瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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Ms.VICTORIAをずっと聴いてる


第15レース~史、顧みて、高みへと~

借りた資料を返却しに図書室に訪れると─────

 

???「えいっ♪」

「………偶然だね、アルダン」

 

突然目を遮られたが、もうこんなことする娘は1人しか居ないので驚きも少なくなってしまった。

 

アルダン「あら…驚かれないんですね。」

「慣れちゃったからな」

アルダン「ふふっ…では、もっと驚くような事をしないと、ですね♪」

「…お手柔らかにな?」

 

アルダン「…さて、トレーナーさんも図書室に御用ですか?」

「資料を返しにね、アルダンは?」

アルダン「歴史書を読みに参りました。

実はここの図書室、密かにその方面の蔵書が充実してまして…。」

 

アルダン「空いた時間にはよくこうして、活用させてもらっているんです。」

「歴史書、好きなんだな」

アルダン「はい。…とても心惹かれます。」

 

そう言うと、アルダンは蔵書の表紙をなぞりながら言葉を続けた。

アルダン「過去の人々の営みが書となり…''今''を生きる私たちにまで永く残されている……。

その事実だけで心震えるものがあり────

内容に触れ、当時を生きる人々や、記述した歴史家の情動に想いを馳せることで、私の中の世界が広がっていく感動もあります。」

 

アルダン「読むたびに、私もこの世界においてかく真摯にありたいと感じ────

自分の''今''を全うする上で必要な…

勇気に近いものをいただけるのです。」

 

どこか楽し気に話すメジロアルダン。

その様子を見て自分も、彼女の言う感覚に触れてみたいと思い…。

 

「俺も、歴史書を何か読んでみたいな」

アルダン「まぁ…!本当ですか?」

 

アルダン「あの、それでしたら…

よろしければなのですが──────」

アルダン「トレーナーさんが読まれる本を探すのに

お手伝いさせていただけないでしょうか。」

「いいのか?」

アルダン「はい、ぜひ!」

 

アルダン「たとえば、''このような歴史書を読んでみたい''といった要望はありますか?

私の知る限りでお薦めできればと思います。」

 

きっとメジロアルダンならば、たくさんの歴史書を知ってるはずだ。

ここはお言葉に甘えてオススメを聞くのがいいだろう。

 

 

「そうだな…」

 

「アルダンのお気に入りが読みたいな」

アルダン「私のお気に入り…!

それはもちろん構わないのですが────」

 

アルダン「………どうしましょう。」

「ん、どうかした?」

 

アルダン「お恥ずかしい話なのですが、その…

お気に入りが多すぎて…

なかなかひとつに、絞り切れないのです。」

 

アルダン「それに、こうして誰かに

歴史書をお薦めする機会も、これまで少なかったので…。」

「なら、全部のオススメポイントを聞こうかな」

 

アルダン「──────」

「だってアルダンと同じ景色を見たいじゃん?」

 

アルダン「トレーナーさん…ふふっ、分かりました。

それでは、ひとつひとつ、誠心誠意、お薦めできる部分をご紹介させていただきます…!」

 

 

 

 

その後、メジロアルダンによる

歴史書大プレゼン大会が始まり──────

 

楽し気にお薦めしてくれるその姿から

メジロアルダンの大事にしているものに触れられた気がしたのだった…。

 

 

そして…。

 

 

 

「…なるほど、確かにこれは興味深いな」

選ばれた1冊の本を閉じ、満足気に感想を述べる。

 

アルダン「はいっ、そう言ってもらえて嬉しい限りです。」

「またアルダンのことを1つ知れたね」

 

アルダン「…それなら、トレーナーさんのことだって…///」

「?」

アルダン「…その…です、から…///(本を眺めてる横顔が凛々しく…て…///)」

 

何か言いたそうなメジロアルダンが、そのままフリーズしてプスプスと頭から湯気が出そうになっていた。

 

アルダン「…こ、こほん…っ///

そうやって、トレーナーさんはお褒めになるのがお上手なんですから…///」

「そうか?事実を言ってるだけなんだが…」

 

アルダン「…その、期待しちゃいます…よ?///」

「何を?」

アルダン「…いえ、なんでもございません…///」

 

 

 

 

─────────────────────

 

 

そして、トレーニングの日々が過ぎていった頃。

 

アルダン「…ふふっ。少し体が震えてしまってます。」

 

レース前のメジロアルダンが、控え室にいた。

今日出走するのは、9月後半に行われるOPレースの芙蓉ステークス。

 

距離適性とコンディションを鑑みての出走となった。

「震えてるにしては、顔つきは嬉しそうだな」

アルダン「流石でございます、トレーナーさん。

この震えは…レースに対する疼きですので。」

 

アルダン「準備は万全───あとはただ刹那に全てを懸け

己の力を出し切ることのみ。」

「あぁ…頑張ってこい!」

アルダン「では…行って参ります!」

 

 

 

………………………。

 

 

レースは、好位を回ったメジロアルダンが最後の直線を抜け出しての1着ゴールインとなった。

着差以上の勝ち方に、ひと安心すると同時にメジロアルダンの様子が気になった。

 

 

「アルダン!」

アルダン「トレーナーさん、1着を取ることができました。」

 

「脚は大丈夫か?」

アルダン「ご心配ありがとうございます。

ですが、先頭でゴールする刹那、浴びせられる歓声。

得も言われぬ充実感で脚も軽く感じます。」

 

「そっか、でもちゃんとアイシングしないとな」

アルダン「その前に…トレーナーさん?」

目を閉じて、頭を差し出すメジロアルダン。

 

「?」

アルダン「………………」

こちらが不思議そうにその様子を眺めていても、メジロアルダンは何も言わない。

 

「…えっと…」

アルダン「…………むぅ…」

時間切れなのか、メジロアルダンが目を細めながら拗ねてしまった。

 

アルダン「レースを頑張った担当ウマ娘にすることは1つしかないですよ?」

「……が、頑張ったな…アルダン」

 

慣れない手つきで頭を撫でる。

メジロアルダンは嬉しそうに再び目を閉じた。

 

アルダン「…はい、ありがとうございます。

トレーナーさんが支えてくださったおかげで

このような気持ちになれたと思っています。

本当にありがとうございました…///」

「…最高に輝いてたよ、アルダン」

 

アルダン「…ふふっ。

レースを見てくださった方々の心に残る走りが出来たと自負しております。」

「あぁ、もちろん俺も忘れないけどな!」

 

アルダン「ありがとうございます。

これからもトレーナーさんの記憶に残るレースができるように精進いたします。」

 

 

 

アルダン「ですから…これからも私にたくさんのご褒美をくれます…か…?///」

 




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