瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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…え、半年ぶり…?


第173レース~トレーナー争奪戦~

「ふぅ…。」

 

デスクワークがひと段落ついて小休憩を取ろうと立ち上がると…。

 

ホクト「トーーーーレーーーーーくーーーん!」

ドアを開けると同時に喧しい声が部屋に響く。

 

テン「………。」

────ドスッ。

ホクト「あだぁっ!?」

間髪入れずにテンが手刀を叩き込む。

 

「…今日はどうしたの?」

無視でもしようもんなら悪質タックルの如く突っ込んで来そうなので話を聞く事に。

 

ホクト「いやね?特に何かあったわけではないのさ。」

「…と、なると…ただ喧しい少々頭がおバカさんなウマ娘だった…ってコト…!?」

ホクト「トレくんも言うようになったねぇ…って、誰がおバカさんだっ。」

 

テン「…申し訳ございません、トレーナー様…。」

申し訳なさそうにティーカップを置いて隣に座るテンポイント。

 

ホクト「…テンテン、あちきの分は?」

テン「自分で入れてください。」

ホクト「…けっ!」

ブーブー言いつつも自分で飲み物を用意するホクトベガ。

 

ホクト「…で、どこまで話したっけ…あぁ、そうそう何かね…足りないの。」

「足りない?…知…。」

ホクト「知力って言ったら湯呑み真っ白アタックするよ!」

「…あぶねぇ。」

 

ホクト「足りない物…そう…''トレくんパワー''が…足りない…っ!」

「…トレくん…パワー…?」

何を言ってるのだろうとテンに目配せすると、首を横に振って困った顔をしていた。

張本人は何故か悲しげな表情で自分の体を抱きしめていた。

 

 

ホクト「あぁっ、私たちには…今…パワーが足りない…このままでは…レースなんか…勝てっこ…ないっ!!あ、つまりは??ご存知の通りチームのみんなはトレくんに褒められたりするとめちゃくちゃ喜ぶわけですよ。」

今度は何故か誇らしげに言い放つホクト。

 

ホクト「で、私はここ最近トレくんに癒されてないって気付いた!ひゃっほぅ!ホクベーちゃん天才ぃっ!」

「…癒されてないも何も…。」

テン「…私は……ふふっ、言わなくても…ですよね、トレーナー様。」

ホクト「ほらっ、そういうとこ!圧倒的に感じる、何か物凄い格差!

…あ、いや、いじられキャラは立場的に美味しいとは思ってたり、思ってなかったり。」

 

「…えぇーっと…つまり、ホクトはもっとよーしよしいい子いい子ってして欲しいって事?」

ホクト「まぁ、そういうことだね。ムッツさんもびっくりなぐらいして欲しいって事よ。」

(…ムッツさん…。)

テン「…ホクトの突拍子もない思いつきだから無視して構いません…と、言いたい所ですが…本人の士気に影響するのは…否めません。」

「まぁ、確かにな…でも、具体的にどうしろと?」

ホクト「あぁ、トレくんは特に何もしなくていいよ、私が好き勝手やるから。」

 

「…好き勝手って表現が非常に怖いのですが。」

ホクト「では、さっそーーーく!」

高らかな宣言と共にホクトが飛び込んできた。

 

「おぉっと。」

ホクト「はぁ~……トレくんの匂い~…。」

「…あんまり、良いもんでもないと思うんだけど。」

ホクト「ふっ、未熟なりトレくん。

自分では中々気づかないものよ。」

「…そうなの、テン?」

テン「……………………黙秘します。」

「…あの、顔がすっごく羨ましそうな顔してるけど…。」

テン「…こ、今回はホクトにお譲りします…わ、私は理解のあるウマ娘…なの、で…。」

ホクト「あ~~~~~…寝れる…トレくん、むぎゅ。」

「子供か。」

 

ホクト「とか言いつつ、頭を撫でながら抱きしめるの、中々罪深いぞよ?」

「…そりゃ悪うござんした。」

ホクト「ま、好きだからもっとして欲しいんだけどね。」

「…お前も中々言うようになったよなぁ。」

ホクト「おろ、その原因は99.995%くらいトレくんにあるんだよ?」

「たっか~……。」

ホクト「その証拠がコチラです。」

そう言うと、テンポイントを指差すホクト。

 

テン「…………はっ。」

ほぼ無意識でトレーナーにべったりとくっつくテンポイント。

「テン…お前もか…。」

テン「…も、申し訳ございません…。」

ホクト「よっし!充電完了!」

「やっと解放された…。」

ホクト「あ、でもまたパワー不足になったらよろしくね?」

「拒否権も無さそうだし…ウマ娘相手に抵抗も出来ないから…程々にな。」

ホクト「善処しまーーーー………。」

テン「…せめて言い切りなさい…。」

 

 

 

 

 

………………………………………………………

 

 

「…って事がさっきあって。」

デュラ「くっ…何たる報酬…羨ま………コホン、流石我が君…お優しいのですね。」

シュヴァル「…えっと…だからホクトさん、あんなにもご機嫌なんですね。」

 

「普段からあれくらいやる気だったらいいんだけどなぁ…。」

デュラ「…わ、我が君…っ!私も所望します…っ!」

シュヴァル「デュ、デュランダルさん…っ!?」

 

「め、目が本気だよ…。」

デュラ「最近褒められてないので!」

シュヴァル「か、隠さずに言っちゃった…。」

「ごめんごめん、デュラには感謝してるよ。」

デュラ「わ、分かればいいんです…分かれば。」

シュヴァル(良いなぁ…ぼ、僕にも…勇気があれば…例えば…トレーナーさん…の…。)

シュヴァル「………………!//////」

突然、シュヴァルが顔を真っ赤にしてショートした。

 

「シュ、シュヴァルっ!?」

シュヴァル「な、ななな、何でも、ない、ですっ…!!///(何で僕…トレーナーさんの口を見たんだろ…っ…///)」

「そ、そうか…?ならいいんだけど…。」

デュラ「我が君、シュヴァルさんも人肌恋しいのかと。」

シュヴァル「そ、そそそそ、そんなわけ、ない、です、から…っ!///」

 

「…えぇっと…シュヴァル、おいで?」

シュヴァル「…ぁ……は、はい…///」

両足を広げると、僅かなスペースにちょこんと座るシュヴァル。

 

「シュヴァルって、ここに座りたがるよね。」

シュヴァル「……変、でした…か…?」

「いや…その…安心するけど。」

シュヴァル「…えへへ…僕も、です…///」

そう言うと、ゆっくりと体をこちらに預けるシュヴァル。

 

シュヴァル(…あ…トレーナーさん…そっと抱きしめてくれた…えへへ…暖かいや…///)

ホクト「いやぁ、何か初々しいねぇ。」

テン「どの口が言ってるんですか…。」

ホクト「いや、私はどちらかって言うと、パワーで解決したりまっしょい!って感じだし?」

テン「……………………。」

ホクト「黙らんといて。」

テン「あぁいえ…やはりおバカだと再認識してたところです。」

ホクト「んだとぉー!これはなぁ、ビジネスおバカちゃんだ!

本当のホクベーちゃんは、もっとかしこーいんだぞ!」

 

テン「…この前の小テスト、何点でした?」

ホクト「…………記憶にございません!」

テン「全く…。」

 

デュラ「あ、あの…っ…シュヴァルさん、そろそろ交代を…。」

シュヴァル「…はっ…!…す、すいません、僕っ…!!」

「ターン制だったのか…ほら、デュラ?」

手のひらを差し出されたデュラはしばらく思案していた。

 

デュラ「…はっ、なるほど!」

答えが纏まったのか、どうだと言わんばかりに右手をポンと置くデュラ。

 

「犬じゃないんだから。こうだよ。」

デュラ「わ、我が君…っ!?」

顎の下を撫でると、デュランダルが顔を赤くして困り果てていた。

 

「くすぐったい?」

デュラ「そ、の…これ…ダメです…っ…///」

「何がダメなの?」

デュラ「み、耳元で囁きながらは…反則です…から…っ…///」

ホクト「わふわふ言ってて、もう犬だね、アレ。」

テン「ホクトと違って賢い忠犬、と言ったところでしょうか。」

ホクト「え、私今日そういうテイストなん???」

テン「何をいまさら。」

 

 

エース「おいーっす!……って、何やってんだ?」

アル「お疲れ様です。」

スティル「お待たせ…しました。」

 

 

ホクト「あ、姉御、これは…っ!」

エース「いや、誰が姉御だ。」

テン「御三方には経緯を…実は────」

 

アル「…………なるほど。」

エース「メンタルケアはトレーナーの仕事だろ~?」

「…そう言われると何も言い返せないなぁ…。」

 

アル「ふふっ、今まで以上に頑張らないと、ですね?」

ホクト「いっその事、鍛えまくってタンクトップ姿になっとく?」

「どこ需要だよ、それ。」

テン「…………。」

「テン…。」

デュラ「…。」

「デュラ…お前もかよ。」

 

テン「いえ、トレーナー様は今くらいの体がちょうど良いです。」

デュラ「同感です、なのでホクトさんは切り捨てます。」

ホクト「おぉう、やってみろぉ!私が居なくなっても第2、第3のホクトベガが…!」

デュラ「人類補完計画でもするつもりですか、貴方は!」

 

シュヴァル「…すみません、賑やかで…。」

スティル「いえ、とても楽しそうで…それに…。」

シュヴァル「…?」

スティル「とても…愛に溢れてる、な…と。」

シュヴァル「…愛…です、か。」

 

スティル「多分…皆さん、トレーナーさんの事がお好きなのだな…と。」

シュヴァル「そ、そそそそ、それは…っ…!///」

スティル「…しかし…私がそのような場に…加わってもいいものか…とも、思います。」

アル「お試しになられては如何でしょう?」

スティル「…試す…とは…?」

 

アル「トレーナーさん。」

「ん?どうした、アル?」

困惑するスティルを他所に、トレーナーに耳打ちするアルダン。

 

「…スティル、おいで?…アル、こんな感じで良いの?

アル「はい、大丈夫ですよ。」

 

スティル「………………。」

裏スティル(抱き ナ さイ

スティル「いえ、ですが…私は…っ。」

裏スティル(ア マズい

スティル「えっ────」

 

「………。」

スティル「と、トレーナーさん…っ!?」

中々スティルが来ないので、こちらから近寄って抱き締めることにした。

 

「来ないから迎えに来た。」

スティル「そ、そんな…私なんかの為に…っ…。

それに、これは…本能が欲しがってて…私は…っ。」

裏スティル(ダシに使うナ 言ってナイ

 

「本能だろうが何だろうが、スティルが望んだんだろ?なら俺は叶えるまでだよ。」

スティル「…トレーナー…さん……///(あたたかい…ウマ娘の方が…体温は高いはずなのに…体の奥底が…温かくなっていく…。)」

裏スティル(…コイツ…底知れナイ…何故ダ…?

 

ホクト「あ、良い事考えた!」

テン「却下です。」

デュラ「またしても切り捨てられたいようで。」

 

ホクト「ふっふっふ…本当にそう言い切れるのかな?」

シュヴァル「…い、一応…聞くだけ聞いてみます…か?」

ホクト「これからレースで1着取ったらトレくんにハグしてもらえる!…ってのはどう?」

 

テン&デュラ「…………………くっ!!」

シュヴァル「だ、ダメージ受けてる…。」

スティル「…その……賛成、です…。」

 

エース「でも、アタシらはもうレース出てないぞ?」

ホクト「あ、アルルとエーちゃんは何時でもフリーパスで。

もう後ろから容赦なくかましちゃったりしてOKよ。」

 

アル「…との事ですが…トレーナーさん?」

「どうせ多数決取ったって負けるし…断ったらテンとデュラが泣き出しそうだから──」

テン「な、泣きません…!」

デュラ「そうです!半べそかくだけです!」

「意味は同じじゃん…ただ、なるべく人目につかないところでな…説教とかされそうだし。」

ホクト「トレくんってそういう所気にするよね。」

テン「貴方が気にしすぎ無いだけ…かと。」




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