瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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新ガチャは一体……っ!?


第132レース~星々は願いを馳せて~

【トレーナー室】

 

 

テン「…………………………。」

ホクト「……………………。」

 

エース(流石の2人もあの敗戦は応えたようだな……いつも馬鹿みたいに騒がしいホクトもずっと俯いたままだしよ……。)

シュヴァル(何か言いたい……けど、今度は僕のレースも控えている…し……。)

アルダン(トレーナーさんは……特に何か言う事も無さそうですね…。)

 

テン「……すいません、少し走ってきます。」

ホクト「………………。」

「……あぁ、分かった。」

シュヴァル「えっ、で、でも……っ。」

テン「ご心配なさらずに……無理はしません…少し、頭を冷やして来るだけです…。」

そう言い残すと、テンポイントは静かにトレーナー室を後にした。

 

ホクト「……ごめん、私も……少し外の空気吸ってくる…。」

アルダン「……あっ……ホクトさん……。」

とぼとぼと、テンポイントの後を追うようにホクトベガもトレーナー室を出ていってしまった。

 

残されたトレーナーとジュピターチームの3人が話を始める。

エース「なぁ……大丈夫なのかよ?」

シュヴァル「ここ数日……ずっとあの調子です…。」

アルダン「敗戦によるショック…痛いほど分かります……しかし…。」

「……みんなの言いたい気持ちは、よく分かるよ。」

じっと3人を見つめ、訥々と話し始めるトレーナー。

 

「……でも、それ以上に…あの2人が自分のため、チーム(ジュピター)のため、そして……お互いのために勝ちたいって気持ちを…俺は汲んでやりたい。」

……それでも、何かトレーナーとして言うべき事はある……と、喉まで出かかったが言葉を飲み込んだ。

 

「……でも、あの2人は自分達でその事実と次どうするのかを考えていると思う……どう向き合うかは……自分達次第……だ。」

アルダン「……信じてるのですね、あの2人の事を。」

「テンやホクトだけじゃない…みんなの事を信じてるから。

そんなやわなハートの持ち主じゃないってことくらい……な。」

 

エース「でもよぉ……このままだと2人ともクラシック第2戦の東京優駿(日本ダービー)優駿牝馬(オークス)に出るんだろ?

あんまり時間無い様にも思えるんだけどよ……。」

「……そうだね、時間は……無い。」

シュヴァル「じゃ、じゃあ……。」

「でも、きっと答えは直ぐに出ると思うよ……俺はそう信じてる。」

アルダン「……トレーナーさん……。」

「悔しい思いをした分だけ、泥臭く立ち上がって、何度でも前に進んでくれるはずだ

アルもエースも、シュヴァルも……そうやって今日まで走り抜いてきたじゃんか。」

 

アルダン「……えぇ、そうですね。」

エース「……まっ、何時でも相談に乗ってやるぜ、チームメイト、だしな。」

シュヴァル「……僕も、2人の気持ちに感化出来る走りを……します……っ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………………………

 

 

【トレーニングコース】

 

 

ホクト(はぁ……何やってんだろ、私……。)

ホクト(走る気力も、食欲もあんまり無いな……最後にぐっすり寝れたの…何時だっけな……。)

 

 

ホクト「……はぁ………………。」

ホクト(結局…テンにも、言葉をかけたりかけられたりしてないな……まぁ、無理もないよね……テンだって悔しい負け方……しちゃったもんね。)

 

 

テン「……………………。」

ホクト「………………あっ……(やばっ、テン居たんだ……。)」

テン「…………。」

ホクト「…………ごめん、場所変えるね……。」

テン「……待ってください。」

ホクト「………………っ。」

テン「……少し、お話をしませんか?」

ホクト「……………………うん。」

 

2人が横に並び、静かにトレーニングコースを見つめる。

先に口を開いたのは─────。

 

テン「……まず……謝らなければいけない事があります。」

ホクト「………………。」

テン「桜花賞の後……貴方が寮で泣いてる所を…寝たフリをして聞いてしまいました。」

ホクト「………………そ、っか……。」

テン「……その、様子を見て……私が背中を押したい…貴方の気持ちも走りに乗せて勝ちたい…その一心で皐月賞に臨みました。」

言い終わると、テンポイントは俯いた。

 

テン「……ですが…すいません、貴方との約束……果たせませんでした。」

ホクト「……テン……。」

テン「……言い訳は出来ません、私は……弱かった……それが2着という結果に繋がった……。」

ホクト「それを言ったら……私だって……。」

テン「……似ていますね……私たち…どこまでも。」

ホクト「…………………………。」

 

テン「……ですが…負けっぱなしは……嫌です、私は勝った姿を…届けたいんです。

トレーナー様にも……''ホクトベガ…貴方にも''

ホクト「……テンポイント……。」

テン「……それに、今だから言えるんです…貴方が言ってくれたあの言葉…凄く嬉しかったんです。」

ホクト「……あの言葉……?」

 

テン「─────私が一等星になって、テンポイント…貴方がその近くを走る流れ星みたいな存在になる

ホクト「………………ぁ……。」

テン「今まで1人で……そんな大事なパートナーが出来るなんて……思いもしませんでしたから。」

 

そう言って、胸に手を置き……ホクトベガに向かい合うテンポイント。

テン「……だから……下を向くのは…この瞬間までです。

私は……前を向きます…何度だって。

トレーナー様と……貴方が居るから。」

ホクト「……テン……ポイント……。」

 

テン「貴方は……どうしますか?」

ホクト「……………………………………。」

目を閉じ、グッと拳を握るホクトベガ。

 

ホクト「……ズルいよ……いつもそうやって……良いことばっかり言って…。」

テン「……ホクトベガ……。」

ホクト「…………ぁああああああっ!!!

もうっ!!!クヨクヨすんな、私!!……走るよ、テンポイント!!!」

テン「……ふふっ、制服姿ですが……奇遇ですね、私も同じ事を考えてました。」

ホクト「何処までも一緒なんだね、私たち……っ!!!」

 

そう言って、走り出すテンポイントとホクトベガ。

自主トレーニングを行ってたウマ娘達が驚きの表情を浮かべていたが

2人は何処吹く風で─────

 

 

ホクト「……ははっ!何か気持ちいいね、テンポイント!」

テン「えぇ、全くです……!」

笑いながら走っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………………………………………

 

 

 

 

【トレーナー室】

 

 

 

ホクト「………………ごめんなさい!!」

テン「……………………。」

 

トレーナー室に戻った途端、頭を下げるホクトベガ。

そして連鎖するようにテンポイントも静かに頭を下げた。

 

エース「お前ら……。」

シュヴァル「え、と……?」

アルダン「……。」

 

ホクト「正直、弱気になって……走りたくないって思ったりした。

でも……下を向くのは……もうやめた!

私は……頑張る!足掻いて足掻いて………前を走る!

トレくんとチームと……テンポイントのために!」

「………………ホクト。」

 

テン「……私も同じです。

言い訳はしません、正直完敗でした……約束を果たせず、期待を裏切ってしまう結果に自責の念が募るばかりでした。

……ですが、私は1人ではありません……必ず…期待に応えます。

この身命に代えても……必ず……ホクトベガと共に!」

「……テン。」

 

2人の内なる気持ちを聞いて……安堵の息を漏らすトレーナー。

エース「……お、お前ら~っ!」

ホクト「わ、わわっ……!」

テン「……エース……さん……っ?」

 

嬉しくなったのか、エースが2人に飛びつく。

エース「熱くなる言葉言ってくれるじゃねぇか!

そうだよな、負けっぱなしなんか悔しいもんな!やるぞ、2人とも!」

アルダン「ふふっ、ではトレーニングをしましょう。」

 

ホクト「あ、いや……既に済ませたと言うか……。」

シュヴァル「す、済ませた……???」

テン「……すいません、居ても立ってもいられず……制服のまま2人でトレーニングコースを走ってました。」

エース「ははっ!良いぞその意気だぜ!!」

アルダン「なるほど……通りで少し汚れていらっしゃるのですね。」

「2人共なぁ……。」

 

ホクト「えへへ……。」

テン「す、すいません……。」

そう言って謝る2人だが、その顔は晴れやかなものだった。




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