テン「全く……貴方と言う人は…。」
ホクト「えへへ、ごめんごめん……。」
エンプレス杯が終わった日の夜。
部屋に戻った2人はレース後のことについて回顧していた。
ホクト「でも、トレくんのあの困った顔ちょっと面白かったよね。」
テン「あまりトレーナー様を困らせてはいけませんよ。」
ホクト「困らせてはないんだけどなぁ…大好きなのは事実だし。」
テン「トレーナー様は魅力的なお方です、そうなるのも納得です。と言うか…なって当然です。」
ホクト「すごい自信だなぁ……まぁ、実際そうなんだけど。」
テン「ふふっ、まさかホクトも……とは、思ってもみませんでしたが。」
ホクト「あ、いや……ホントはね?
テンテンとトレくんの仲を応援する……はずだったんだけど…心のどこかで…
あ、私……やっぱり好きなんだな、この人の事って思う時があっ……って!
な、なんて話させるのさっ……///」
テン「ふふっ、そんな気はしていましたよ。」
ホクト「あ、でも……そうなると…恋のライバル、ってことになっちゃう……ね?」
テン「………………はい?」
ホクト「いや、1人の相手を巡ってドロドロと奪い合うって言うか……。」
テン「…あぁ…なるほど…その考えは私にはありませんでしたね。」
ホクト「えぇっ!?……あ、いや…テンテンの方がそういった意味で優位だからって意味なのかな。」
テン「いえ、そうではなく。」
断りを入れるように話を遮るテンポイント。
テン「私たち2人で、トレーナー様の事を幸せにすれば……と思ったのですが。」
ホクト「えぇっ?!……それは~…アリなの、かな?」
テン「何かダメな理由がありましたか?……奪い合うよりも、よっぽど平和的だと思うのですが……。」
ホクト「……いや、まぁ…テンテンらしいなぁとは思ったけど…トレくんが何て言うかな。」
テン「トレーナー様はお優しいですから、私たちの想いを汲んでくれますよ。」
ホクト「は~……明日からトレくんの顔見るの恥ずかしくなっちゃうかも。」
テン「そうなったら、からかってあげますね。」
ホクト「ひ、ひど~いっ!」
………………………………………………………………
【翌日 トレーナー室】
ホクト「お~~~疲れ様どぅえ~す!……って、ありゃりゃ、私が一番乗りか。」
ホクト(ありり?トレくんの返事が無いな…何してるんだろ?)
デスクに座るトレーナーの元へ近寄ると……。
「……………………zzz」
ホクト(…寝てる……お疲れモードなのかな?)
何かの作業中だったトレーナーが静かに寝息を立てていた。
ホクト「全くまた無理してるんじゃなかろうかねぇ…。
…これは~……んむ、アルバム?」
起こさないように、デスクの上に置いてあったアルバムを手に取るホクトベガ。
ホクト(インデックスに私たちの名前が書いてある…。)
自分の名前のページを開くた…そこには。
ホクト「これ……私のデビュー戦の写真…それに、こっちはエリザベス女王杯の時の写真…。」
これまでの走ってきた写真が綺麗にスクラップされていた。
その横には、トレーナーのコメントも書かれていた。
【ホクトベガのデビュー戦!彼女はトゥインクル・シリーズの新たな星になれる!】
【エリザベス女王杯!何度も味わった悔しさを乗り越えての初のGIレース勝利!おめでとうホクトベガ!】
ホクト「……トレくん…。」
そして、作業中だった写真は……。
ホクト「昨日の、エンプレス杯の……。」
アルバムには、先にコメントが書かれていた。
【久々の勝利、ここから再スタート、ホクトと俺…2人のターニングポイントになるレースだった。】
ホクト(ターニングポイント……か。)
確かに、何か変わった気がした…そんなレースだった。
ホクト「……こんな私だけど…一緒にゆっくり…歩いていこうね、トレくん。」
「……ん、ホクト…?」
ホクト「あ……起こしちゃったね、おはよトレくん。」
「……やべ、見られちゃったか。」
ホクト「ごめんごめん、つい目に入っちゃって。」
「ううん、大丈夫だよ、完成したら複製してみんなに配る予定だったし。」
ホクト「えっ、そうだったの?」
「大事な思い出だからね。」
ホクト「……そっか…ありがとね、トレくん。」
そう言うと、自分の元に抱き寄せるホクトベガ。
「……ほ、ホクト?何して…っ。」
ホクト「……ごめん、私がしたくてしちゃったんだけど…迷惑だった、かな?」
「…迷惑、ではないけど…その……な……?」
顔全体に、柔らかい感触がするのを否応無しに感じてしまうため、トレーナーも困った声をあげた。
ホクト「………………やっぱり…好き、だな……。」
「……ホクト?」
ホクト「諦めるなんて…出来ないよ…。」
「…おーい、ホクト???」
ホクト「……ん!!…そろそろみんな来るし…これでおしまいね?」
ホクト(これ以上トレくんの目を見てたら…私、どうにかなっちゃいそう、だし…。)
「────何かあった?」
ホクト「……………えへへ、内緒っ♪」
そう言うと、離れ際にホクトベガはトレーナーのおでこにキスをした。
「────なっ。」
ホクト「あははっ!トレくんのキョトンとした顔、おもしろ~いっ♪」
「お、お前なぁっ……!」
エース「お疲れさ~ん……って、また賑やかだな。」
ホクト「あ、エーちゃんにアルル!お疲れ様~!」
アルダン「ホクトさんが一番乗りだったんですね。」
ホクト「そそ!みんなが来るまでトレくんとお話してたの。」
テン「お疲れ様です……トレーナー様、どうかなさいましたか?」
「あぁ、テン……いや、何も。」
テン「…なるほど、心中お察しします。」
「あはは…テンにはお見通しか。」
テン「私も、トレーナー様の魅力に絆された1人ですから。」
「そうな……………………ん、んん?テン、今なんて?」
ホクト「ほらほら!トレくん、トレーニングの支度するよ~!」
「わ、分かったから腕に引っ付くな!」
テン「では、私は反対の腕に。」
「なんでそうなるのっ!?」
シュヴァル「お、お疲れさ…………あ、あわわ…っ!!」
スティル「凄いタイミングで入室してしまいましたね……。」
ララ「…はー……こらまた、面妖な…いや、何時もの事…やろか?」
デュラ「くっ……!!何故でしょう…大きく出遅れて最後方スタートしたような気分です……!」
エース「なんだそりゃ。」
アルダン「ふふっ、賑やかでいいじゃないですか。」
ホクト「今日も頑張りまっせー!」
テン「ふふっ、それでこそホクトですよ。」
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