【宝塚記念2週前……。】
シュヴァル「───やああああぁっ!!!!」
エース「もっと踏み込め、シュヴァル!」
シュヴァル「は、はい!」
エース「こんなもんじゃないだろ!」
シュヴァル「……もっと、もっとだ……!!」
エース「……うしっ、休憩だ!」
シュヴァル「は、はい……ありがとうございました……!」
シュヴァル(……そうだ……僕も…変わらなくちゃ…今のままじゃ…負ける……。
そう、まさしく─────)
テン「シュヴァルさん、エースさんお水です。」
エース「ああ、ありがとうな……トレーナーは?」
シュヴァル「……んっ……んぐっ……ぷはっ…。」
テン「あちらでデュランダルさんのトレーニングを見ていらっしゃいます。」
エース「お、そうか…アタシらもちょっと見に行くか?」
シュヴァル「あっ、は、はいっ……!」
テン「かしこまりました、お供します。」
「……距離は1200m、3人とも良いね?」
デュラ「トレーナー殿に聖剣の輝きを……必ずお披露目してみせます。」
アルダン「はい、私はいつでも…ふふっ、久しい感覚ですね。」
ホクト「んんーーっ……っと…先輩の威厳、見せてやろーかねー。」
デュラ「どうか、手加減無きよう……全力でお願い致します。」
「それじゃ行くぞ……よーい。
─────スタート!」
アルダン「はっ!!」
ホクト「っしゃーーっ!!」
デュラ「……なるほど……。」
(やっぱり、位置を下げたか…さて、そこからどう足を伸ばしてくる?)
エース「おっ、今スタートしたとこだな。」
「エース、それに2人も。」
シュヴァル「け、見学しに来ました。」
テン「……やはり、デュランダルさんは追い込み勝負のようですね。」
「あぁ、仕掛けどころがポイントだな……松葉杖、大丈夫か、テン?」
テン「……はい、ですが…少しトレーナー様の肩をお借りしても……よろしいでしょうか?」
「もちろん、いくらでも。」
ホクト(…1番後ろにデュララ…私のすぐ後ろにアルル…短距離なのに、変な構図…。
……なら、こういう手も面白い……よねっ!!)
アルダン(ホクトさんが位置を下げ始めた…なるほど、そういう事ですか…!)
「……なるほどな。」
デュラ「……残り300m……ここです!!
─────唸れ、アルミサエルの連撃!!」
ホクト「……甘いよっ!」
デュラ「なっ……!!(マークされてた…!)」
アルダン「失礼します……!」
デュラ「くっ……!!(コースが……開かない…!)」
「……ふむ。」
ホクト「うーーん、アルルに交わされたかぁ!」
アルダン「ふふっ、ですがなかなかのダッシュでしたよ。」
ホクト「ありがとね………それと。」
デュラ「はぁ、はぁっ……!……流石、現役クラシックウマ娘とGI2勝のウマ娘です…。
全く……歯がたちませんでした……。」
ホクト「でも、最初からこれだけ走れれば将来楽しみってやつ?」
アルダン「そうですね、やはり追い込み勝負となると─────。」
テン「……あの。」
「どうした、テン?」
テン「……僭越ながら進言してもよろしいでしょうか、トレーナー様。」
「もちろん、良いよ。」
テン「デュランダルさん…一気に進出するのではなく、徐々に上がっていくスタイルはどうでしょう。」
デュラ「……徐々に…ですか。」
「要はまくり足戦法か……なるほどな、やはり直線向いてからだと自分の行きたいコースが塞がれてしまってく末脚を削がれてしまう……であるならば、徐々に進出して自分が攻めやすいコースに位置付ければ勝機がある……そういう事だね、テン?」
その発言に、テンポイントは頷いた。
デュラ「……ですが、それは……聖剣の切れを発揮出来ると言えるのでしょうか…。」
テン「こう考えてみてはいかがでしょう。」
デュラ「……?」
テン「本当の勝負所までは、剣を抜くための布石……。
剣士というのは鞘に手をかけたり、身構えたりなどすると思います。
デュランダルさんは、その抜群の切れ味を遺憾無く発揮するために手をかけて…。」
テンポイントが先程3人が走ってたコースの4コーナーを指さす。
テン「─────一気に振り抜く。」
デュラ「……!」
テン「……如何でしょう。」
デュラ「……と、トレーナー殿……私……っ!」
「ああ、分かってるよ…アル、ホクトいいよね?」
アルダン「はい、もちろんです。」
ホクト「えぇーっ?」
テン「ほら、走った走った……さもなければ、この前トレーナー様の───」
ホクト「よ、よーーーーーし!!!何本でも!!!」
「……この前なんかあったのか……。」
テン「えぇ、トレーナー様が楽しみにしてたお菓子をホクトが……あっと。」
エース「言っちゃってるじゃねぇか!」
テン「……申し訳ありません、私も止めたのですが…''大丈夫大丈夫!トレくんだしちょろいし!''……と。」
シュヴァル(モノマネ……似てた……。)
「……あんにゃろ……。」
デュラ(ここで…いい走りをすれば…トレーナー殿が褒めてくれる…!)
ホクト「……む……!(さっきよりも雰囲気が違う…!)」
アルダン「……なるほど……でしたら…!」
デュラ「(イメージするんだ…聖剣に手をかけ…身を屈めて……集中して……一気に…!)……振り抜け、リフレインメーデーの斬撃!!!」
ホクト「並ばれた……っ!?」
アルダン「内側のコース…ここなら……!」
デュラ「……はああぁあああぁっ!!」
「─────ゴール!!」
ホクト「……はぁっ、はぁっ……いや~冷や冷やだった……!」
アルダン「ふふっ、大接戦でしたね。」
デュラ「……くっ……もう少しでした…!」
「何言ってんだ、デュラ…めちゃくちゃ良いタイムだよ。」
デュラ「ほ、本当ですか…ありがとうございます、トレーナー殿!」
「流石、俺の騎士だな。益々選抜レースが楽しみになってきたよ。」
デュラ「……~~~~っ!!!
は、はいっ、ありがとうございます……っ!!///」
ホクト「ありゃ、嬉しそうに尻尾振っちゃってまあまあ……。」
デュラ「……っ……!///
こ、こほんっ!…で…ですが、まだまだ聖剣の切れ味はこんなものではありません。
トレーナー殿の想像の更に上を行けるように研鑽を重ねて参ります。」
「……嬉しいけど…無理は、するなよ?」
ポンっと頭に、一気に耳を立たせて顔を赤くするデュランダル。
デュラ「……っ……は、はいっ……分かりまし……た……!///」
ホクト「……何だか、テンと同じ匂いがするね~、ん~?♪」
テン「うるさいですね、トレーナー様にお菓子食べたこと密告しましたからね。」
ホクト「…………う、裏切り者~~~~っ!!!」
テン「……協力した覚えもないのですが。」
テン(ですが……似てる……です、か。)
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