【河川敷】
「ごめんね、買い出しに付き合ってもらっちゃって。」
テン「とんでもございません、トレーナー様の為ならば何時何処でも。」
ガサッと両手に袋を持ち歩く俺とテンポイント。
中身の大半は食料品ではあったが─────
「……ちょっと買いすぎたかな?」
テン「いえ、丁度いいくらいかと……特にお食べになる方が居ますし。」
クスッと笑いながら歩くテンポイント。
どうやら、すっかり元通りになったようだ。
テン「──────────。」
すると、歩いてたテンポイントが突然立ち止まった事に気付いたのは数歩先を歩いたところだった。
「……テン?」
テン「─────いえ、何でもありません。
……行きましょう、トレーナー様。」
何事も無かったかのように、笑うテンポイント。
その様子を見て、同じ方向を見るも…何を見ていたかまでは判明しなかった。
テン「トレーナー様、行きますよ。」
「お、おうっ。」
一片の疑問は残るが、俺たちは再びトレセン学園に向けて歩き始めた。
……………………………………………………
【数日後】
prrrrrrr……。
トレーナーのデスクに置かれた携帯電話が鳴った。
エース「おーい、トレーナー?電話だぞー。」
「んげ、ちょっと待ってね!」
コーヒーを持ってデスクに戻り、急いで電話を耳に当てる。
「─────おう、どうした?……えっ、聞きたいことがある?……あー、なるほど……そうか。」
そのまま、トレーナーは外に席を外してしまった。
エース「あの様子だと知り合いのトレーナーっぽいな。」
アルダン「ふふっ、ドーベルの所のトレーナーさんでしょう。」
シュヴァル「……忙しそう…大丈夫かな?」
ホクト「まー、その内戻って……あ、これ美味し。」
エース「せめて最後まで言ってやれよ……。」
ホクト「……………………。」
そんな和やかな雰囲気の中、テンポイントがティーカップを静かに置いて話を切り出した。
テン「皆さんに聞きたいことがあるのですが。」
ホクト「どしたん急に、あ……体重は増えてないからねっ!?」
シュヴァル「ぼ、ぼぼぼ、僕も増えてませんから……っ!」
エース「……ほぼ自白に近ぇが…多分そんな事じゃなそうだぞ?」
アルダン「ええ、何でもお聞きしてください。」
テン「─────皆さんは、トレセン学園を卒業した後どうするか考えていますか?」
その質問に、んー……とメンバーの声が漏れる。
エース「そりゃ…また急だな。」
アルダン「今後の事……ですか。」
シュヴァル「ぜ、全然考えた事無かったです…。」
ホクト「んー、今が大事だしねぇ~…遠い未来の話は近くなってから考えてもいいんじゃないかな~?」
テン「……やはり、そういう物でしょうか。」
アルダン「その様子ですと、自分なりの考えがあるとお見受けしました。
よろしければ、お聞かせください。」
テン「……そうですね。」
しばらく思案するテンポイント。
そのまま、顎に手を添えて真剣に話しかける。
テン「──端的に言えば、(ピーーーーー)の(ピーーーーー)と考えています。」
メンバー一同「「「「……………………。」」」」
あまりにぶっ飛んだ話に、思わず4人は……固まった。
何とか言葉を出したのは……ホクトベガだった。
ホクト「……ほ、本気かい、ちみぃ……?」
テン「自然な考えだと思いますが。」
とても冗談を言ってるような表情では無かった。
テン「では、皆さんはそんな風に考えた事は無かったと?」
シュヴァル「え、えっと……その……。」
ホクト「まだそんな時期じゃないでしょ、私ら…。」
エース「……そ、そりゃぁよ…トレセン学園を卒業してそういう風になったウマ娘はたくさん居るけどよ……。」
テン「卒業する前も後も誤差です。」
ホクト「……あかん、暴走してる……この娘、掛かってるわ…。」
シュヴァル「……す、すごい……。」
アルダン「ふふっ、これは大変な事になるかもしれませんね。」
ホクト「って!笑ってるけどアルルも同じ事考えてたりするんでしょ!」
アルダン「……さぁ……ふふっ、どうでしょうか?♪」
ホクト「目が!!目が笑ってない!!」
「ふー、コーヒー冷めちゃったかな~……。
……何を騒いでるの?」
エース「ちょ、張本人が来んじゃねーーーーっ!!!!」
顔を赤くしたカツラギエースがティッシュの箱を投げてきた。
「何事ぉっ!?」
必死に躱すトレーナー。
顔を赤くするシュヴァルやエース。
くすくす笑うアルダンと呆れるホクト。
そして、じっとこちらを見るテンポイント。
「………………………………????」
事態が分からないトレーナーはただ首を傾げるだけだった。
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