瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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仕事で嫌なことあった日は執筆に限る


第131レース~貴方の想いと~

【明け方】

 

 

実況【しかし、突き放す!!1番人気の底力を見せつける!

2番手のユキノビジンも届きそうもない!

1番人気に応えて、8番が今1着でゴーーーールインッ!!!!】

 

ホクト「─────っ!!!!!」

ホクト「…………はぁ……はぁ……っ……夢……っ?」

 

魘されるように飛び起きたホクトベガ。

見慣れた部屋の景色に安堵したのも束の間……。

 

ホクト「…………あれ……私……泣いてる……っ?」

自分の頬を伝う涙を一生懸命拭うも……涙が止まらなかった。

 

ホクト「…………そっか……負けちゃったんだよね…私……。

……悔しいなぁ……っ……うぅっ……っ……!」

テン「…………………………。」

 

その様子に気付いたテンポイントだったが……声をかける事無く寝返りをうった。

テン(……ホクトベガ……貴方の想いは……必ず……。)

 

 

 

 

────────────────────

 

 

 

【翌朝】

 

テン「おはようございます、ホクトベガ。」

ホクト「やーやー、おはようテンテン!♪」

 

明け方の弱気な姿を微塵も見せずにいつも通りに振る舞うホクトベガ。

テン(……何処までも芯の強い方なんですね……貴方は…。)

その様子に慈しむ様に笑いかけるテンポイント。

テン「朝から元気なのは良い事ですが…早く着替えないと遅刻しますよ。」

ホクト「わ、分かってるわい!」

 

テン「……仕方ありませんね、髪の毛整えてあげます。」

ホクト「……ど、どったの?そんな事今までしたこと無かったのに…。」

テン「……ふふっ、そうですね……気まぐれということにしておきましょう。」

ホクト「……変なテンテン~。」

 

そうは言いつつも嬉しそうにテンポイントに向かって体を預けるホクトベガだった。

 

 

 

 

 

 

────────────────────

 

 

 

 

 

【その日の夜】

 

テン「………………………………。」

「あんまり長居すると体冷えちゃうぞ。」

テン「……トレーナー様。」

 

皐月賞前日……。

落ち着かないのか、テンポイントはトレーニングコースに居た。

 

「明日のレースに支障が出ない程度で戻れよ?」

テン「……はい。」

大事そうに左手を右手で包み込むテンポイント。

 

テン「……今日の明け方…泣いてたんです…彼女(ホクトベガ)が……。」

「……そうだったのか…日中はそんな様子微塵も見せなかったのに…。」

テン「とても……とても、悔しかったんだと…思います。」

「その姿を見て……''君はどう感じた''?」

 

その問いに、テンポイントは真っ直ぐトレーナーの目を見た。

テン「トレーナー様のためにも…彼女(ホクトベガ)の為にも……私は…。

勝ちます、''皐月賞''を……!」

その目は不退転の覚悟と、絶対に勝つという決意の表れが体から溢れ出ていた。

 

「…あぁ、君なら勝てる……だから、胸を張って…明日のレースに望んでくれ。」

テン「……はい、ありがとうございます……トレーナー様。」

お辞儀をし、テンポイントはその場から立ち去った。

 

(………………色んな人の願いや想いを背負って……君は何処までも走るんだな。)

空を見上げると、2つの星が輝いていた。

 

 

 

 

………………………………………………

 

 

 

【皐月賞当日】

 

シュヴァル「や、やっぱり観客の数が凄いですね……。」

エース「そりゃファンの間ではT(テンポイント)T(トウショウボーイ)対決だって期待してるからな。」

アルダン「トウショウボーイさんも3戦3勝で無敗同士の対決……現在の人気はテンさんの方が上のようですね。」

 

テン「………………すぅ……。」

ホクト「…………………………。」

 

テン「……お待たせしました、準備完了でございます。」

「あぁ、気合いは十分……だが、一生に一度のクラシックレースだ…

気負うな…って言うのは少し難しいだろう…とにかく全力を尽くしてくれテン。」

 

テン「……はい、必ずや勝利を……。」

その時、ホクトベガの方を向くテンポイント。

ホクト「…………ぁ……っ……。」

テン「……心配しないでください、貴方想いもしっかり伝わってますから。」

ホクト「…………っ……。」

何も言わずにただ俯くホクトベガ。

 

テン「では、行って参ります。」

エース「おうっ、頑張れよ!」

シュヴァル「ス、スタンドから大きな声で応援します……っ!」

アルダン「どうかご無事に……。」

 

 

 

……………………………………………………

 

 

実況「良バ場の中山レース場では明けクラシック級の精鋭15人がゲートが開くのを今や遅しと待ちます。

1番人気は5連勝ウマ娘テンポイント。

2番人気は3連勝ウマ娘のトウショウボーイ。

その2人に割り込むウマ娘は果たして現れるのでしょうか。

クラシック三冠の第1戦皐月賞間もなくスタートです。」

 

 

テン「…………大丈夫……大丈夫……。」

トウショウボーイ「……さぁ……血湧き肉躍る戦いの始まりだ……ッ!!」

 

 

 

─────ガッコン!

 

 

実況「スタートしました!第36回皐月賞!

早くもハナに立つのは11番、しかしダッシュ良くトウショウボーイも上がってきました。

負けじと8番も前へと上がってまいりました。」

 

テン(……大丈夫……逃げだけが…全てじゃない……っ。)

シュヴァル「テンさん……っ!!!」

エース「いけぇ!やっつけちまえ!!」

アルダン「……中団の作戦ですか。」

 

ホクト「……テンポイント……。」

実況「さあ、先頭は変わりまして快速飛ばして8番が逃げています。

トウショウボーイは現在3番手、テンポイントは5~6番手といったあたりか。」

 

出走ウマ娘A「T・T対決だか無敗対決だか知らないけど、簡単に負けるつもりは無い……っ!」

トウショウボーイ「……くくっ……良い…それでこその戦よのぉっ!」

テン(……来る……っ!)

 

 

実況「さぁ、先頭のリードが無くなってまいりました!

トウショウボーイ「……いざ……参らんっ!!!」

テン「……見逃しません、そこですっ!!!」

 

実況「さぁ、直線に向いた!残り308m!

先頭に迫るのはトウショウボーイか!その後をテンポイントもジリジリと忍び寄る!」

 

トウショウボーイ「来たな……それでこその好敵手よ!!!」

テン「負けません、負けられない理由があるんです!!」

 

 

 

トウショウボーイ「……甘いっ!!!」

実況「抜け出したか、トウショウボーイ!リードが広がっていく!!

伸びないのか、ここまでなのか、テンポイント!!」

 

 

 

 

 

テン「……ぐぅ……っ……!!」

ホクト【…悔しいなぁ……っ……うぅっ……っ……!】

テン「……行かせ、ない……っ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

輝く奔星のスペクトル

 

 

 

 

 

輝く奔星のスペクトル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

超巨星【アルカイド・コルネフォロス】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

超巨星【アルカイド・コルネフォロス】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テン「負けて……たまるかぁあああああっ!!!!

トウショウボーイ「……!!」

シュヴァル「……!」

エース「なっ……!」

アルダン「これは……」

ホクト「テン……っ!」

「………………。」

驚くメンバーを他所に……トレーナーは静かに目を閉じた。

 

 

 

テン「……ぐぅっ……!!」

トウショウボーイ「面白い、面白いぞ……っ!!

……やはりお前は……何度も倒したくなる…っ!!」

 

 

 

 

実況「先頭はトウショウボーイ!!トウショウボーイ1着でゴールイン!!

無敗のT・T対決を制したのはトウショウボーイ!!5バ身差の圧勝です!」

 

観客【わぁああああああぁ─────っ!!!

 

 

 

 

 

 

 

テン「はぁっ、はぁっ、はぁっ………かはっ……………!!!!!!」

死力を尽くし、目を見開いて大きく肩で息をするテンポイント。

 

 

トウショウボーイ「……………………。」

その眼前に、勝者は現れた。

 

 

テン「……………………っ…………!!!」

喰らいつくさんとばかりに睨みつけるテンポイント。

 

 

トウショウボーイ「─────次も……勝つ!

テン「………………!!!」

 

その一言を残し、トウショウボーイは高らかと拳を突き上げた。

 

 

テン「…っ……………ぁあああぁっ!!!!!

悲鳴にも近い叫びがレース場に響くのであった……。




※史実だと東京競馬場での皐月賞でしたが中山競馬場になっております

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