瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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ウホッ(特に意味は無い)


第134レース~騎士道~

【とある日】

 

 

(うーん、京都レース場に持っていく物はこんなもんかな)

春の天皇賞に向けて買い出しを行って帰る途中……。

 

 

???「失礼、そこの御仁。」

突然、後ろから声をかけられて。

振り向いてみると……。

 

(テン?…………に、よく似たウマ娘か……。)

キリッとした目付きで金髪を結ったウマ娘が居た。

 

???「突然失礼します、こちら……御仁のでしょうか?」

差し出されたのは、男物の財布だった。

 

「えっ?…………うわっ!!」

自分のズボンを物色すると、財布が無いことに気付いた。

 

「あ、ありがとう……!!」

手渡された財布を受け取ると、そのウマ娘は真剣な表情を浮かべたままだった。

 

「……えっと…どうかした?」

???「いえ、私が盗った……などと疑ったりしないのですね。」

なるほど、訳も聞かずに受け取った事に対しての印象…という事だろうか。

 

「君がそんな事するウマ娘には見えないから、目を見れば分かるよ。」

その問いに、金髪のウマ娘はフッと口角を上げた。

 

???「申し遅れました、私…''デュランダル''と申します。

貴方は…トレセン学園のトレーナーさんとお見受けしました。

以後、お見知り置きを。」

ちらっと襟元のバッジを目にしたデュランダルは頭を下げた。

 

「そっか、よろしくね、デュランダル。」

デュラ「……事の経緯ですが……。」

律儀にデュランダルは財布の落とした状況を説明してくれた。

同じ帰り道なので、話しながら歩く事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……じゃあ、俺が買い物してる時に後ろから誰かが盗った……って事か。」

デュラ「はい、その様子を私が目撃しました。」

「でも、俺に直接伝えてくれれば良かったのに……。」

デュラ「───それは、私の騎士道に反します。」

 

 

───騎士道。

その言葉と共に、グッと拳を握るデュランダル。

 

 

デュラ「困ってる民を…悪事を見逃せませんから。」

「それで……その後、どうしたの?」

デュラ「……お聞きになりますか?」

「……う、うん。」

デュラ「簡単なことです、ちょうど清掃活動をしていた方から箒をお借りして撃退しました。」

 

「……げ、撃退……。」

デュラ「最初は威圧して取り返そうと思ったのですが……。

反抗してきたので、四の剣 ディオニュシウスの雷撃で一網打尽です。

その後、ちゃんと警察に突き出しました。」

 

「……え、えっと……。」

色々突っ込みたくなったが……詳しい事は聞かないでおこう。

 

デュラ「……そうですか、貴方が…チームジュピターのトレーナーさんでしたか。」

「知ってるのか?」

デュラ「えぇ、色々と耳に挟みますから。」

「そうか……(チームの存在も…大きくなってきたんだな)」

 

デュラ「まだ私は模擬レースにも参加したことないですが……。

年内にデビューしたいと思ってます。

それまで…自慢の聖剣の如く末脚を磨きたいと思っています。」

 

「……そうか。」

話を聞くと、短距離路線をメインに戦うつもりらしい。

同期のメンバーも短距離路線が多いようだ。

 

 

(……そう言えば、ウチのメンバーに短距離向きのウマ娘は居ないな……。

テンはデビュー戦が短距離だったりはしたが……。)

もしかしたら……と、一瞬考えたが…まだ知り合ったばかりのウマ娘にそんな提案は出来ないと思い、自分の頭の中に留めておいた。

 

「今日のお礼もしたい、だから…どこかでまた会ったらトレーニング見てあげるよ。」

デュラ「ありがとうございます。」

そうこうしてる内に……トレセン学園に着いた。

 

「おっと、もう着いたか……。」

デュラ「あっという間でしたね。」

「今日は本当にありがとうね、それじゃ。」

デュラ「……………………。」

デュランダルが何か言いたげだった様子だが……そのまま会釈してその場を去った。

 

デュラ(…何も言わずに、自分が車道側を歩いたりする紳士的な素振り……。

なよなよしてるかと思ったら…レースに対する話をしたりしてる時の目は勇敢その物……面白いトレーナーですね。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………………………

 

 

【次の日】

 

 

「って事があってな。」

 

エース「……ったく、しっかりしろよ?」

「あはは……面目ない…。」

 

アルダン「そして、まだ模擬レースをしたことが無いウマ娘……。

デュランダルさんと出会ったと……。」

ホクト「あ~、あの子デュランダルって言うんだ~。」

テン「知ってるのですか?」

驚きの表情でテンポイントはホクトベガを見た。

 

ホクト「いや~、後ろ姿でちょいテンテンと似てたから間違えて声掛けちゃった♪」

テン「……全く、何してるのですか……。」

やれやれ……と呆れるテンポイント。

 

テン(ですが…私と似てる…と言うのは少し気になりますね。)

シュヴァル「短距離路線の……ウマ娘……。」

アルダン「確かに、今の私たち(ジュピター)にそのようなウマ娘は居ませんね。」

 

エース「って事は……そういう事か、トレーナー?」

「ま、まだ早いから!!」

ホクト「まだ……って事は?」

「……まぁ……頃合が来れば…スカウトしてみるのはあり……かなって。」

 

テン「ふむ……私はトレーナー様のご意向に従います。」

シュヴァル「もしそうなったら……6人目、ですか……。」

アルダン「ふふっ、賑やかになりすぎて少しこのお部屋では狭くなってしまいますね。」

 

「ま、まだ決まった事じゃ……!」

エース「とか言いつつ…ちょっと期待してるんだろ?」

「うぐ……。」

テン「その熱い想い…きっと伝わりますよ。」

「……だと良いけどなぁ。」




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