【京都レース場】
デュラ「……多くの観衆でいっぱいですね。」
アルダン「はい、名誉あるGIレースですから。」
エース(なぁ、ほんとに連れてきて良かったのかよ?)
(……まぁ、良いんじゃないか?社会勉強と思えば…。)
テン(どこまでもお優しいのですね、トレーナー様。)
ホクト「ほれほれ、デューラン。
おすすめグルメのカレーパン、食べっかい?」
デュラ「かたじけない、いただきます。」
エース「……もう、馴染んでるし。」
ホクト「んー、そこがホクベーちゃんの良さでもあるし?」
テン「……妙に説得力がありますね。」
デュラ「……美味!!」
アルダン「ふふっ、もうすぐシュヴァルさんが出てきますよ。」
ホクト「んぐっ!マジか!」
テン「もう……急いで食べたらつっかえますよ。」
デュラ「……はむ……はむ……。」
エース「こっちはこっちで色々食べてるし……。」
「……おっ、出てきた。」
実況「さぁ、出てきました。
3番人気は8番シュヴァルグラン。」
解説「GIIレースを勝って、勢いが注目されるウマ娘の1人ですね。
ライバルも多いですが、初のGIレース戴冠十分あると思います。」
シュヴァル「…………すぅ……。」
シュヴァル(…キタサンは……2番人気…ううん、人気なんて関係ない…。
今日は…僕こそ……僕こそが先頭でゴールに駆け抜けるんだ…!)
実況「続いて登場したのは、2番人気1番キタサンブラックです!」
解説「去年の菊花賞ウマ娘はシニア級に上がって更に円熟味が増したように見えますね。」
キタサン「─────。」
キタサン(すごい……出走するみんなと…見てくれるお客さんの熱気が……ここまで伝わってくる……。)
シュヴァル(……キタサン、凄く集中してる……僕も……目の前のことに集中するんだ……!)
………………………………………………
実況「絶好の良バ場のコースに彩られ、18人のウマ娘が今か今かとスタートの瞬間を待ちわびます。
GIレース最長距離の3200mの先にあるゴールへ先頭で駆け抜けるのはどのウマ娘か。
天皇賞・春、間もなく発走です!」
キタサン「…………よしっ。」
シュヴァル「…………行くよ……。」
─────ガッコン!
実況「今スタートが切られました!
キタサンブラック、素晴らしいスタートを切りました!」
観客たち「おぉっ!!」
エース「早速ハナに立たれたな。」
テン「まだレースは始まったばかりです、今のシュヴァルさんなら食い下がれるはずです」
シュヴァル(凄い、やっぱり……キタサンは……でも……僕だって…!)
実況「キタサンブラック、17人のウマ娘を引き連れて先頭でレースを進めます。」
キタサン(タイム……どのくらいだろう……っ。)
(12秒台……淡々とラップを刻んでるな……。)
実況「1000m通過タイムは61秒8とゆったりとしたペースでレースが進んでいきます。」
シュヴァル(大丈夫……中団インコース…今の僕なら……割り込める……!)
実況「さぁ、キタサンブラック先頭のまま残り800mを切りました!
まだ先頭だキタサンブラック、リードが縮まって1バ身、振り切れるか!!」
キタサン「……ぐぅっ……!!」
シュヴァル「……ここだ…っ…勝負だ、キタサン!!」
実況「さあ、直線に向いて各ウマ娘が上がってくるぞ!!!
キタサンブラックに並びかける3番、バ体が合う、バ体が合う!!同体に持ち込んだ!!」
キタサン「抜かせ……ない……っ!!」
実況「しかしキタサンブラックも内から盛り返す!!」
シュヴァル「もう少し……もう少し……っ!!」
実況「激しい追い比べだ!!シュヴァルグランは3番手がいっぱいか!!」
シュヴァル「…………くそっ……!」
実況「2人のウマ娘、並んだままゴーーーーールインッ!!!!
どちらのウマ娘に軍配が上がったのか、全く分かりません!!!」
少しの静寂の後、電光掲示板に灯った番号は─────
実況「あぁーーーっと!!!キタサンブラックだ!!!
キタサンブラックがハナ差振り切ってGIレース2勝目だーーーっ!!!」
観客たち「わぁあぁあああああーーーーっ!!」
キタサン「はぁ……っ……はぁ……っ……やった…!!
やったぁーーーっ!!!!皆さん、応援ありがとうございました!!」
シュヴァル「……はぁっ……はぁっ……!!
……また……届かなかった……く……っ……!!
何をしているんだ……僕は……っ……!」
テン「……シュヴァルさん。」
アルダン「惜しかったですね、トレーナーさん。」
「ああ、でも収穫はあった。」
ホクト「……収穫?」
「上がり3ハロン34秒5…全メンバーを見ても引けを取らないタイムだ。」
エース「……つまり、アイツも成長出来てると?」
「あぁ、必ずGIレースを取れる……俺はそう思ってる。」
デュラ(この目……不安など無い信念に満ちた表情…貴方はそんな表情も出来るのですね……。)
シュヴァル「……負けない……キタサン…次こそは、必ず…!
その背中を……追い越してみせる……っ!」
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