァル「……っ…………は、はいっ!!」

テン「…お見苦し姿を失礼しました、トレーナー様。」

「はは、俺の見せ場無くなっちゃったな。」

テン「思わず、声をかけずには…居られずに…。」

「…だな、それだけ…アイツも成長できてるって事だ。」

 

シュヴァル「…………。(周りの歓声が…テンさんの声が…今はしっかり聞こえてる……こんな事、初めてだ……。)」

「───それにな。」

シュヴァル「……っ……ふーーーーっ…。

シュヴァル「今日は……勝ちます、絶対に…っ!!」

「今のアイツは…偉大だよ、とっても。」

テン「はい、そうですね。」

エース「歓声が多くなったな。」

ホクト「ひたむきに頑張る姿は皆見てるからね~。」

アルダン「……ホクトさんが珍しくいい事を仰ってますね…。」

ホクト「ぬ~~~んっ!?」

 

シュヴァル「……ここで…ううん、ここから僕はなるんだ…。

偉大なウマ娘に…!」

 

 

────────────────────

 

 

【レース終盤】

 

実況「抜け出したのはシュヴァルグランだ!シュヴァルグランがリードを広げた!

シュヴァルグランだ!先頭はシュヴァルグラン!!

今1着で、ゴーーーーーーールインっ!!!」

 

観客「わぁあああああぁーーーーーっ!!

 

実況「天皇賞・春に向けて視界良好!

シュヴァルグラン、見事な勝利です!!

今年のシニア級ステイヤーに名乗り出るのか!!」

 

シュヴァル「はっ……はっ…はっ─────

……ぁ…勝、った……?

僕……僕が、本当に────」

「おめ─────」

テン「おめでとうごさいます、シュヴァルさん!

「……ぬぅ…。」

 

シュヴァル「……テンさん、トレーナーさん…みんな……。」

勝利を噛み締めるように…シュヴァルは深く、ゆっくりと、頭を下げた。

 

 

 

控え室に戻ったシュヴァル。

レースのほとぼりが冷めないまま、次走について話そうとした時────

 

 

???「シュヴァち~~~~~~っ!!!♪」

勢いよく扉が開かれて''何か'が目の前を横切った。

 

シュヴァル「ヴィ、ヴィブロス……っ!?」

勢いよく抱き着いたのは、シュヴァルの妹であるヴィブロスだった。

 

ヴィブロス「シュヴァち、すっごく強かったよ~っ!♪」

ヴィルシーナ「えぇ、本当に…素晴らしい走りだったわよ、シュヴァル。」

シュヴァル「……姉さんまで…。」

 

こちらに向かい、頭を下げるヴィルシーナ。

どうやら、2人もレースを見に来ていたようだ。

 

ヴィブロス「えへへ~、パパとママ用に写真もいっぱい撮っちゃった~♪」

「……大袈裟だって…まだ…GIIレースだし…。」

ヴィルシーナ「大袈裟なんかじゃないわよ、シュヴァル。

……ここにいる全員、心の底からそう思ってるわ。」

 

エース「あぁ……だなっ。」

アルダン「はい、間違いありません。」

テン「心震えました。」

ホクト「やっぱチームメンバーが勝つのは気持ちがいいからねぇ~。」

 

ヴィルシーナ「……良いチームメンバーに出会えたわね、シュヴァル。」

シュヴァル「……うん……僕も、そう思う……。」

ヴィルシーナ「トレーナーさん。」

「……俺か?」

ヴィルシーナ「シュヴァルを、妹を立派にしてくれてありがとうございます。

……願わくば…更に上の世界を…見せてあげてください。」

「……あぁ、約束するよ。」

 

シュヴァル(まだ見た事の無い世界…見た事の無い景色…トレーナーさんとなら……目指していける……ううん、、目指すんだ……絶対に……!)




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