瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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ほう、フラッシュとタルマエの水着姿ですか……。


第128レース~目指す先~

【トレーニングコース】

 

「よし、今日のトレーニングは終了!」

 

シュヴァル「は、はいぃ……。」

ホクト「ぢがれだ~~~~………………。」

エース「ほらほら、そんな所に倒れ込むなって。」

 

「そうだよ、ちゃんとアイシングするとかしなきゃ。」

アルダン「ふふっ、その前にシャワーですかね。」

シュヴァル「そ、そうします……。」

ホクト「誰かおぶって~……。」

 

「はいはい、ちゃんと自分の足で歩こうな。」

テン「…………………………。」

 

 

 

 

 

………………………………………………。

 

【夜 トレーニングコース】

 

「……ふう。」

書類作業も終わり、アルダンと別れて1人夜のトレーニングコースにやってきた。

まだ自主練をしてるウマ娘達が走る中、じっとコースを眺める。

 

(もうすぐGIレースが始まる……頑張らないとな…。)

その時、後ろから足音がした。

 

テン「……トレーナー様。」

「やぁ、テン……散歩かい?」

テン「……はい、そんなところです。」

 

隣に立ち、2人でコースを眺める。

ふと、会った頃の事を思い出してクスッと笑うとテンポイントがこちらを眺めた。

 

テン「……ここまであっという間でしたね。」

「あぁ、色んなことがあったな。」

テン「えぇ……ですが、その紆余曲折を乗り越えて…私はクラシックレースへと挑む事が出来ます。」

 

その時、テンポイントがこちらを向いて頭を下げた。

テン「ありがとうございます、トレーナー様。

…デビュー前の私では想像もできなかった世界が…今、目の前に広がっています。」

「俺は何も.……テンの努力の証拠に他ならないだけだよ。」

 

テン「……お変わり無いのですね、今も昔も。」

「そうかな?……まぁ、俺は何も─────」

テン「……私、あの時よりも前から…トレーナー様の事をお見かけしてたんですよ。」

「……えっ、そうなの……っ!?」

テン「えぇ、例えば─────」

 

 

 

 

 

【メジロアルダン 日本ダービー後】

 

【……ラモーヌも不器用だな。】

ラモーヌ「【愛しの子に伝える手立てがそれしかなかっただけよ。

……後は当事者と貴方が決めることよ。】

 

【……ありがとう、ラモーヌ。俺は勝たせたい、アルダンを】

ラモーヌ【えぇ、期待しているわ。】

 

 

テン(……あれは…メジロ家の至宝とまで言われた……メジロラモーヌさん。

そして、あのトレーナーは…新人の方、でしょうか…何でしょう、この表現しにくい興味は……)

 

 

 

 

 

テン「……ふふっ、あの時は同室のあの子(ホクトベガ)と話せず落ち着かなくて夜のコースを散歩しに行く毎日でしたが思わぬ遭遇をしたと思ってました。」

「そんなことが……。」

 

テン「あの頃から、私はトレーナー様の事を目で追っていたのかもしれませんね。」

クスッと微笑みながら、テンポイントが左手の人差し指を夜空に掲げた。

 

「……なんか恥ずかしいな。」

テン「そうですね、私も同じ気持ちです…ですが、それと同時に…嬉しくも思います。」

「それは良かったよ。」

テン「……なので、そんな今だからこそ、トレーナー様にお聞きしたい事があります。」

 

微笑んでた表情から一転、テンポイントが真剣な表情に変わる。

 

 

 

テン「────トレーナー様の夢は何ですか?

「……えっ?」

テン「もう一度聞きます、トレーナー様の夢は何ですか?

「…………みんなが無事に帰ってきてくれればそれで俺は───」

テン「……隠してます、よね。」

「…………っ。」

 

テン「お願いします、言ってください……私は、ずっと心残りだったんです。

トレーナー様が…自分の夢を1回も口にした事が無いことがどうしても気になってしまって。」

頭を下げるテンポイント。

その姿を見て、俺は眉をひそめながら目を逸らした。

 

 

テン「…………………………。」

「…………はぁ……分かったよ。」

 

 

自主練を終えたウマ娘達が引き上げる中…俺は斜面に腰をかけた。

「……俺、どうしても勝ちたいレースがあるんだ。」

テン「……GIレース……ですか?」

俺と同じく、斜面に座る込むテンポイント。

そして投げかけられた質問に対して俺は首を縦に振った。

 

テン「……東京優駿(日本ダービー)…ですか?

あのレースはウマ娘もトレーナーも大きな目標として目指すレースですし──」

「─────有マ記念。」

テン「………………。」

 

「去年、エースが2着だった…まぁ、負かされた相手があの皇帝だから大健闘ではあるけどな。」

テン「……どうして、そのレースが夢なのでしょうか…?」

 

「……俺がトレセン学園にトレーナーを目指すきっかけになったレースでもあったから。」

テン「……詳しく、お聞かせください。」

「テンも強情な時があるな……ま、ここまで来たらいいけどさ。」

 

 

 

 

「……その昔、''神のウマ娘''とまで称されるウマ娘が居たんだ。

たまたまさ、そのレースを見に行ってたんだよ。

結果はもちろん1着…だったんだけどさ。」

テン「……けど、ですか?」

 

「─────消えたんだよ、最終直線向いた時に。」

テン「……消えた?」

「正確には、バ群から1人離れて外埒いっぱいを回って勝った…だけどな。

俺、その時に立ってたのがちょうどそのウマ娘が通るコースに1番近いフェンスに居てさ。

駆け抜けた時の一陣の風…力強すぎる目……その全てに心を掴まれた。」

 

テン「……そんなご経験が……ですが、何故その夢を口にする事が無かったのですか…?」

「もちろん、勝ちたい気持ちは今でも変わらない、それは事実だ。

……でも、それと同時に…それは俺のエゴでもある。

いずれ担当するウマ娘にその夢を強要させてちゃいけない…

それに、無事是名バって言葉もあるくらいだしな…だから俺は無事を最優先にした……それだけだよ。」

 

一通り話し終えた俺は立ち上がった。

「さっ、俺の昔話はおしまい。

門限もあるし、帰るよ。」

 

与太話が過ぎたな。と感じながらその場を歩き始めようとした時だった。

テン「─────トレーナー様!」

テンポイントの声が響いた。

 

「……テン?」

テン「……トレーナー様の想い…充分伝わりました。

まだ、クラシックレースも始まってませんが…必ずGIレースを…

そして、トレーナー様の夢でもある…グランプリレース…有マ記念を…獲ります。

お約束します、天命にかけてでも……!」

 

「……ありがとな、でも…チームのみんなには内緒な。」

テン「……はい、承知しました。」

 

 

(……参ったな、もう諦めかけてた夢だったのに…あんなに真っ直ぐ見られたら……どこか期待しちゃう自分が居るじゃねぇか……)

テン(……トレーナー様への恩返し……私は……必ず…成し遂げてみせる…っ。)




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