瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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第175レース~春の盾へ~

ホクト「アルル、何書いてるの?」

アル「ふふっ、今の皆さん(ジュピター)の成績や級別を私なりに纏めてまして。」

 

スティル「拝見してもよろしいですか…?」

アル「はい、どうぞ。」

スティル「スティルインラブ、クラシック級…次走…過去の成績…

デュランダル、クラシック級……選抜レースの走破タイム…なるほど、ものすごく事細かく書かれていますね…。」

 

アル「このチームも…多くなりましたからね。

最初は2人では広く感じてたお部屋も…今では賑やかなものです。」

 

ララ「…賑やかすぎる気も…するなぁ。」

ホクト「えっ……何故、私を見るぅ!?」

エース「至極当然だろ。」

デュラ「寧ろ他の方が居ますか?」

 

ホクト「…………………。」

シュヴァル「だ、黙っちゃった……。」

テン「自覚はあるんですよね、一応。」

ホクト「ち、チームの元気印だから!ねっ、ねっ、そうだよねっ、トレくんっ???」

「俺に助けを求めるなよ…まぁ、確かにホクトが居れば雰囲気が明るくなるけど。」

 

ホクト「トレくん~~~~!♪」

テン「…エースさん。」

エース「おっしゃ、任せろ。」

ホクト「いだだだだだ!アイアンクロー!!!!アイアンクロー!!!!」

 

ララ「うわぁ…どえらい光景やんなぁ…。」

シュヴァル「だ、大丈夫ですよ…ホクトさん()()()打たれ強いですし…。」

ホクト「シュヴァヴァは私の事何だと思ってるの!?」

 

デュラ「申し訳ありません、テンさん……大事なレース前に…。」

テン「構いませんよ、このチームらしくて…落ち着きますので。」

「とは言え、まだ目的地まで時間あるんだからリラックスしていてな。」

テン「……では、トレーナー様の肩、お借りしますね。」

「はいよ。」

 

ララ(こっちはこっちで……甘ったるいムードしてはるなぁ…。)

エース「どうした?頭痛か?」

ララ「いや……いけずなトレーナーさん、やなぁって……。」

ホクト「あ、それ知ってる!!魚を置いとくやつ!」

ララ「それは生け簀……ホンマにアホの子やんなぁ。」

ホクト「……どこ情報だぁ、こらぁっ!」

アル「ホクトさん、しーっですよ。」

ホクト「アルル姉さん!どえらいすいません!」

 

ララ「……マスコットキャラクターみたいに見えてきたわ。」

スティル「ですが…あの明るさは勉強になります。」

ララ「……どこまでも勤勉なんやね、スティルさんは。」

 

デュラ「全く…我が君の手を煩わす事だけはしないでくださいよ。」

ホクト「心得た!」

エース「返事だけはいいんだよなぁ。」

 

 

テン「……ふふっ。」

「どうした?」

テン「いえ……こんな風景が…どこか微笑ましくて。」

「……だな、これがウチらしさ……かもな。」

テン「……ですね。」

 

 

 

 

 

 

 

………………………………………………………………………………

 

 

 

 

【京都レース場 パドック】

 

ホクト「場所取り完了ー!」

エース「さすがGI…やっぱ人が多いなぁ。」

 

ララ「スティルさん、平気やろか?」

スティル「……は、はい…人の多いところは…あまり得意ではありませんが…それよりも……。」

ララ「……それより…も?」

裏スティル(凄ぉい……こんナにも…強いウマ娘が…たくさん……ふふっ……ふふふっ……!!

スティル「……い、いえ……何、も……。」

ララ「…………そう、やろか?」

 

エース(そういや、ララはまだ裏スティルを見た事ないんだったな。)

アル(驚かなければいいです、が……。)

 

 

ファンA「天皇賞・春、トウショウボーイは出ないんだなぁ。」

ファンB「コンディション不調で回避したってよ…まぁ、菊花賞も距離が長かったかもって言われてたし。」

ファンA「ならやっぱ…その菊花賞を勝ったグリーングラスに注目か?」

ファンB「いや、復活したテンポイントも────」

 

 

「……………………。」

シュヴァル「あ、の……トレーナーさん。」

デュラ「そろそろテンさんが出てきます、あまり顔を強ばらせてると、不安にさせてしまう、かと。」

 

「……顔に出てたか…悪いな、2人とも。」

 

 

ホクト「おっ、出てきたよー。」

実況「さぁ、1番人気の登場です。

去年は注目されながらも、無念の無冠に終わった逸材。今年に懸ける想いは誰よりも強いはず!

10番、テンポイントです!」

解説「やはり、グリーングラスとの菊花賞の再戦の格好となるのか、注目ですね。」

 

テン(…今日は、ライバルであるトウショウボーイ(闘将)は居ない…ですが、菊花賞で内を掬われた…グリーングラス…貴方には、負けません。)

グリーングラス「………………?」

 

 

ララ「…えらい鬼気迫る表情…やねんな。」

スティル「ララさんも…気づきました…か?…ここまで伝わる…気迫に…。」

裏スティル(触れれば火傷しそうなほどの熱…もっと…もっと…近くで…っ!!!

スティル「くっ……!」

 

ホクト「スティルちん、深呼吸。」

スティル「ぁ…は、はい…すぅ……。」

 

エース「ま、普通に考えればその2人って考えるのが妥当かもな。」

デュラ「ですが、ライバルもそう簡単にやられはしないと思いますね。」

アル(テンさんは今年入って無敗...去年の菊花賞の影響がどこまであるか...ですね。)

 

 

 

 

 

 

…………………………………………………………

 

 

 

 

 

実況「さぁ、どんよりとした雲が広がる中、バ場コースは稍重と発表されています。

そんな中、各ウマ娘が次々とゲートの中へと収まっていきます。」

 

テン(…恐らく、最内のウマ娘が逃げの手に出るはず……。)

【今日の作戦は、先行策…だか、前に付けるんじゃなくて5~6番手を意識して走ろう。】

テン【普段よりも後ろに...ですか。】

【距離は3200mだ。菊花賞の時を踏まえて…ここは持久力勝負に持ち込もう。

────理想は1000m通過タイムが62秒くらいであって欲しい。そこからはテンのスピードに全てを賭けよう。】

テン【……かしこまりました、トレーナー様のご意向のままに。】

 

実況「グリーングラス、今日もゲート入りはゆったりとしていましたが、今収まりました。

これで14人、ゲートイン完了しました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────ガッコン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実況「さぁ、ゲートが開きました!…おっと!1人出遅れたようですが大丈夫でしょうか。

やはり逃げ宣言をしてた最内1番がハナを…おぉっと!グリーングラスが2番手につけました!」

テン(好スタートから2番手につけた…これは想定内…。)

 

実況「テンポイントはここに居ました、現在5番手あたり。菊花賞と同じようなポジショニングと言ったところか。」

ホクト「…………。(このバ場状態で、あの高速コーナリングが出来るか、だね…。)」

 

 

実況「さぁ、注目のグリーングラスは菊花賞同様内へと進路を取ります。

テンポイントはちょうど6番手と言ったあたり。場内が沸き立つ中、各ウマ娘がゴール板前を通過。」

グリーングラス「…………!」

テン【かかってる…?…いや、陽動作戦の可能性もある...まずは、ペース配分に注意をして…。】

 

ララ「…さっきから、テンさん….何度も何度もターフビジョンに目を配ってはる….。」

エース「3200mだからな…持久力ともなれば、ペース配分に細心の注意を払わないといけねぇからな。」

 

「アル、タイムは。」

アル「1000m通過が62.6です。」

(……ここまではスローペース…果たして、テンの武器がどこまで活かされる……か。)

 

シュヴァル「僕も走った事あります…けど…他のウマ娘がペースをあげると……つられてペースを上げて……スタミナを消費してしまいました。」

デュラ「なるほど…レースの最中でも…紙一重の駆け引きが行われてる…そういう事ですね。」

ララ(……なるほどな、これは…目が離せんくなる訳…やろな。)

 

スティル「……………………。」

裏スティル(あノ、ウマ娘、強い、ワ

スティル(えぇ……自分の為…ではなく、誰かにあげたい勝利のために…という想いが伝わってきます。)

 

 

実況「第2コーナーに向かう14人のウマ娘ですが、スローペースの中1400mを通過。

これは超がつくほどのスローペースになってきた!そして、これを嫌って後方のウマ娘達が上がってきた!」

テン(大丈夫、ここまではトレーナー様の想定内…!私は……ただ、目の前に居る倒すべき相手を見て走るだけ!)

 

グリーングラス「………………。」

ホクト「あんなに縦一列だったのが、半分過ぎて一気に一団に…!」

アル「ここで焦らず…ですね。」

 

 

テン「(もうすぐ第4コーナー……っ…第3コーナーまでで脚の温存は出来た…。)…なら、ここで……っ!」

(────来るか、テン!)

実況「テンポイント2番手に上がった!さぁ、先頭に並ぶ勢いだ!」

 

 

テン「ここは……譲らない…っ!!」

実況「出たぞ、テンポイントの高速コーナリング!!先頭に立った!!

────…あぁっと!!!またもや内からグリーングラスがやってきた!!!」

テン「……っ!?」

グリーングラス「…………っ。」

 

 

エース「高速コーナリングは、スピードが出る分、外に膨れる…!」

デュラ「ましてや、今日は道悪…流石のテン殿でも、これは迂闊でしたか……!」

シュヴァル「初めから…グリーングラスさんは、これを狙って……。」

 

 

 

 

 

 

ホクト「……いや…同じ轍は踏まないよ。

────だって、私のライバルだから。

 

 

 

 

 

 

 

テン(ここで負けたら、菊花賞と同じ結末……そんなは、もう…嫌だ…あの日の悔しさを…力に変えて……GIを……獲る……絶対に……っ!!)

「────テン!!!!!!」

 

 

テン「────届…けぇえぇえええぇっ!!!!!!!

実況「テンポイントが先頭だ!テンポイントが先頭だ!!

これが!夢に見たゴールだ~っ!!!!!!

テンポイント1着!勝ったのはテンポイントです!!!!!!」

 

 

テン「はぁっ……はぁっ……!!!

……い、1着……私が……。」

「…………おめでとう、テン。」

ホクト「……ぅぅぅぅぅ……しゃああぁあああ~っ!!!

エース「うぉっ、ビックリした!!」

アル「本人より喜んでしまってますね。」

ララ「……ほんま、注目されるの好きやねんな…。」

シュヴァル「凄い……強かった……。」

スティル「えぇ…流石…という他ありませんね。」

デュラ「これで3連勝…クラシック級では獲れなかったGIのタイトルに手が届きましたね。」

 

 

テン「……皆様、ありがとうございます。

私……勝ちました……。」

実況「今、大観衆に向かって一礼をしましたテンポイント!無冠の帝王と呼ばれたテンポイントが見事GIの栄光を掴み取りました!」

 

ホクト「それそれトレくん、主役をお出向かに行きなさいよっ。」

「ちょっ、ホクト、バ場に押し出そうと、すなっ。」

ホクト「行ってこ~いっ!」

「いでぇっ!」

ララ(蹴った!?今、トレーナーの事蹴りはった!?)

 

「……い、つつ……おめでとう!テン!!」

テン「トレーナー様っ!」

「おわぁっ!?」

エース「飛び込んだな。」

アル「飛び込みましたね。」

スティル「愛ですね。」

デュラ「愛…なのですか?」

シュヴァル「そ、そうかな…?そうかも……。」

 

 

テン「……大変長らく待たせてしまって…申し訳ありません。

GIの勝利を…トレーナー様にお届けできました。」

「…ありがとうな、テン…凄く良い走りだった、惚れ惚れする程に。」

テン「…全てはトレーナー様のご尽力のおかげです。感謝を伝えるのは私の方です。」

 

実況「おぉっと、勝利を分かち合うトレーナーとテンポイントに拍手と口笛が響く!これは珍しい光景だ!」

ホクト「ふっ、もっと賑やかになれなれ、後で2人が赤面するほどに。」

ララ「わぁ……よく性悪って言われへん…?」

ホクト「こ、こんなにぷりちーなホクベーちゃんを捕まえて性悪だとぅ!?」

ララ「……ハリセン持ってたら思っきし強く叩いとったわ。」

ホクト「そう褒めなくても~。」

ララ「褒めてへん!」

 

 

エース「……ああは言ってるけど、1番ホッとしてるんだろな。」

アル「酸いも甘いも…1番近くで見てきましたからね。」

スティル「………………。」

デュラ「スティルさん、どうかしましたか?」

スティル「……いえ。(何か……気配が…気のせいでしょうか。)」

 

 

 

 

 

 

………………………………………………………………

 

 

【帰り道 トレセン学園前】

 

 

ホクト「テンテンも優勝レイ巻したら良かったのに~。」

テン「しません、貴方じゃないんですから…。」

ホクト「でも勝利インタビューの後にトレくんに鼻擦りつけてたクセに。」

テン「……蹴りますよ。」

ホクト「ひぇぇぇっ!」

 

ララ「……元気やなぁ。」

エース「いや、ホクトだけが元気なだけだからな。」

デュラ「またアルダンさんに怒られますよ。」

 

ホクト「…………サーセン!」

シュヴァル「す、すぐ謝った…。」

スティル「本当に明るいお方ですね…。」

 

ホクト「それがホクベーちゃんの取り……もや?」

テン「もやとは何ですか、もやと…………おや。」

 

トウショウボーイ「………………。」

エース「…待ち構えていた…って、感じだな。」

 

トウショウボーイ「……。」

テン「……。」

 

 

シュヴァル(な、何も言わないで睨み合ってる…。)

ホクト「……テンポイントに何か用?」

デュラ「……。」

 

トウショウボーイ「…そう身構えるな。

今日の天皇賞…見ていたぞ。」

テン「…………。」

 

トウショウボーイ「……これで、GIタイトルは…互いに2つずつ。」

エース(テンが朝日杯FSと天皇賞…奴が皐月賞と有マ記念…。)

 

トウショウボーイ「……宝塚記念、オレはそこに出る。

復帰戦……今度こそ、貴様と雌雄を決する…その日まで…研鑽を忘れぬことだな。」

テン「…………これ以上、負けません、貴方には。」

トウショウボーイ「……ふん。」

 

 

ホクト「宣戦布告……やってくれるじゃん。」

テン「……ホクト、ありがとうございます。」

ホクト「……さっ!!お腹空いたな~!」

 

アル「ふふっ、帰ったら祝賀パーティですね。」

ホクト「それいいね!トレくん持ちで!」

「何でだよ!」

 

テン「そうです、あまりトレーナー様を困らせないように。」

「いや、主役がそう言うのは寂しいだろ、やるよ?」

テン「そ、そんな……私なんかに勿体ない…。」

「いいの、俺がしたいんだから。」

テン「と、トレーナー様……///」

 

ホクト「本当に甘いんだから…。」

デュラ「…………くっ……!」

エース「横でダメージ入る癖、そろそろやめねぇか?」

 

ララ「……何か…ええなぁ。」

スティル「……ララさん?」

ララ「ん、なんもあらへんよ。(…また、顔出すのも…あり、やろな。)」




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