シュヴァル「────やぁぁぁっ!」
ホクト「────ほっ!!!」
テン「────ふっ!!!」
デュラ「………………。」
デュラ(先週、シュヴァルグランさんはGIレースを優勝。
ホクトベガさんも、エリザベス女王杯を優勝……。
テンポイントさんも、優勝は出来ずも皐月賞と菊花賞を2着…。
錚々たる実績に……私自身も、追いついて見せないと……。)
「熱心に見てるな、デュラ。」
デュラ「我が君!……お疲れ様です。」
「あの3人の走りが気になるか?」
デュラ「……そうですね、いい刺激になります。」
(目が本気だな……そろそろ選抜レースも近いし、無理もないか。)
デュラ「失礼、我が君…私も走ってきます。」
「あぁ、行ってこい!」
デュラ(目指すは……聖剣のような切れ味……まだまだ研鑽を続けなれば……っ!)
………………………………………………
【翌日】
ライトオ「無礼ダル、これを見ろ。」
デュラ「だ、誰が無礼ダルよ!!……全く、これは何かしら?」
ライトオ「今週行われる選抜レースのメンバー表だ。」
デュラ「なっ……せ、選抜レースですって!?」
ライトオ「そうだ、そして、ここをよく見てみるといい。」
デュラ「……ら、ライトオさんと…ビリーヴさんと同じレースじゃない!」
ライトオ「そうだ、だが、最高速は渡さない。
後ろから眺めているといい。」
デュラ「なっ…………わ、私だって負けるつもりは無いわよっ!」
ライトオ「そうか、当日は良いレースをしよう。」
デュラ「……ええ、望むところよ!」
…………
デュラ「……と、言うことがありまして…。」
「そうか、デュラも選抜レースか。」
アルダン「既に契約は済んでいますが…。」
デュラ「……ですので、今回の選抜レースでは────」
「……?」
デュラ「───勝ちにこだわります。今後を見据えた上で。」
エース「それでこそデュランダルだな。」
テン「えぇ、あの練習について来れたのです、きっと大丈夫です。」
ホクト「では、一子相伝のどっかんまくりを伝授させ──」
デュラ「して、距離ですが。」
ホクト「無視、すなーーーっ!」
シュヴァル「ま、まあまあ……。」
「1200m……か。」
デュラ「短距離でもマイルでもやる事は変わりません。
……全て切り伏せるのみ……です。」
「あぁ、そうだな……その切れ味を遺憾無く発揮してくれ。」
デュラ「…………はっ!」
「…………後は、アレを用意しないとな。」
ホクト(…………アレ?)
…………………………………………………
【レース当日】
「デュラ。」
デュラ「我が君、如何致しましたか?」
「これを。」
差し出したのは、新品のシューズ。
デュラ「……これは?」
「つま先部分を少し加工したシューズ…デュラの脚にはこれが合うと思って。」
デュラ「……お心遣い、痛み入ります。」
胸に手を置き、深々と頭を下げた後、デュランダルは靴を履き替えた。
デュラ「……これは……。(凄くフィットしている……。)」
「どう?」
デュラ「……やはり、貴方こそ…王に相応しい人物その物です。」
「大袈裟だって。」
デュラ「見ていてください、我が君……必ずや、その手に勝利を。」
そう言うと、意気揚々とターフに向かうデュランダル。
実況「続いて行われるのは、芝1200mのレースです。
メンバーは────」
中堅トレーナー「次のレースは有力なウマ娘が多いな。」
新人トレーナー「デュランダルにカルストンライトオ…それにビリーヴ…。」
デュラ「……よし。」
実況「各ウマ娘がゲートに収まります。」
デュラ「────……ふっ!」
中堅トレーナー「デュランダルが出遅れたな。」
新人トレーナー「短距離レースでこれは痛手ですね…。」
「……いや。」
エース「……あぁ、わざとだよな?」
「あぁ、あれも本人の作戦の内だろう。」
デュラ(……シューズが馴染んでる…走りやすい…。
ペースは…スロー…誰もが最終直前までスタミナを残したままなら…
追込はより不利になる…。)
テン「……勝負のポイントは。」
「あぁ、仕掛け所は────」
デュラ(────ラスト3ハロン。
どのようなペースであろうと、必ず…誰よりも速い脚で切り伏せる!)
デュラ「それさえ出来れば、勝利が揺らぐ事はありません!
────はぁぁああぁっ!!」
中堅トレーナー「こ、これは……!」
「────来たな。」
ホクト「凄い……コース取り完璧だ。」
実況「正しく一閃!!デュランダルが全てを撫で切って今1着でゴールイン!!」
新人トレーナー「上がりタイムが34.7秒……走破タイムも中々だな…。」
デュラ「ただいま、戻りました。我が君。」
さも当然のように片膝をついて目を細めるデュランダル。
「あぁ、良い走りだったよ。」
デュラ「……勿体なきお言葉です。」
中堅トレーナー「……何か、前にも同じ光景を見た気がするな。」
新人トレーナー「これは出る幕はないですね……。」
「だが、いきなりの急加速は脚への負担も大きい…。
いくら合うシューズを履いたとて無理はいけないからアイシングをしようね。」
デュラ「はいっ。
……ですが、我が君がよろしければ…そのお手でマッサージをしてくれても…。」
「…………いや、それは。」
アルダン「ふふっ、鼻の下が伸びてますよ、トレーナーさん。」
「の、伸びてないから!」
テン「では、私が。」
ホクト「……何かゴキゴキ音鳴ってない?」
テン「しっっっっっかり揉み解してあげよう、かと。」
デュラ「助けてくださいまし、我が君!!
何故か分からないけど分からされてしまいます!!」
「……これはこれで……。」
エース「感心して眺めてるんじゃない。」
「あたっ」
シュヴァル「あ、あの……アイシング持ってきました…。」
アルダン「トレーナーさんはあちらに行ってましょうね。」
「……あ、は、はい…。」
デュラ「…………我が君!」
「ん?」
デュラ「……これからも、剣を捧げ…尽くしていきます。
どうか、この先も…信じてください、この聖剣の切れを。」
「あぁ、もちろん!俺にとっての最高の懐刀として活躍、期待してるよデュランダル。」
デュラ「~~~~~~~~っ!!!
………………は、はいっ!」
ホクト「いででで!ブンブン尻尾を振り回すなっ!バシバシ当たっとるわ!」
デュラ「はっ、も、申し訳ありません!!」
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