瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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初のパソコンによる執筆です。



第155レース~内なる大力~

【翌日】

 

シンザン「さて、今日はこの2人じゃったかのう?」

テン「……。」

シュヴァル「…ぅ、うぅ…。」

 

シンザン「そう怯えるのうではない。何も取って食べようとしてるわけではないのじゃがの。

…隣の生娘はそういうわけではなさそうじゃの。」

テン「…お構いなく、始めましょう。」

 

シンザン「はっはっは、なかなか見どころがありそうな眼をしておる…どれ、始めるとしようかのう。」

テン(…来る、この圧倒的プレッシャー…でも、ここを乗り越えないと…私は闘将を乗り越えることなんて不可能…!)

シュヴァル(僕だって…僕だって強くなるんだ…。)

シンザン(………。)

 

 

……………………………………………………

 

 

シンザン「いったんここまでじゃ。」

エース(ここまでって…)

ホクト(かなり走り込ませた気が…。)

デュラ(お2人共…。)

 

テン「はあっ、はぁっ…!!」

シュヴァル「…くぅっ、うぅっ…!」

「大丈夫か、2人と————————————」

 

シンザン「——————つまらん。

テン「……なっ。」

シュヴァル「…えっ……。」

 

突然の一言に、テンポイントとシュヴァルグラン含め俺もチームメンバーも言葉を失っていた。

エース「……て、てめ———————————」

ホクト「エーちゃん、ストップストップ!」

アルダン「手を出してはいけません…!」

エース「でもよ…!」

 

シンザン「——————————何故、闘志を表に出さぬ?

テン「えっ…。」

シュヴァル「…闘志…です、か…?」

 

シンザン「強くなりたい・誰かを追い越したい……その一心を走りで体現するのは良いんじゃが…もうちと表に出すことも必要よのう。」

テン「…内に秘めたまま…縛られてるとでも…?」

シンザン「全ては、()()じゃよ、()()

 

そう言って、シンザンは自分のこめかみの辺りを指で突っつく。

シュヴァル「…頭…ですか…?」

シンザン「うむ、所詮レースとは本能…。

闘争とは力の解放…力みなくして内なる本能を解き放つ事など不可能…と言ったところじゃの。」

 

テン「…力の解放…。(そう言えば、以前も似たことが…)」

シュヴァル「…で、でも…そんなことすぐになんて…」

シンザン「力の解放なぞ、一長一短で出来る代物ではない…が、ここぞの時が必ず来るやもしれぬ。

その時に、如何に自分の内なる大力を解き放てるか…じゃの。」

 

テン「……私たちなら、それが出来る、と?」

シンザン「出来るかどうかは、あくまでも自分自身による…と言ったところじゃの。

あくまでも、わては助言をしたまでに過ぎん。」

 

テン「…わかりました。引き続きご指導お願いします。」

シュヴァル「テンさん…」

テン「きっと、何か掴めそうな気がしますから。」

シュヴァル「…うん、僕も…追い越したい背中が見えた気がした…。」

 

シンザン(目の色が変わった…特にあのテンポイントというウマ娘…なるほど、力の原動力は人の者…か。

ふっ、学園に居た昔の頃を思い出すのう。)

 

 

「…テン、シュヴァル…。」

アルダン「心配ですか?」

「それもある…けど…。」

エース「けど?」

「……いや、なんだか…立派だなって…。」

 

ホクト「…うん、すごく立派だよ、テンポイントもシュヴァルも」

ホクト(だからこそ、私も横に立ちたい…胸を張って、高らかに。)

デュラ(熱が伝わって…士気が高まる…これが戦意…。)

 

 

 

 

……………………………………………………

 

【日没前】

 

「ありがとう、シンザン。2日間すごく充実したトレーニングになったよ。」

シンザン「良い良い、久しく無い体験じゃったからの。」

 

エース「見てろよ、あんたが驚くくらい4人(こいつら)は強くなって見せるからよ!」

シンザン「はっはっは!それは見物じゃの。」

 

アルダン「皆様、そろそろ門限の時刻に…。」

デュラ「行きましょう、我が君」

シュヴァル「…そ、その…すごく怖かったです、けど…ありがとうございました…!」

シンザン「うぬ、達者での。」

 

ホクト「…。」

テン「……。」

シンザン「そのような目で見るでない。また近いうちに相まみえるであろう。」

 

テン「————————————あの。」

シンザン「む?」

ホクト「…やっぱり、テンも同じ考えなんだね。」

 

「2人とも…?」

テン&ホクト「「————一度、本気で走って勝負したい。」」

「……!?」

シンザン「…ほう。」

 

テン「勝ったとか負けたではなく……。」

ホクト「真剣勝負で走ることで、見えてくるものがあるから。」

シンザン「————————良かろう。久々に血が滾るといったものだな。」

 

口角を上げたと同時に

背筋に冷たい物を入れられたかのように体が硬直した。

(この痺れ上がるほどのオーラ…!!

これが…神のウマ娘と言われる本気の姿…!)

目の前に居るのは、皇帝も三冠ウマ娘も全てを凌駕するほどのウマ娘……。

逃げ出したい……そんな考えが頭を過ぎった瞬間だった。

 

エース「真剣勝負…そう聞いちゃ、黙ってるわけにはいかねぇよなぁ?」

デュラ「胸を借りるつもりで…いざ!」

シュヴァル「…ぼ、僕だって…!」

アルダン「…一線から退きはしましたが…やはり、胸は熱くなるものですね。」

「…みんな…。」

シンザンの方に赴くチームメンバーの背中はいつも以上に大きく見えた。

 

 

シンザン「————————————良き戦友に巡り合えたのう。人の者よ。

良い、この神のウマ娘、シンザン…傾いて参ろうか!!」

 

 

 

 

横一列に並んだと思った、その刹那だった。

テン「————————————はぁぁあぁぁぁぁあっっっ!!!!!!

ホクト「うっ………らああぁぁぁぁぁぁあっっ!!!!!!

エース「————————————おっしゃあああぁぁぁッッッ!!

シュヴァル「やあああああっっ!!

デュラ「聖剣の輝きを………今、ここにッッッ!!!

アルダン「————————…フッ!!!!

 

真剣勝負に相応しい力と力の…速さと速さのぶつかり合い。

結果は目に見えているのかも知らない…。

だが、シンザンの口角はずっと上がっていた。

 

シンザン「くくっ…はっはっはっ!!!!

愉快だ!実に愉快なひとときよのう!!!!!」

 

 

 

 

走り抜けた一陣の風と、7人の高らかな声は空高く昇るように木霊するのであった。




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