【夏合宿開始から数週間……】
ホクト「ぜぇ……ぜぇ……ぐへ~……っ!」
砂浜に大の字で倒れ込むホクトベガ。
デュラ「……流石に、応えますね…。」
エース「まぁ、でも…よくついてきてると思うぜ。」
シュヴァル「は、はい……2人とも…凄いです。」
アルダン「ですが、無理は禁物ですよ。」
デュラ「お心遣い、痛み入ります。」
ホクト「言われなくとも~……」
テン「………………。」
「みんなと一緒にトレーニング出来なくて、寂しい……か?」
体育座りで皆の方を見るテンポイントの横に腰掛けた。
テン「……はい、それもあります……が。」
「ん?」
テン「すいません、トレーナー様…手をお貸しいただけますでしょうか。」
「あぁ、立ち上がるのか?」
テン「えぇ……少々……。」
「……?」
ゆっくりとチームメンバーの元に歩き始めたテンポイント。
その様子を見かけたメンバー一同も視線を彼女に向けた。
エース「テン、どうした?」
シュヴァル「な、何かありましたか…?」
アルダン「その様子だと…何か言いたげなご様子ですね?」
テン「……えぇ、少々…。」
チラッとホクトベガの方を見て、ふぅっ…と息を吐くテンポイント。
テン「……申し訳ありません、トレーナー様…。
ホクト「えっ?」
俺よりも先に、ホクトベガが驚いた声を上げた。
エース「こりゃまた、珍しい提案だな。」
シュヴァル「た、確かに…テンさんの口からは…珍しい、です…。」
アルダン「休暇…でもあり、何か意図があるようにお見受けしました。」
その言葉に、テンポイントは静かに頷いた。
テン「もちろん、休暇は大事です。
しかし、私の中で出来るトレーニングを考えた時に……水泳ならば、足の負担も無く心肺機能の向上が出来ると思いまして。
……もちろん、疼痛が無い範囲内で……ですが。」
「(…やっぱり、じっとしているのは無理だったか…。)分かった、許可しよう。
自分で可能な範囲が分かっているならこちらもサポートするだけだからな。
……アル、サポートしてあげてくれないか?」
アルダン「かしこまりました、トレーナーさん。」
テン「承認していただき、ありがとうございます。トレーナー様。」
ホクト「……あの~……。」
「どうしたよ、おずおずと手を挙げて。」
ホクト「私たちは~……?」
テン「トレーナー様。」
「さっきテンが言ってくれただろ?明日はオフだよ。
……まぁ、俺もそろそろ休暇って思ってはいたんだが。」
ホクト「……
「もしかして、俺って信用されてない???」
シュヴァル「あ、あはは……。」
デュラ「わ、私は心から信頼してますよ、我が君!!」
エース「だからって、はしゃぐなよ?」
ホクト「よし、トレーニング始めよう!」
「切り替え早……。」
────────────────────
【次の日】
ホクト「休みだ~!!」
エース「張り切ってんな~……。」
シュヴァル「……あ、あの…ホクトさん…その格好は…?」
何故か、手で目を隠して見ないようにしてるシュヴァルグラン。
ホクト「海でしょ?なら水着は必要でしょ!」
シュヴァル「そ、そうですけど……学園指定の物は……。」
デュラ「昨日凄い勢いで洗濯機に投げて込んでましたよ。」
エース「メジロ家の使用人にすっげぇ顔されてたけどな。」
ホクト「秒で土下座したら問題なし!!さぁ、休みを満喫するよ~っ!」
「はいはい、満喫するのは良いけどせめて準備運動は─────」
ホクト「ヒャッハーーーっ!!」
シュヴァル「あの……もう飛び込んでます…。」
「……はぁ~っ。」
デュラ「も、申し訳ありません…後で制裁を……。」
エース「ところで、2人はどこ行ったよ?」
「もう来ると思うけど……。」
アルダン「お待たせしました、トレーナーさん。」
「あぁ、噂をすれば─────」
後ろに目を移そうとした時だった。
アルダン「あっ、トレーナーさん……まだダメです。」
「え?」
アルダン「……そうですよね、テンさん?♪」
テン「…………はい……」
何故か消え入るような声で返事をするテンポイント。
そして何かを察したような顔で苦笑いを浮かべるエースとシュヴァル。
「……えーっと、何が何やら分からないけど…とりあえず向いていい?」
テン「……ぅ……分かり……まし……た……。」
歯切れは悪いがとりあえず了承は得た。
そして、後ろを振り返ると…そこには─────
「……うぉ……。」
テン「あ、あの……あまり……見ないでくだ…さい……///」
「いや、見るなって言う方が無理…だろ……。」
そこに居たのは…ピンクの水着を身にまとったテンポイントが居た。
「……え、と…何時もの学園指定のは……。」
テン「…そ、その…もしかしたら着るかもしれないと持ってきたのですが…///」
「昨日の休暇の件は……もしかして……。」
テン「い、因果関係はありません……が……せっかく……と、思いまして…。
……ですが……///」
「ですが?」
テン「……その…………///」
アルダン「いざ身につけてみると、意外と恥ずかしかったようで…。」
困り顔で笑うアルダンの横で、更に顔を赤くするテンポイント。
「は???可愛すぎかよ。(まぁ、テンらしいな。)」
エース「おい、トレーナー。本音ダダ漏れだ。」
テン「うぅ……///」
アルダン「さぁ、私達も泳ぎましょう♪」
テン「……は、はい…。
トレーナー様…失礼します……///」
アルダンの肩を借りながら海へと向かうテンポイント。
横を通り過ぎようとした時─────
「……やっぱり可愛いな…」
テン「~~っ!//////」
ペシっ!!
「いってぇ!!!」
何故か尻尾で叩かれた。
エース「いや、今のはトレーナーが悪い。」
シュヴァル「あはは……。」
ホクト「うぉっ!?テンテン何その格好!?」
デュラ「貴方にも言える事ですからね!」
ホクト「ふぅ~む……良い勝負だねぇ~。」
テン「ど、どこを見ているんですか……!///」
ホクト「どうせ、トレくんに似合ってるって言われて顔赤くでもしてたんでしょ~。」
テン「なっ─────!!/////////」
ホクト「図星かーーーーーいっ!!!!」
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