【トレーニングコース】
「────スタート!」
デュラ「────はぁあぁっ!!」
ホクト「どっせーーいっ!」
エース「おっしゃぁああぁーーっ!」
「…アル、3人のタイムは?」
アル「デュラさん、ホクトさん、共に好タイムです。
エースさんが先頭でペースを作ってるのもありますが、何方もコンディションは良好です。」
「よし……3人とも、小休憩したらあと1周!」
デュラ「はっ!」
ホクト「あいあいさー!」
エース「おうっ!!」
テン「…………。」
シュヴァル「テンさん、どうしたんですか…?」
テン「シュヴァルさん…いえ、何やらあちらに人だかりが…。」
スティル「人だかり…?…あれは…。」
「…見ない顔のウマ娘ばかりだな…。」
アル「おそらく、入学した新入生への学校説明会、かと。」
「あぁ、もうそんな時期か。」
確かに、説明してるのは教員っぽいな。
教員「ちょうど今、トレーニングしてるウマ娘が居るようなので見学してみましょう。」
ウマ娘A「あっ、ホクトベガさんだ!エリザベス女王杯見てたな~。」
ウマ娘B「先頭で走るのは…カツラギエースさん!?…つまり、あのチームって…!」
「…何かこっち見てるな。」
アル「ふふっ、新入生からすれば見ておきたいトレーニング風景、ですからね。」
シュヴァル「は、走ってなくて…良かった…。」
ウマ娘A「わっ、テンポイントさんにメジロアルダンさん…シュヴァルグランさんも居る!
何時か話しかけられるかな…っ!?」
ウマ娘B「選抜レース…見てもらえたりして…!」
???(…はー、ホンマ…有名なチームと聞いてはりましたが…ここまでやったとはなぁ。)
ホクト「…なにごつ?」
「お疲れ様、どうやら新入生にトレーニングを見られてたみたいだぞ。」
エース「そういや、そんな時期だな。アタシらの時も説明会あったっけな。」
ホクト「よっしゃ、それならば!…はーーっ、そいやっさ!」
その集団を見たホクトベガが何故か、ぽっぴんひゃんとトレセン音頭の振り付けを披露する。
デュラ「…ホクトさん、一体何を?」
ホクト「ファンサ!」
エース「おん前…。」
ホクト「……って、ありゃりゃ?何やら知ってる顔が…」
デュラ「知ってる顔…ですか?」
その時、ホクトベガとラッキーライラックの目が合った。
ホクト「あーーーっ!!!ラリルのレーちゃんだー!!」
???「いや、それやとラッキーリイルックになってしまうやろっ!
しかも、レーとローが無いやろがいっ!」
ウマ娘A「…えっ、知り合い?」
ウマ娘B「ホクトベガさん、思い切り手を振ってるし…知り合い、なんだろうね…。」
ララ「…はっ、しまった…つい…!」
「あれは…ララ?」
テン「…全く…ホクトは…。」
シュヴァル「…ララさん、顔が引き攣ってる…。」
アル「周りからの視線が痛いようですね。」
「まぁ、入学したてなのに一応?有名なウマ娘から声かけられたらそうなるわな。」
ホクト「一応とはなんだぁ、一応とはーーっ!!」
────ゲシッ。
「ぶへっ。」
ウマ娘A「と、トレーナーに飛びかかった!?」
ウマ娘B「あ、ああいうのを…アットホームな雰囲気…って言うの、かな…!?」
ララ(あぁ…なんやろ、ウチまで恥ずうなってきた…。)
テン「トレーナー様の上に乗るなど言語道断です。」
ホクト「いだだだだだだだだだだ。」
シュヴァル「…大丈夫ですか?」
「タックルされるのは慣れてる…。」
エース「慣れて良いもんなのか、それ。」
ホクト「逆にタックルするのは慣れてるよ!」
デュラ「誇っていい事じゃないですよ、それ。」
ララ(…あかん、自分の事のように恥ずうなってきた…。)
教員「…で、では中の説明に戻りますね。皆さん、こちらに。」
アル「行かれてしまいましたね。」
デュラ「後ほど、ララさんがトレーナー室に来そうな気がします。」
「そしたら、さっき件についてホクトが土下座するから。」
ホクト「えっ、扱いの悪さ…。」
テン「何をいまさら。」
ホクト「ぽ前ぇ!コースに出やがれぇぃ!」
テン「負けて泣く事になるので辞めておいた方がいいかと。」
ホクト「@*;}*'}\€$~~っ!?」
「はいはい、そこまでね。」
テン「大変失礼しました、トレーナー様。」
ホクト「許してチョコボール。」
「スティル、今のホクトのコメント、10点中何点?」
スティル「えっ、あっ、その…5点…???」
「じゃ、ホクトは追加で5周。」
ホクト「やっぱり扱い悪いぃ~っ!」
…………………………………………………………
【トレーナー室】
────────コンコン。
アル「来客のようですね。」
ホクト「………………。」
テン「急にソファーの上で正座して、どうしたのですか。」
ホクト「いや、ラリルのレーちゃんだったら土下座しなきゃって…。」
テン「貴方のそういう所、憎めなくて好きですよ。」
ホクト「………それ、褒めてる???」
ララ「邪魔するで~。」
「邪魔するなら帰って~。」
ララ「ほなまた~……って、100点満点の返しかっ!」
ホクト「────すいませんでしたぁああぁ~っ!!!」
テン(ホントにするんですか、土下座。)
ララ「こっちはこっちで情緒どないなってるん!?…まぁ、ええわ…お久しぶりです、トレーナーさん。」
「あぁ、まずは入学おめでとう。学園はどうだい?」
ララ「ホンマに大きくて、早速迷ってはります。」
「あはは、俺も最初そうだったから。」
ララ「…で、ホクトはんは何で土下座を?」
ホクト「いや、つい舞い上がって声をかけてしまったので…。」
ララ「ホンマ、陽気な人やわぁ。まぁ…色んなウマ娘から質問されてちょっと困ったのは事実やけど。」
テン「それで、こちらに来たご用件は?」
ララ「あぁ、そやったそやった…えっとな、しばらくの間…学園の事を教えて欲しいんやわ。」
「学園の事?…それは良いけど…。」
ララ「当然、先生方も教えてくれるんやけど…まだ友達もおらんさかい…頼れるのがトレーナーさんしか居らんくてなぁ。」
「…友達は作っとけ。」
ララ「(何でそこ説得力あんねんっ!…って、ちゃうちゃう…。)おおきに、皆さんにも色々お聞きするかもしれへんし…あんじょうよろしゅうな。」
エース「てっきり走りを見て欲しいって言い出すのかと思ったぜ。」
ララ「話が飛躍しすぎやわぁ。そら、見て貰えたらホンマに助かるけど……なぁ?」
「そうだな、まだ入学したばっかりだし…本格的にトレーニングが始まったら…かな?」
ララ「なら、今のうちにトレーナーさんに見て貰えるように予約しておきましょか?なんて。」
ホクト(この子、策士だな、うん、また私の立場が危うくなりそうだ!)
テン(腕を組んで乾いた笑いを浮かべてる…。)
ララ「冗談はさておき…確か…テンポイントさん、来月…京都レース場でレースに出るんやった…やないですか?」
「あぁ、天皇賞・春に出るぞ。」
ララ「ご一緒したい…と、言ったら迷惑やろか?」
エース「そらまた急だな。」
ララ「レース前のやり取りやウマ娘の気迫…ましてやGIレースの空気感…中々近くで見る機会なんて無いですから。」
デュラ「如何いたしましょう、我が君。」
「いんじゃない?」
ララ「………偉く即決しはりまったなぁ。」
「見る事で学べる事も多い、それに…これも何かの縁だし、せっかくだからね。」
ララ「(ほっ…断られると思うたけど…やっぱりお優しいんやろなぁ、トレーナーさんは。)…では、当日改めて顔を出させてもらうにぃ、よろしゅう。」
ホクト「待てぇぃ!」
ララ「(うぉっ、なんやねんびっくりしたぁ!)えっと…な、何か…?」
エース「どうせろくな事じゃなさそうだし、テン、デュラ。」
テン「はい。」
デュラ「峰打ちします。」
ホクト「ここ物騒すぎる!!無法の荒野かっ!!………ん!!」
自分の隣の席をバシバシと叩くホクトベガ。
ララ「……えぇっ、と…?」
シュヴァル「き、きっと…ホクトさんは、どうせだし一緒にお茶をしよ…って誘ってるの、かと……。」
ホクト「シュヴァヴァナイス代弁!花丸あげちゃう!」
シュヴァル「……ど、どうも。」
ララ「部外者の自分が……ホンマによろしいん?」
アル「せっかくですし、気楽になさってください。」
エース「アタシらの走りみてどう思ったかも聞きたいしよ。」
ララ「……ほなら…お言葉に甘えさせてもらいますわ。」
ホクト「じゃあ、お茶受けとして……テンテン、ぶぶ漬け!」
テン「無いです。」
ホクト「じゃあ、八つ橋!」
デュラ「ありません。」
ホクト「何ならあるのっ!!」
「ここにホクトがめちゃくちゃ楽しみにしてた────」
ホクト「ど、何処から見つけた~っ!?」
スティル「……賑やか、ですよね。」
ララ「(ホンマ…突っ込みが追いつきそうになさそうやん…。)…えぇ、何時もこんな感じで?」
スティル「…私も、このチームに入ってまだ日は浅いですが…そうですね、何時もこんな感じ…です。」
ララ「は~…、まっ、ピリピリしてたりお通夜みたいに静かよりかはええんとちゃいます?」
エース「1つ難点を上げるならホクトがボケ担当として確立しすぎてるところか?」
ホクト「へへん。」
テン「褒められてませんよ。」
ララ「あはは…突っ込みするのもさぞかし大変と見えはります…。」
ホクト「まー、それがー?ホクベーちゃんの強みでもあり?ぷりちーな部分でもあるからー?ね、シュヴァヴァ!」
シュヴァル「な、ななな、なんで僕に振るんですか…っ!?」
ララ「ホント…退屈せん気がしますわぁ。」
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