【トレーナー室】
アルダン「では、トレーナーさん。行って参ります。」
エース「よっしゃー!今日もトレーニング張り切っていくぜ!」
デュラ「……私も同行してよろしかったのでしょうか?」
ホクト「こまけぇこたぁいいんだよ!!」
デュラ「は、はぁ……。」
シュヴァル「……え、と……頑張ってきます……。」
「うん、行ってらっしゃい。みんな。」
「……さて、と。」
1人、次のレースへ向けたトレーニングプランを思案している中……。
テン「……………………ピコピコ。」
「………………。」
何も言わずに下からぬっと、テンポイントがデスクを覗き込んできた。
「……あの、テン?」
テン「すいません、お邪魔でしたでしょうか。」
軽く首を傾げながらこちらを見るテンポイントを見ると、何も言い返せなかった。
「確かに今日はクールダウンの日って言ったのは俺だけど…俺のデスクワーク見てても何も楽しく無いよ?」
テン「……………………。」
その問いに対して、テンポイントはじっとこちらの顔を眺めた後……。
テン「……私としましては…トレーナー様のお顔を見れるだけで幸せ、ですから。」
クスッと笑うテンポイント。
「……またそう言う事言って……。」
テン「むっ……事実ですから。」
「はいはい……ありがとうね。」
あくまで、俺はトレーナーでテンポイントは担当ウマ娘。
軽くあしらったつもりだったが……。
テン「……トレーナー様はあまり真剣に考えてくれてませんね。」
こちらの顔を掴み、強引に自分に目を合わさせようとするテンポイント。
デスクワークする手が止まり、部屋の中は静まり返った。
「…別にそんなわけじゃ…」
テン「……私は、トレーナー様を心からお慕えしております。
これは今もこれからも変わりませんから。」
「……ありがと。でもね、俺は君のトレーナーであって───」
テン「…………分かっております。」
コツンと目を閉じておでこをくっつけるテンポイント。
テン「……いっそ、私はトレーナー様の都合のいい異性…それで良いと思っております。」
「……そんな事言っちゃダメだよ、テン。」
テン「……どこまでもお優しいのですね、トレーナー様は。
ですが、私は……トレーナー様の心の負担を癒せるのなら何でもします。」
「……じゃあ、抱きしめてって言ったら?」
テン「はい、気の済むまで…。」
そう言って、頭に手を回し、自分の方に引き寄せるテンポイント。
俺は座っていたから、ちょうど頭が胸の辺りに収まってしまった。
「(言い出してアレだけど……この体勢は色々とまずいな…。)……わ、分かったから……ありがとう、テン。」
テン「ご満足いただけましたか?」
「……う、うん。」
この発言もどうなんだろうと自分自身に突っ込みながら、テンポイントと距離を置こうとした……が。
テン「……それは良かったです♪」
すりすりと顔を擦り付けるテンポイント。
なかなか離れてと言えないまま…自分の鼻の辺りにテンポイントの耳がフサフサと触れてくる。
「……ったく、いけない子だな。」
テン「……っ……トレーナー……様……っ?」
驚かせるつもりで耳に向かって小声で話しかけると…テンポイントは擽ったそうな表情を浮かべた。
テン「……あ、の……耳は……っ///」
「知ってる、でもやめないけどね。」
何だか意地悪したくなってきた俺は、そっとテンポイントの耳を撫でた。
テン「~~~……っ!!///」
「耳、弱いもんね。」
テン「そ、れ……はっ……!///」
ヘナヘナとこちらに身体を預けるテンポイント。
縋るように俺の服を掴んだまま……呼吸を荒らげた。
テン「……きょ、今日のトレーナー様……意地悪です……っ///」
「嫌い?」
テン「…………///」
その質問に、テンポイントはYESと答えなかった。
「じゃあ続けるね。」
テン「ま、待ってくださ─────。」
その言葉を遮るように、俺はテンポイントの耳をハムっと咥えた。
テン「~~~~~~~……っ!!!!!!///////」
ピクっとテンポイントの体が反応する。
顔を真っ赤にして、黙り込んでしまった。
「(やりすぎたかな……)……大丈夫?」
テン「……意地悪な……トレーナー様……///」
目に涙を浮かべながらムッと怒った顔をするテンポイント。
「ごめんごめん、もうしないから」
テン「……別に二度としないでくださいなんて言ってません……から///」
顔を赤くしたまま、テンポイントはトレーナーの服をまた掴むのだった……。
……………………………………………………
【数日後】
「あっ、テン─────」
テン「……っ!!!!//////」
デュラ「……???」
ホクト「どったの、物凄いスピードで耳抑えて……。」
テン「……い、いえ……何でも……///」
エース「すげぇ顔赤いぞ、大丈夫か?」
テン「も、問題ありません……。」
アルダン「ならいいのですが……何かあったら遠慮なく言ってくださいね?」
テン「……は、はい……///」
「……うーん、やりすぎたかな?」
シュヴァル(何があったんだろ……。)
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